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Nintendo Switchは、今インディーゲームがもっとも充実する家庭用ゲーム機のひとつと言えるだろう。据置機としても携帯機としても遊べるというハードの特徴を生かした作品が次々にリリースされ、質量ともに充実の一途を辿る。Nintendo Switchのインディーゲームを買うには、最適な期間である。しかし一方でゲームを買うにしろ、ソフトの量が多いがゆえにどれを遊べばいいか悩む方もいるのではないか。

そこで今回AUTOMATON編集部が、おすすめのインディータイトルを7本ピックアップした。そしてゲームを紹介するとともに、そのゲームを作った開発者に、Nintendo Switch向けに開発する上でこだわったことや、その後の反響などいくつかの質問をたずね、答えてもらった。ゲームの魅力だけでなく、優れた作品の開発のバックグラウンドを知ってもらうことで、自分に合ったお気に入りのインディーゲームを見つけ、購入していただければ幸いだ。

なお現在、PayPal(ペイパル)が6月30日(23時59分)まで使えるニンテンドーeショップ向け300円クーポンが発行しているので、インディータイトルを購入する際にはこちらを利用することを推奨したい。ペイパルは、インターネットを利用した決済サービス。ニンテンドーeショップにも対応しており、Nintendo Switchタイトルの支払いも同サービスならお手軽だ。一般的にはニンテンドーeショップに残高を追加する場合は、プリペイドカードを購入しコードを毎回入力しなければいけないが、ペイパルでは一度登録すれば短時間で購入の決済できるようになる。ゲーム購入も含め幅広い決済に利用することができ、手軽さだけでなく安全性も魅力のサービスだ。弊誌の読者の多くはすでに利用していると思われるが、もし導入されていない方は、300円クーポンを利用する意味でも、これを機に導入を検討してみてほしい。

なお、あらかじめクーポンを保存しておき、6月30日までにNintendo eShop アカウントの「残高の追加」ボタンからペイパル決済で金額を追加すると、自動で割引を受けられる。つまり、6月30日までに急いでゲームを購入せずとも、残高を追加するだけで割引が受けられる仕組みだ。追加する金額は500円から可能となっているので注意。

キャンペーンページはこちらから

 

『ゴルフストーリー』

1500円(税込)(ニンテンドーeショップ

『ゴルフストーリー』は、ゴルフとRPGをかけ合わせ作品だ。幼き頃よりゴルファーになることを夢見ていた青年。年半ばにしてプロになることを決意し、数ある逆風に立ち向かいながら、プロへの階段をのぼっていく。ゴルフの練習や試合を重ねつつ、時に人々の悩みをゴルフで強引に解決する。その活躍に応じて主人公はレベルアップするので、自分の好みに成長させていこう。

『ゴルフストーリー』の魅力は、その自由度だ。コースでゴルフを楽しめるのはもちろんのこと、フィールド上ではどこでもボールをショットすることが可能。ゲーム内にはさまざまなフィールドが用意されており、あわせてギミックも配置されている。自由にボールをショットして、経験値をためていこう。ボールをNPCに当てて怒らせることも可能なほか、ボールを手で投げることもできる。またボール投げ以外にも、フリスビーや競走、ドローン操作や発掘など「ゴルフクラブでボールを撃つ」だけに留まらないアクションが楽しめる。ゆるいシステムと同様にゆるい世界観も魅力で、思わぬこの奇妙な世界に没頭することになるだろう。

Sidebar Games・Andrew Newey氏

――『ゴルフストーリー』はどれくらいのボリュームのゲームでしょうか。

Newey氏:
プレイヤーの声を聞くと、たいていの人は15〜20時間ほどでクリアしているようですね。

――Nintendo Switchには、さまざまなタイプのユーザーがいます。どういったユーザーに本作をプレイしてもらいたいと考えていますか。

Newey氏:
私たちは本作において、一般的なスポーツ要素よりも幅広くアピールできる、冒険や探索要素に焦点を当てました。結果、たくさんの人が「ゴルフは嫌いだけど『ゴルフストーリー』は好き」と言ってくれています。個人的に、もっとRPGパートに重点を置いたスポーツRPGがあればと常に願っていたので、ほかの人も同じようなことを考えていたら良いなと思っていました。

