「バー」に憧れたゲーマーがマスターに聞く、初心者のためのバー入門

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AUTOMATONとバーもしくはお酒とのつながりは歴史が深い。弊誌では以前より酒とゲームを絡めたコラムを掲載してきた(関連記事)。とはいえ、筆者自体はこうしたバーやお酒にはまったくといっていいほど知識がない。しかし最近では『VA-11 HALL-A』を代表にバーを題材にした魅力的な作品が数々にリリースされている。「バーに行ってお酒を飲んでみたいが、不慣れなので不安が大きい。」ケイ・オプティコムの運営するメディアZing!編集スタッフにそんな不安を吐露したことで今回の企画は始まった。そんな経緯もあり、Zing!とは、数回にわたってゲームに関連したコラボ記事をお届けする予定だ。

今回は、バーに不慣れで行きづらい筆者がバーにおもむき、芥川賞作家でありマスターでもある玄月氏にさまざまなことを聞く。ゲームとはたいして関連のない内容になるが、もし同様の不安を抱いている人がいれば、参考になれば幸いだ。ちなみに、お酒を飲まない人のためのバー入門はこちらから

――本日はよろしくお願いします。ここのお店は、初めて来られる方は多いのでしょうか。

玄月氏:
割と多いですね。ここは文学バーだから、普段お酒飲まない人とか結構多いんです。女性が1人で来られるケースも多くてね、「地下で入りにくい」と言う人もいますが、でも割と若い女性が結構来られることがありますね。

――初めて来る人は要領を得ないですよね。どう接しますか。

玄月氏:
そうですね。ちょっときょろきょろしながら来られる人もいるし、堂々と来られる人もいますけど、まずメニューをお出しします。すぐ決める人はこっちも別にかまわないんですが、なかなか迷っている人にはやっぱり「どういったものがお好きですか」みたいなことをお聞きはします。

――そのお客さんの態度に合わせてうまく気を配ってもらえると。

玄月氏:
もちろんそれは、ここから全部見えてるんで、初めてのお客さんはある程度放ったらかしにしながら様子見てます。で、ちょっとでも何かアクションがあったら、「はい」という感じで行きますね。

――1人で来られるのは勘弁してほしいなど、そういうのはありませんか。

玄月氏:
その逆ですね。もう全然。来ていただくことはありがたいです。

――なるほど。慣れてない人が行く向けの時間や曜日のオススメはありますか。

玄月氏:
場所によりますね。どこのバーでもたいてい週末がお客さん入るし、うちでも今日金曜日ですけど、金曜日と土曜日、今日と明日だったら、たぶん9時から10時、11時ぐらいの間が一番お客さんがいっぱいきますね。逆に初めて行くんだったら、そういう時間帯に行くよりも、もうちょっと早い空いてる時間帯に行くほうが馴染みやすいかなと思います。常連さんが仲良くしているところに初めて入るのはなかなか、お客さんのほうもしんどいかもしれない。

――少し早い時間に行くと、人が少なくていい?

玄月氏:
そうですね、少ないときほうがいいんじゃないかなと思います。そのほうがカウンターの向こうのバーテンさんや店員さんと話す機会もありますし。

――バーテンダーさんに話し掛けてもいいんですか。

玄月氏:
いやもう、それは話し掛けるべきです。ただ自分が話したくないときは話さなくていいですよ。ここだったら、本を静かに読む人もいるし、そういうときは僕らも邪魔しないし。1人ぽつんといらっしゃって何もしてなかったら、こっちから声掛けますからね。

――なるほど。ここのお店が特にそうだと思うんですけど、お客のニーズに合わせて対応していただけるというのが基本なんですか。

玄月氏:
うちはそうですけど、それはバーによって違いますね。オーナーやバーテンの個性で対応が全然違いますからね。話し掛けてもムスッとするバーテンさんはいないと思いますけど、基本はお客さんとしゃべるところだから、できるだけ居心地よくしていただきたいと思いますよ。初めて来られて、こっちにまた別の常連さんがいたとしたら、この2人がうまく話せるように持っていくというようなことは常に心掛けていますよね。

