『TIME LOCKER』レビュー 指一本で味わう、シューティングゲームの「手応え」

3/22 読者アンケートのプレゼント当選者さまにSteamキーをお送りしました。みなさまのご協力に感謝申し上げます。

スマートフォン向けに配信中のゲーム『TIME LOCKER』は、単色カラーで描かれたポリゴン映像と、「時間を止める」という要素を持った、スクロールシューティングゲーム(以下STG)だ。その見た目や特徴から、PCで発売されている『SUPERHOT』に強い影響を受けているように思えるが、こちらは携帯端末で遊ぶ手軽さと、STGとしての魅力を兼ね備えたものとなっている。対応機種はiPhoneなど、アップルのiOS9.0以上に対応する端末。料金は基本無料で、広告表示やゲーム進行を有利にする一度だけの課金要素のみなので、ユーザーの出費は無しか少額で楽しめる。

 

ゲームの第一歩は「知ること」

スタートラインを超えるとゲーム開始、次々と破壊していこう。
操作は画面のスライドのみで、指を前後左右に動かすと背景がスクロールしていき、ショットも自動的に発射される。その移動はゲーム全体の進行ともリンクしていて、指を止めると周りの動きも止まり、ゆっくり動かせばスローモーションのように動くという、自分の意思で時間を止めたり速度を調整できる特徴を持っている。これを使って慎重に進めていけば、攻撃をぎりぎりでかわしたり弾の隙間に入り込むなど、STGが苦手で敵の速度についていけないという人でも、上級者のような大胆なプレイが可能になる。

スポンサーリンク

だが、いつまでも前に進まずにいると、後方から黒い闇が近づいてくる。これに限っては動きに関係なくリアルタイムに進んでくるので、常に前を目指さないといけない。プレイヤーはこの後方から近づいてくる闇や前方に出現する敵の体、敵が撃った弾に1回でも触れたらゲームオーバー。コンティニューは1回のみできるので、最大2プレイでどこまでスコアを伸ばせるかを競う。

敵に囲まれても、慎重に操作して動かせば切り抜けることができる。
ゲーム中は、地面から突然四角い壁など障害物がせり上がって来たり、次々と敵が出現して行く手を阻む。その種類は様々で、画面を横切るペンギン、巨大で耐久力のある象、画面を高速で突っ切ってくる乗用車やトレーラー、横一直線にミサイルを発射して進路を塞ぐ砲台、時には警告音と共に巨大なボスも突進してくる。

それらの出現パターンはランダムなので、いつ何が来るか予測できないが、画面上に現れたものは「色」で動きを予測できる。黒い敵は一直線、紫はジグザグに、オレンジはプレイヤーに向かって来るといった具合だ。これらの「形・大きさ・色」から「種類・動き」を判断できるので、攻撃するべきか避けるべきかを決めていく。独自のゲームシステムに慣れると共に、その様々な敵を見て覚えながらバリエーションを味わい楽しむことが、ゲームを進める上での第一歩だ。

 

「増える」楽しみ

『TIME LOCKER』はクリアやエンディングがないエンドレスゲームで、「ひたすら前に進んでスコアを伸ばすこと」が目標だが、それに限らず「楽しむ」ための要素も数多く設けている。

武器の中でミサイルは強力な破壊力を持つが、敵の弾が隠れてしまうこともあるので注意しよう。コインは緑色と、1個で3コイン分取得する赤色がある。赤色は課金によって出現するので、有利に進めるために支払うかはプレイヤー次第。
ゲーム中に現れる敵や障害物の中で、青色の姿をしたものからは破壊すると武器が、緑色のものからは破壊するとコインが出現する。武器には前方のショット強化や斜め方向にも撃つワイドショット・貫通ビーム・誘導弾など様々なものがあり、装備するたびにパワーアップしていくが、別の武器を取得しても切り替わるわけではなく、武器が重なるように限りなく増えていく。

敵と同じく、いつ何の武器か出てくるかはランダムで予測できないが、数の制限など不利な要素は全くないので、出てきたものは迷うことなく片っ端から取っていこう。それによって攻撃がどんどん派手になっていき、どの敵も一瞬で破壊できる威力になる。そしてスコアと共に爽快感も上がっていく。つまり、武器が限りなく「増える」ことが楽しさに繋がっている。

また、ゲームオーバーになって再スタートすると武器はクリアされるので、楽しむ意味でも1ゲームでどこまで進めるかが重要になる。コインは貯めるとキャラクターや武器を購入できる、文字通りゲーム内で使われるお金だ。そのキャラや武器は、繰り返しプレイしていくうちに種類が増えていく。

武器やキャラは箱の中から選ぶ。それぞれ2~3種類のうちどれが出るか分からない、ガチャのような仕様になっている。ここで攻撃力が強いキャラと、さらに武器を追加購入して強化するのもお勧めだ。

購入できるキャラは最大40種類以上あり、中には広範囲の攻撃が得意なもの、破壊力は強いが体が大きいくて敵に当たりやすいなど個性があるので、弱点を補うように武器も一緒に装備するなど、自分の使いやす組み合わせを見つけていく。続けていくことで選択肢が増え戦い方も増える、その中で自分の好みや得意なものを見つけていく。それが『TIME LOCKER』におけるやりこみの楽しみ方になるだろう。

 

先に見える目標と、ゲームに見るシューティングの姿

%e7%94%bb%e5%83%8f12_gameover
コンティニューの方法は、コインを支払うか広告を見ること。コインが無くても行き詰まることはない。

ゲームの進行はリアルタイムではなく、プレイヤーは武器を取るたびに強くなるが、本作は簡単な部類のゲームというわけではない。進むごとに敵の種類や数も増えて難易度も上がっていくからだ。その変化に対応しきれないと、気がついたら敵に周りを囲まれ、背後から闇が近づいて行き詰まることもある。それを乗り越えるには「続ける」しかない。繰り返しのプレイで敵の種類や動きを覚え、どの場面でも先読みできる感覚を持つようになる。いわばプレイヤー自身の腕が成長していくわけだ。また、続けることでキャラや武器を選択する要素も増えて有利になるので、スコアが伸びる結果に繋がる。楽しんだ先にあるものが「ハイスコアを目指す」という目標だ。

このように『TIME LOCKER』では、敵の攻撃をかわすスリル、敵を破壊したり攻撃が次々に派手になったりする要素の爽快感、腕を上げることで伸びてゆくハイスコアなど、楽しんだ先に目標を見つけ到達を実感できるという魅力がある。だがこれらは『TIME LOCKER』独自のものとはいえない。今まで発売されている数多くのSTG、MOSSの『雷電』シリーズやケイブの弾幕STGなどに代表されるものと同じ特徴や魅力といえるだろう。つまり、時間を止める特殊なシステムを持ちながら、味わえるのは「STGそのもの」であり、逆に言えば、STGで不可欠と思われていたリアルタイムの要素を排除しても同じ感覚で楽しめることを証明している。それがこのゲーム最大の特徴であり、「手軽でも手応えのあるSTG」という、一つの方向性を見せた作品と言えるだろう。

今、このレビューを読んでいる方へ。見ている端末がiPhoneなら、そのままApp Storeの配信ページに行って、一度触れてみてはいかがだろうか。

ニュース

Indie Pick

インタビュー

レビュー・インプレ

Devlog