――日本のゲーマーには、本作のどのような点に注目してもらいたいですか。

Newey氏:
日本語へのローカライズに多くの時間を費やしたので、自然な仕上がりだと感じてもらえると嬉しいですね。本作に相応しいものに仕上げるため、プレイしながら脚本を隅々まで何度もチェックし、調整を重ねました。日本版の素晴らしい要素としては、Nintendo Switchの動画撮影機能への対応もあり、これを使えばベストショットを映像に残すことができます。ホールインワンを決めたり、ボールが木に跳ね返ってカップに吸い込まれたりといった映像が、これまでにたくさん投稿されていますよ。

――Nintendo Switch向けとして、本作の開発中にはどのような点に注力しましたか。

Newey氏:
HD振動は、Nintendo Switchが持つユニークな機能ですのでぜひ使いたいと思い、いろいろ試した結果、ゴルフプレイやメニュー、また会話シーンにも利用しました。木に当たれば堅く、バンカーに入れば柔らかいなど、ボールが落ちた場所によって異なる感触を得られるのは、HD振動の繊細な振動のおかげです。またOBを打ってしまった際に、Joy-Conから効果音が鳴ることは皆さん気に入ってくれたようです。

――Nintendo Switchでの発売後、どのような反響がありましたか。また、この経験はスタジオに何か影響をもたらしましたか。

Newey氏:
反響はとても素晴らしく、予想していたよりも遥かに良いです。任天堂がプレゼンテーションの中で本作を何度か紹介してくれたこともあり、Nintendo Switchでリリースしたことはとても大きな助けとなりました。彼らが新たに展開しているNindies(任天堂プラットフォーム向けインディーゲームの総称)の環境は、インディー開発者にとって非常に有益で、それが本作をNintendo Switch向けにリリースしたいと思った大きな理由の一つです。

 

『FAST RMX』

2200円(税込)(ニンテンドーeショップ

『FAST RMX』は反重力マシンで戦うレースゲームで、Wii U向けに発売された『FAST Racing NEO』の拡張版だ。ゲームモードは、3レースのカップ戦を戦うCHAMPIONSHIP、最大8人でローカル・オンライン対戦できるMULTIPLAYER、ブーストゲージがシールドを兼ね、クラッシュすると即リタイアのHERO MODE、そしてTIME ATTACKの4種類。マシンは、加速・最高速・ブーストの各性能バランスの異なる全15車種があり、CHAMPIONSHIPを進める中でアンロックされていく。

コース上にはオレンジまたはブルーのブーストパッドが設置されており、マシンのフェーズを同じ色に切り替えて、その上を走行することでスピードアップする(色が異なると逆に減速する)。また、オーブと呼ばれるアイテムが配置されており、獲得することでゲージが溜まり任意にブースト可能。コースは全30コースで、未来都市から森や渓谷、宇宙ステーションまでさまざまな環境があり、障害物や大きなギャップがあったりと、レイアウトもバラエティ豊か。美しいグラフィックも本作の特徴で、迫力あるレースを楽しむことができる。

Shin’en Multimedia・Manfred Linzner氏

――『FAST RMX』のプレイヤーは平均してどれくらいプレイしていますか?

Linzner氏:
具体的な数字は持っていないのですが、おそらく10〜15時間ほどでしょうか。

――Nintendo Switchには、さまざまなタイプのユーザーがいます。どういったユーザーに本作をプレイしてもらいたいと考えていますか。

Linzner氏:
そういったことは考えたこともなかったですね。ただ自分たちができるベストなゲームを作って、あとはそれがどう受け入れられるのかを見ているだけですよ。

――日本のゲーマーには、『FAST RMX』のどのような点に注目してもらいたいですか。

Linzner氏:
我々は、『FAST RMX』はNintendo Switchにおいてもっとも美しく、そして最速のゲームだと思っています。『マリオカート』も素晴らしいゲームですが、もしあなたがFAST(速い)なゲームを欲するなら『FAST RMX』しかありません。

――Nintendo Switch版の開発中には、どのような点に注力しましたか。

Linzner氏:
Nintendo Switchが発売される1年ほど前、任天堂は我々にプロトタイプの本体を見せてくれました。そして、この新型ゲーム機向けに作りたいゲームはあるかと訊ねられたので、我々は『FAST Racing NEO』ならピッタリだと伝え、彼らも賛同してくれました。期限までにすべてを仕上げるのはかなり大変でしたが、ローンチタイトルとして磨き上げられた体験を届けられてとても幸せです(日本では2017年9月発売)。