――バーに行く時は身なりや不相応かなといってことは気にしなくてもいいと。

玄月氏:
いやもう、まったく、まったく、まったくない。堂々としといたらいいんです。言っても飲食店だし、普通の店だったら堂々と入って、自分の飲みたいものを注文して、会話を楽しむということですね。

――新しいことをするのは、内気な人にはすごく難しいと思うんです。そういう人にも配慮してもらえるというのがここのバーですか。

玄月氏:
うちはできるだけそういうのを心掛けてます。特に初めてバーに来た人にとっては、うちは本がいっぱいあるという特徴があるんで、でも普段お酒を飲む機会なんてほとんどないという人が来たりすることが多いですからね。最近うちは、20代のお客さんが多いんですよ。20前半から後半にかけて、男女とも多くて。そういう人たちがすぐ仲良くなっておしゃべりする。

――勝手な想像なんですが、若い人が行くのってちょっと生意気かなと思っていました。

玄月氏:
いや、そんなことは全然ないですよ。でもあえて言うとすれば、飲み方を知らない人って分かるんですよ。飲み慣れてない人というのは、こっちで見ていても分かるし。そういう人には本当は先輩とかが連れて行って飲み方を教えてあげたらいんだけど、なかなか今そういう機会とかもないですね。先輩に連れられて飲み方を教えてもらうっていう機会もないみたいで。そういうときはちょっとこっちもね、もどかしい感じがするんですよ。もっとちょっとスマートに飲んだらいいのになと。

――うまい飲み方とは、どういうものなんですか。

玄月氏:
これはもう完全に店側の立場から言うんですけれど、やはり1杯とかで何時間も粘る人というのは、ちょっと難しいですね。お酒が飲めなくても飲めるドリンクがいっぱいあるんです。そのへんのというやつですよね。お客さんのほうから店に気遣いがない人というのはちょっと残念かなと。

――お店に来た人に対してリスペクトしているだけに、そのリスペクトに応えるお客側の最低限の気遣いもいると。

玄月氏:
ええ、それは必ずいります。極端な話、居酒屋とかだったら、注文して運んでくるだけじゃないですか。で、運んできたお姉ちゃんにちょっとしたお愛想みたいなことを言ったりとか。居酒屋とかだったら、店員さんにそんな気を使うことってたぶんないと思うんですよ。テーブル囲んだら、その自分の仲間内だけで飲み食いして、仲間内だけでしゃべるわけですから。でも、バーになると対面で距離近いでしょ。

――こう座ってみると、かなり近いですね。

玄月氏:
こんな距離近い人間に対してお互い気遣いしてなかったら、もう破綻してしまいますよね。こっちにもちろんお金をいただくわけなので、ドリンク、お話とかいろいろサービスするわけですけど、でもお客さんの側もこっちに対して、普通の人間関係での気遣いがあるといいなと。会話ひとつにしても、そういう気遣いがあるほうがよりスマートですよね。

――そうですね、お酒を出してもらうのとは別に、人とのつながりとしての対話がある。

玄月氏:
そういうことです。お酒を飲みたいだけだったら、家で飲んだらいいんですから。雰囲気とか、その会話とか、そういう楽しむための場所なんじゃないですか。やっぱり割高ですからね、バーは。それなりのお金払うわけですから、帰るときに「ああ、来てよかった」って思って、気持ちよくお金払っていただいたら、こっちもうれしいわけですよね。お互いの気遣いがあって、それで気持ちよくお酒を飲んでいただく。こっちも飲んでいただいた分の対価をいただくというのがちゃんと成立したらいいかなというね。

――「来てあげた」とか「頼んであげた」という姿勢だと厳しいですか。

玄月氏:
そういうのをこっちが感じたら、もうアウトですよね。でも、そんな人いませんよ。いわゆる横柄な人とかはこないです。ここは特に客筋いいんですよ。そんな酔っ払って暴れたりとか、騒いだりするようなお客さんはほとんど皆無だし、みんな割とおとなしくというか、わいわい騒ぎはするけれど、一定のマナーは守る。

