ポップアップウィンドウを再配置するパズルアクション

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毎週ホットなインディーゲームを紹介する「Indie of the WeekIotW)」。第3回目となる今回はパズル 2D アクション『PICO』をご紹介しましょう。インターネットブラウザを利用していると見に覚えのないウィンドウやタブが勝手に表示されてしまう「ポップアップ」。Adblock でもインストールしない限り遭遇してしまうこの憎き仕組みを、パズル 2D アクションのシステムとして組み込んでしまったのが本作『PICO』です。

『PICO』は米国ペンシルバニア州に位置する名門カーネーギーメロン大学のエンターテイメントテクノロジーセンター在学生ら4人が手がけたタイトル。学生作品ながらも Digital Dream Quartet というスタジオ名で海外インディーの祭典 IndiCade 2013 に提出され、850 以上の作品の中から 36 のファイナリストに選ばれました。『PICO』のグラフィックは率直に言って初期の PC フリーゲームを思い起こさせるようなクオリティですが、それは言いかえれば純粋にアイディアとコンセプトの魅力のみで Indicade 2013 ファイナリストの座を勝ち取ったということになります。

『PICO』はいたってシンプルなゴール到達型の 2D アクションゲームで、プレイヤーはマウスクリックでキャラクター Pico を目的地まで誘導していくことになります。唯一であり最大の特徴はステージの一部が「ポップアップウィンドウ」と化しバラバラに配置されている点。プレイヤーはこのウィンドウ化したステージの一部を配置し直し、Pico とゴールを結ぶ正解ルートを築き上げていくのです。なおルールとして、Pico が存在しているウィンドウはドラッグ移動させることは不可能です。

そして公開されているトレイラーを見れば理解できるように、『PICO』は単純に正解ルートを一本結べばいいというゲームではありません。例えば Pico は鍵を持ってハシゴを登れないため、鍵が下のウィンドウにあり、ゴールの扉が上のウィンドウにある場合は単純に持ち運びが出来ません。ここでは一度 Pico を上のウィンドウに登らせてから、下のウィンドウをドラッグ移動し上のウィンドウへと接続してしまうのが正解となります。

 

 

分割されたステージを再配置するというダイナミックな発想だけに頼れば、下手なパイプ接続ゲームのクローンが出来てしまいそうなところですが、上手くパズルデザインも考慮されているところは好感が持てます。まだまだ開発初期段階とのことで、何かのアクションに対し新たなウィンドウがポップアップ、あるいはウィンドウの最小化、消去が行われるなど、ウィンドウの内と外で連動するようなゲームメカニックの登場にも今後期待が持てそうです。

なお Digitla Dream Quartet によれば、『PICO』は現在 PC / Mac / Linux 向けにフルゲームとして開発を進めるか検討中の段階とのこと。製品化されるのか、あるいはフリーゲームとして公開されるのかは不明ですが、なにか続報があり次第また Digital Dream Quartet 公式サイトのウィンドウを自ら開きたいところです。

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