――Nintendo Switchでの発売後、どのような反響がありましたか。また、この経験はスタジオに何か影響をもたらしましたか。

Linzner氏:
『FAST RMX』は、Nintendo Switchにおいてもっとも成功したインディーゲームの一つです。『FAST Racing NEO』もWii Uで大きなヒットとなり、また任天堂を販売元として店頭にも並びましたが、反響の大きさは『FAST RMX』が勝ります。スタジオへの良い影響というと、Nintendo Switch向けの次回作を開発するために十分な収益を得られたことでしょうか。数年前からすでに開発中で、我々がこれまでに手がけたどのゲームよりもオリジナリティがあり、最高なものになると思います。

 

『クリプト・オブ・ネクロダンサー:Nintendo Switch Edition』

2160円(税込)(ニンテンドーeショップ

『クリプト・オブ・ネクロダンサー:Nintendo Switch Edition』は、ローグライクゲームだ。『風来のシレン』『トルネコの冒険』のような形式のダンジョンRPGとなっており、プレイヤーはダンジョンの奥へと潜っていく。しかし本作は、単なるローグライク型のダンジョンRPGではない。『クリプト・オブ・ネクロダンサー』では、プレイヤーはリズムに合わせて行動しなければならないのだ。このリズムは一定間隔で流れており、判定はそれほど厳しくないが、音に合わせて行動を選択する必要がある。つまり、次にどんな行動をするかを即座に選ばなければならない。リズムに乗れば行動にボーナスが生まれていき、リズムに乗れないと自分は行動できず敵だけが動く。テンポよくノリノリでダンジョンを潜っていく異色の作品だ。

ダンジョンRPGは、一般的に慎重な選択を重ねて死なないようにする必要があるが、『クリプト・オブ・ネクロダンサー:Nintendo Switch Edition』では長考してしまうとターンが経過し、たちまち死んでしまう。それでいて、ダンジョン内には敵や罠が多く待ち受けている。難易度が非常に高いが、判断力が優れていればアイテム運のなさすらも問題にならない。収録ダンジョンは豊富で、多くのアンロック要素が揃えられており、やりこみ要素満載のダンジョンRPGだ。

Brace Yourself Games・Cindy Chow氏

――『クリプト・オブ・ネクロダンサー』はどれくらいのボリュームのゲームでしょうか。

Chow氏:
メインストーリーをクリアするには、平均して15〜20時間かかります。ただ、すべての実績を獲得したい完璧主義者のプレイヤーであれば、数千時間はプレイすることになるでしょうね。誇張ではないですよ。

――Nintendo Switchには、さまざまなタイプのユーザーがいます。どういったユーザーに本作をプレイしてもらいたいと考えていますか。

Chow氏:
『クリプト・オブ・ネクロダンサー』は、ユニークかつ挑戦しがいのあるゲームを求める経験豊かなプレイヤーをターゲットにしています。

――日本のゲーマーには、本作のどのような点に注目してもらいたいですか。

Chow氏:
日本のゲーマーはリズムゲームやダンジョンクローラーが大好きですよね。ですので、『クリプト・オブ・ネクロダンサー』はみなさんに気に入ってもらえると思います!

――Nintendo Switch版の開発中には、どのような点に注力しましたか。

Chow氏:
我々の目標は、『クリプト・オブ・ネクロダンサー』の決定版を作ることでした。1プレイが短い本作のスタイルは持ち運びしながらのプレイにピッタリ、すなわちNintendo Switch向きのゲームということです。開発においては、2つのJoy-Conでの協力プレイに優先的に取り組みました。Nintendo Switchを持ってさえすれば、いつでも友達とローカル協力プレイができますしね。また、Nintendo Switch版をより特別なものにするために、独占の新キャラクターも追加していますよ!

――Nintendo Switchでの発売後、どのような反響がありましたか。また、この経験はスタジオに何か影響をもたらしましたか。

Chow氏:
これまでに届いている反響にはとても満足しています!Nintendo Switch版のメディアレビューやコミュニティの反応はとてもポジティブです。スタジオへの具体的な影響を語るには時期尚早ですが、これから起こることをとても楽しみにしています!