――教養ある方が来られるというのはあるんですか。

玄月氏:
そうですね、本好きの人が多いから。

――なるほど。もうひとつ聞きたかったのは、来店した際に座る場所です。

玄月氏:
いや、別にどこでもいいですよ。そこは僕らあんまり考えてない。ただ、ここはドリンクをつくるとこなんですね、バーマットあるとこですから。ここにあると、だいたいバーテンと向かい合わせになるんですよ。で、ドリンクをつくるとこをずっと見ることもあるし、まあまあそれでもいいなら、別にどんと真ん中に最初座ってもいいし。お客さんによっては端が好きっていう人もいる。で、常に端っこに座るという。

――座る席によってちょっと何かこう、体験が変わるわけじゃないですか。

玄月氏:
変わりますね。

――バーテンさんと話してみたいなら、ここに座って、でもちょっと放っといてほしいなら、端っこに座るみたいな。

玄月氏:
そう、そういうことですね。そういうお客さんのほうの使い分けですよね。僕らのほうからは別にどこに座ってもらっても、問題はないんですけどね。

――バーテンさん側からしたらちょっと、近いほうがやっぱり対応しやすいと。

玄月氏:
対応しやすいですよ。近いと話しかけやすくて、遠いと用事がある時を中心に話しかける感じになります。

――ゲームや映画作品ではたいてい向かいですよね。『VA-11 HALL-A』も。

玄月氏:
そうなりますね。メインステージですから。

――もうひとつ気になるんですけど、最初に来店された方におすすめするドリンクはありますか。

玄月氏:
それはやっぱり自分が飲みたいものを。まずメニューを見て、自分の飲みたいものを探す。で、自分が何を飲みたいか分からないときも多分あると思います。何を注文していいか分からないというときは、バーテンダーに聞いていただいたら。だから、さっきも言いましたけど、メニューを見て悩んでる人がいたら、「どんなものがお好みですか」と聞いて、「こういうので」と答えてもらえれば、「こんなんもありますよ」というのでおすすめしますけどね。

――気分と予算でおすすめを頼む人もいるんですか。

玄月氏:
それは聞いたことないですね(笑)。値段にそんな幅がないんですよ、うち。ソフトドリンクが一番安いので600円で、カクテルでも900円ぐらいまでで、幅は300円ぐらいしかない。ウイスキーとかだったら、高いのもありますけどね。うちはチャージがないですから。チャージがあったら、例えば500円やったら500円で乾いたものが1個付いてくるというような感じになります。

――おつまみは、何を頼まれる方が多いですか。

玄月氏:
おつまみは、ミックスナッツ、ナッツ系とか、チョコ系とか。簡単なチーズの2種盛りみたいなのがあって。がっつり食べたい人はパスタとか、カレーライスとかあるので。それは本当にね、何を頼んだらいいかじゃなく、何を飲みたいか、何を食べたいかでいいと思うんですよ。

――主体性を持って楽しむことが大事なんですね。

玄月氏:
もちろんそうできたらいいんですけど、バーにまったく来たことがない、行ったことないような人が、何を頼んでいいか分からんというような状態で来たときは、それは仕方ないですからね。さっきも言ったようにお好みを聞いて、「普段どんなん飲んでるんですか」とか、「お酒、お強いんですか」とか聞いて、それでこちらで「これはどうですか」というような感じの言い方をするので。それはどこのバーでも基本、絶対そういうことはしてると思うんですけど。

――注文してから、そのまま話も聞いてもらえる場所だというイメージもあります。

玄月氏:
それもありますね。

――そういう人ってやっぱりたくさんいらっしゃられるのかなと。話を聞いてもらいたいと人。それを期待して来てもいいのかなというのは。

玄月氏:
それはもちろん期待していただいていいですよ。もちろんバーテンと話すのもいいし、常連のお客さんと仲良くなって、横同士でしゃべるのもいいですし。ただ、これも店側のあれですが、もちろんお話はいろいろ聞ききますが、愚痴っぽかったりとか、自分のことばっかり話し出すというのは難しいですね。誰と会話するときでもそうですけど、あんまりよくないですよね。そこはでもね、コミュニケーションって難しいんで上手じゃない人もやっぱりいるんですよね。いきなり上手にしてと言っても、難易度が高い。