 

『Overcooked® – オーバークック スペシャルエディション』

2150円(税込)(ニンテンドーeショップ

『Overcooked® – オーバークック スペシャルエディション』は、料理をおこない出荷する協力アクションゲームだ。ひとりプレイにも対応しているが、複数人でのプレイをおすすめしたい。プレイヤーは、一癖も二癖もある調理場にて、材料を調理しごちそうを完成させる。たとえばトマトシチューなら、フィールド内にあるトマトをとり、まな板で刻み、鍋で一定時間煮たのちにお皿に移し出荷する。こう聞くと簡単に聞こえるかもしれないが、実際におこなうのは難しい。これらの一連の作業を並行して進めなければ客の要望をうまく捌けない。そして何より、本作のほとんどのステージでは調理中も刻々とフィールドが変化するので、その変化に対応する必要がある。焼きすぎると火事が発生し、消火しなければならないので、とにかく忙しい。

『Overcooked® – オーバークック スペシャルエディション』では、プレイヤーはそれぞれのJoy-Conを持って一緒に料理を作る。誰がどの持ち場を担当するか、アクシデントが発生すればその場所に誰が対応するのか。おそらく最初はお互い意思疎通ができず、やきもきすることだろう。しかし、そんな過酷な環境にて、阿吽の呼吸で料理を出荷できた時の気持ちよさは格別。ステージが進むと調理環境の過酷さは増す一方。また要求される料理のレベルの高くなっていく。友人や家族とのチームワークを試すには、もってこいのパーティーゲームだ。

Ghost Town Games・Phil Duncan氏

――『Overcooked』はどれくらいのボリュームのゲームでしょうか。

Duncan氏:
一緒にプレイする人数や、全ステージで星3つの獲得を目指すかどうか次第ですが、3〜4時間はプレイし続けることになるかもしれませんね。すべてコンプリートしようと思ったら、さらにもう少しかかりますよ!

――Nintendo Switchには、さまざまなタイプのユーザーがいます。どういったユーザーに本作をプレイしてもらいたいと考えていますか。

Duncan氏:
我々はたくさんの人々に届くゲームを作りたいと思っていますが、より大事にしていることは、誰もが一緒にプレイできるゲームを作ることです。『Overcooked』をプレイするために凄腕ゲーマーである必要はなく、操作がとてもシンプルですので、家族と一緒に楽しむことができます。ただ、チームワークは良くないとうまくいきませんよ。

――日本のゲーマーには、本作のどのような点に注目してもらいたいですか。

Duncan氏:
日本のゲーマーには、友人や家族と一緒に本作をプレイして、協力して取り組むという体験を楽しんでもらいたいです。我々としては、プレイヤーのチームにチャレンジを与えることで、彼らを少しでもより親密にさせられればと願っています。

――Nintendo Switch版の開発中には、どのような点に注力しましたか。

Duncan氏:
Nintendo Switch本体には2つのコントローラー(Joy-Con)が必ず同梱されているということは、我々にとって非常に重要なことでしたので、それらを機能させることに真っ先に取り組みました。その中で予想外だったのは、Joy-Conグリップを使用する場合とそうでない場合の切り替えが必要なことです。Joy-Conをグリップに装着してプレイする場合と、単独で持ってプレイする場合では自ずとJoy-Conの向きが異なりますから、どのボタンを押すのかをプレイヤーに伝える新たな方法を探さなければなりませんでした。つまり、Aボタンを押してほしいと表示させても、操作方法によってAボタンは別の位置になってしまうのです。この経験は良い勉強になりました。ともあれ、本作をNintendo Switch向けに発売できてとてもハッピーです。我々はみな任天堂の大ファンですしね。

――Nintendo Switchでの発売後、どのような反響がありましたか。また、この経験はスタジオに何か影響をもたらしましたか。

Duncan氏:
任天堂ファンからの反響は信じられないほど素晴らしいものでした。本当に多くのファンメールが届いていて、本作を楽しんでいる様子や、普段ゲームをプレイしない友人らと同じ体験を共有できた喜びなどが綴られています。世界中の人たちにたくさんの笑いと楽しみを届けることができて、本当に誇りに思います。将来発売するゲームで、またこうしたことができればと期待しています。

 

 

『ザ フレイム イン ザ フラッド:Complete Edition』

1500円(税込)(ニンテンドーeショップ

『ザ フレイム イン ザ フラッド』の舞台は、大洪水に襲われて社会が崩壊した世界。生存者である主人公の女の子は、ひとりぼっちで途方に暮れていたところ、リュックサックをくわえた犬と出会う。リュックサックの中には無線機があり、誰かの声を微かに受信している。ほかにも生存者がいると希望を抱いた彼女は、その犬と一緒にイカダで川を下ることにする。

本作はサバイバルゲームで、女の子の空腹・水分・体温・疲労の4つのステータスに常に気を配る必要がある。つまり食料や飲み水を確保し、身体が冷えれば火にあたり、睡眠を取るのだ。川を下る途中には停泊可能な陸地がいくつもあり、そこで資源を獲得できる。本作では、資源を組み合わせるクラフトが大きな要素としてあり、たとえば肉を食べたいなら、動物を狩るトラップをクラフトしなければならず、その材料もまたクラフトして用意する。そのほかケガの治療に使う包帯や、凶暴な動物と戦うための弓矢、温かい衣服など、クラフトできるものは多種多様。また整備所跡では、小回りが利くよう舵を付けるなどイカダをアップグレードできる。厳しい環境を生き抜きながら川を下り、無線が発せられたその地を目指すのだ。

The Molasses Flood・Forrest Dowling氏

――『ザ フレイム イン ザ フラッド』はどれくらいのボリュームのゲームでしょうか。

Dowling氏:
たいていの上手いプレイヤーなら4〜5時間ほどでクリアできるでしょう。ゲームを理解するまでに何度か挑戦しなおす場面はあるでしょうが、最初からやり直す必要はありません。ただし、これはキャンペーンモードでの話です。本作にはエンドレスモードもあって、こちらでは何百時間も没頭しているプレイヤーもいますよ。

――Nintendo Switchには、さまざまなタイプのユーザーがいます。どういったユーザーに本作をプレイしてもらいたいと考えていますか。

Dowling氏:
典型的なアクションゲームとは少し異なる体験に興味がある人や、ゆったりとしたペースでさまざまな場所を巡ってみたいという人に届けば良いなと思っています。特定の層というより、雰囲気があってユニークであると感じられるゲームを好むすべての人たちですね。

――日本のゲーマーには、『ザ フレイム イン ザ フラッド』のどのような点に注目してもらいたいですか。

Dowling氏:
私としては、本作の音楽やアメリカ南部を表現した雰囲気に対して、世界中のプレイヤーがどのような反応を示すのかとても興味があります。思うに、本作にはアメリカのごく限られた一面と、その場所の音楽ならではの背景やトーンが描かれています。ですので、そういったものにあまり馴染みのない人たちが、本作をどのように解釈するのかを見るのが楽しいのです。

――Nintendo Switch版の開発中には、どのような点に注力しましたか。

Dowling氏:
実は、我々はNintendo Switch版の開発には直接携わっておらず、海外販売元のCurve Digitalが、PS4への移植をおこなったチームと協力して移植してくれました。とはいえ我々も監修として参加しており、そこでもっとも重視したのは、Nintendo SwitchのTVモードでプレイしようが携帯モードでプレイしようが、本作のゲーム体験やアートにおいて決して妥協しないことでした。嬉しいことに、彼らはこういった要求に応える移植を成し遂げてくれました。

――Nintendo Switchでの発売後、どのような反響がありましたか。また、この経験はスタジオに何か影響をもたらしましたか。

Dowling氏:
本作がNintendo Switchで発売されたことを、皆さん喜んでくれています。本体を持ち運んでプレイできることが魅力だったようで、すでにほかのプラットフォームの本作を持っていても、また買いなおしたという人がたくさんいます。こういったことは、間違いなく我々のスタジオにポジティブな影響をもたらしました。今はまだ多くは語れないのですが、我々は現在新作ゲームの開発に取り組んでおり、追加融資について模索しています。Nintendo Switchで成功するということは、人々が我々のことをより真剣に受け止めてくれるということだけでなく、銀行にいくらか余分に資金を持てることによって、より良い状況にスタジオを置くことに繋がっています。

 

『THUMPER リズム・バイオレンスゲーム』

1999円(税込)(ニンテンドーeショップ

『THUMPER』は、漆黒の空間をうねるように貫く金属のレール上で、リズムに合わせてボタンやアナログスティックを入力する音楽ゲームだ。レール上には自機であるスペースビートルが疾走しており、たとえば地面の光るオブジェクト上を通過する際にはボタンを入力し、カーブでは曲がる方向にスティックを倒しながらボタンを押す。もちろんこれらの配置はリズムと同期している。カーブなど一部のオブジェクトでは入力を失敗するとダメージを受け、さらにもう一度ダメージを受けるとゲームオーバーだ。