――人間関係としてのつながりみたいなのがいると。

玄月氏:
それが一番大事ですね。本当にただお金払うからこのサービスを受けるというんじゃなくて、人間関係を楽しむ、つくる、築いているんですよね。ここでコミュニケーション能力をやっぱり付けていくという部分。

――ああ、こういう場を介してコミュニケーション能力を培うというのも。

玄月氏:
かなりあります。人としゃべるとき、相手を見て何をしゃべっていいのか、何を聞いていいのかというのはわかりません。それはもちろん失敗を繰り返しながら、「ああ、あのときあれを言うたんまずかったな」と思ったら、それで学習したらいいわけですよね。

――それはバーテンさんから見ても「ああ、この人って来られるなかですごく成長してるな」というのもありますか。

玄月氏:
ありますね、それは。うちも5年、6年って来てうまくなってきているお客さんもいます。

――むしろ、シャイな人こそが来るべきなのかなという。

玄月氏:
それもあると思いますね。普段、会社とか組織のなかであんまりコミュニケーションを取られないような人だったら、ここに来たら利害関係がないわけです。会社とかは利害関係があるからね、上下関係とかがあるけど、そういうのがないと楽なんですよ。だから、ほかのお客さんもフラットなんです。そうなるとやりやすいですよね。

――バーテンさんからしてうれしいと思うお客さんのタイプなどはありますか。

玄月氏:
たくさん飲んでくださる人がうれしいのはうれしいですけど、でもそれだけじゃない。僕がやっぱり一番うれしい、よかったなと思うのは、お客さん同士がつながったときですよね。さっきも言ったように常連のお客さんがいて、初めて来られたお客さんがいて、ちらっと「どんな感じ」とか聞いた後に、こっちの常連さんに「この方、そういうことされてる方です」と話す。

――バーに行って横につながりを持つって結構難しいというイメージがあったんですが。

玄月氏:
自分からするのは難しいでしょうね。よほど積極的な人でないと、隣にいるお客さんに声掛けられないです。それはハードル高いと思うから、僕のほうから「ああ、この人とこの人は話し合いそうだな」というときはつなげるようにする。で、つながって仲良くしているのをこうやってはたから見てるのが楽しいですよね。お客さん同士で楽しんでくれていたら、はたで見ながら洗い物をしたりとか。

――盛り上がっているところを見るというのは、単純に楽しいですよね。

玄月氏:
それは楽しいですね、はい。

――逆にもっと勉強してきてくださいと思うお客さんは。

玄月氏:
居心地がいいから長居する人かな。やっぱりスマートというか、うまく飲む人というのはバーをはしごするんです、週末は特に。馴染みのバーで2杯ぐらい飲んで、次にまたぱっと行くという。そういうのをきれいな飲み方と僕らは言うことがあるんです。でも、長居してくれても、その分、気遣いしながらちょっとぐらい頼んだりとか、バーテンさんにちょっと1杯おごったりとかという人は、「この人、飲み方を知ってるな」と思いますね。

――1つのお店に長くいるというのはお金をある程度落とせばですけど、いいイメージがあったんですけど、必ずしもそういうわけでもないという。

玄月氏:
必ずしもそういうわけでもないですね。若い人でね、やっぱりお金がないから、ここに来て1杯飲むのにもね、バーだからそこそこするわけですよ。それで3杯、4杯飲んだら、もうそれで3000円とかになるわけですよね。3000円は痛いという人もいますから。こっちもそれなりに振る舞いとかで分かったりします。そんなにまだ会社入って間もないとかだったら、給料が高くないというのは分かってるからね。そういうのなら別にいいんですよ。そこは察することができるから。それだったらそれで、そのうえである程度こっちにも気遣いをしてくれてるのを感じてたら、全然もういてくださいという。

――やっぱり人との関係なんですね、つながりというか。

玄月氏:
そうです、そういうことですね。

――カウンセリングみたいですよね、ある意味では。

玄月氏:
カウンセリングかは分からないんですけど、常にここにいたら全部見えるわけですよ、テーブルの人は見えないんですけど、カウンターの人は全部見えて、何やってるかというのは全部見えてるから、常に見てますね、どのお客さんがどういうことをしてるのかって。

――ところで、やっぱりバーにはこういう一見さんお断りみたいな雰囲気があると思うのですが、何か暗黙の了解のマナーとかルールとはありますか。

玄月氏:
これは当然ですけど、騒がない。男で、女性が入って来たら、もうすぐ目で追いかけてながめる人がいるんです。ほんとたまにね。で、すぐ声掛けに行ったりとか。組織でも集団でも、やっていいことと、悪いことってありますよね。もちろん飲み過ぎる人もだめです。飲み過ぎて、もうフラフラになるというのもだめ。ああでも、飲み過ぎてしまうのは、もう仕方ないかな。自分の足で帰れるぐらいやったら、まだいいんですけど。

今回いただいたお酒は「存在の耐えられない軽さ」。ミラン・クンデラの代表作をドリンクにしたもの。

――人に迷惑を掛けない飲み方をする。

玄月氏:
うん、それはもちろん当然ですよね。

――実はこういう掟があるとかではなくて、一般常識的が求められると。

玄月氏:
もちろんそうです。暗黙のルールなどは店によってはあるかもしれませんけど、一般的なバーでそういうことは多分ないと思います。人に迷惑を掛けなかったら、別にここで何しても構わない。勉強する人もいて、何か仕事する人もいて。

――バーに慣れてない人におすすめしたいことはありますか。

玄月氏:
いろんなお酒を飲んでほしいですね。

――お酒を知っていくうえでも、結構いろんなものをチャレンジするというのも大事なんですね。

玄月氏:
大事ですね。特にウイスキーなんか飲まず嫌いというか、若いときに飲んでいい経験がなかったから敬遠してるとかよくあります。居酒屋の角ハイとかでね。「ああいうのは飲んだことあるけど、あんまりおいしいと思えない」とかと言う人が結構います。バーでちゃんとしたウイスキーを飲んだら、居酒屋で飲むウイスキーとは全然違いますからね。同じウイスキーを使ってるけど、入れ方とかつくり方でやっぱり味が違うんですよね。

――場所が違うから、雰囲気でそう感じるのかなと思ったんですけど、味自体も違うと。

玄月氏:
違いますね。やっぱり氷やソーダとかから違います。居酒屋では早く出て来る機械とかを使っていますが、そういうものとは全然違います。

――飲むお酒の質も全然違うんですか。

玄月氏:
使ってるお酒は一緒なんですよ。ウイスキーは種類が多いから、やっぱり値段に比例するけど、高いウイスキーはやっぱりおいしいし。ジンとかね、ウオツカとか、スピリットもあるからね、その味とかも分かっていくとね。

――いろんなことを聞かせていただいたんですけど、何か最後にバーに来にくい人、けれど来てみたい人に対してメッセージを送ってもらえますか。

玄月氏:
敷居の高そうなバーもあるけれども、ほとんどの中間層というかね、ノーチャージだったりとかがほとんどです。だいたい今は看板が出て値段もわかるし、それを見てそんなに高くなさそうだったら、もうすっと入ったらいいと思います。で、すっと入って、すっと座って、メニューがあるんだったら、メニューを見て自分の頼みたいものを頼む。それで、いいと思います。

――気合を入れすぎないことが大事なんですね。

玄月氏:
気合は入らないです。逆にいらないですね、入れすぎないで…。勝手に自分でハードル、敷居を上げてるんです。実際、全然、本当にもうまったく緊張する感覚もないぐらいの感じで入ってもらったらいいと思いますけどね。吉野家に入るぐらいでいいんです。

――牛丼食べるぞという感じですか(笑)。ありがとうございました。

 

[特別協力:Zing!]
[特別協力:トライアウト]

Bar Liseur
住所:大阪府大阪市中央区南船場4-11-9 コムズビルB1F
電話:06-6282-7260
営業時間:18:00~24:00
定休日:月・火曜
システム:ノーチャージ

玄月
小説家。1999年、『おっぱい』で第121回芥川賞候補。2000年『蔭の棲みか』で第122回芥川賞受賞。現在は執筆の傍ら、大阪・南船場で文学バー「リズール」を経営している。
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国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)