本作は、禍々しい悪夢のような世界観が特徴で、音楽も重く響き渡る鼓動のようなビートが中心と、ほかの音楽ゲームとはひと味違う。オブジェクトはステージを進むごとに種類が増え、裏拍が多用される配置も複雑さを増していく。9種類あるステージにはそれぞれ20以上のセクションがあり、入力成功率やスコアによって各クリアランクが決定する。そしてステージの最後には、レールを飲み込まんとするボスが待っている。すべての入力を成功させ、ボスに衝撃波を撃ち込むのだ。本作はHD振動の効果的な使用と相まって、まさにバイオレンスな激しいリズムゲームとなっている。

Drool LLC・Marc Flury氏

――『THUMPER』はどれくらいのボリュームのゲームでしょうか。

Flury氏:
リズムゲームに対するプレイヤーのスキルや経験に大きく影響するのですが、たいていのプレイヤーはメインのゲームモードを初めてクリアするまでに10〜20時間かかっています。なお、クリア後には上級者のための「PLAY+」モードが待っていますよ。

――Nintendo Switchには、さまざまなタイプのユーザーがいます。どういったユーザーに本作をプレイしてもらいたいと考えていますか。

Flury氏:
私たちとしては、高難易度アクションゲームのファンや、リズムゲームファン、またサイケデリックな体験に圧倒されたいプレイヤーに本作がアピールできれば嬉しいですね!

――日本のゲーマーには、『THUMPER』のどのような点に注目してもらいたいですか。

Flury氏:
『THUMPER』は、いつくかの日本の名作リズムゲームから影響を受けている面がありますが、新たな方向性を持たせることで、ゲーム体験に革新をもたらす試みをおこないました。多くのリズムゲームとは異なり、本作は一般的な楽曲にゲームプレイを直接当てはめることはしていません。その代わり、サウンドとグラフィック、そしてゲームプレイを組み合わせることで、ユニークかつ力強い体験を生み出しました。

――Nintendo Switch版の開発中には、どのような点に注力しましたか。

Flury氏:
Nintendo Switchのハードウェアをフル活用したかったので、私たちはまずグラフィックのパフォーマンスに力を入れ、携帯モード(720p)でもTVモード(1080p)でも、60fpsをキープする動作を実現させました。また、携帯モードでのプレイ体験を可能な限り良いものにしたかったので、このモード専用にカメラ位置を調整しています。それと、Nintendo SwitchのHD振動が気に入ったので、最高の迫力と没入感を生む振動エフェクトを作ろうと頑張りました。個人的には、『THUMPER』はNintendo Switchでプレイするのがお気に入りです!

――Nintendo Switchでの発売後、どのような反響がありましたか。また、この経験はスタジオに何か影響をもたらしましたか。

Flury氏:
本作への反響は素晴らしく、売れ行きも予想していたよりも遥かに良いです。『THUMPER』は2017年5月に発売されましたが、Nintendo Switchの初期タイトルラインナップの中でベストゲームの一つとなれたことが、好調の理由の一つかもしれません。日本の、そして世界中のすべてのユーザーに感謝したいです!

 

『Celeste』

2160円(税込)(ニンテンドーeショップ

『Celeste』は横スクロール型のアクションゲームだ。プレイヤーは、とある事情を抱える少女マデレンとなり、過酷な雪山を登っていく。マップはエリアに区切られているが基本的には一本道。ステージ形式が採用されており、個性豊かなギミックがプレイヤーを待つ。マデレンは、壁につかまり登ることができるほか、空中で一度ダッシュすることができる。ダッシュとジャンプと壁つかまり。この3つのシンプルなアクションを使い、山頂を目指す。

『Celeste』の魅力は、絶妙な難易度設定だ。結論からいえば、『Celeste』は比較的難易度の高い作品である。しかしながら、何度も挑戦するうちに腕が上達していき、困難だと思える局面もいつか打開できるようになる。難易度の設定も、そうしたプレイヤーの腕を配慮したものとなっている。中盤まで進めば、序盤に苦しんだ局面も難なくクリアできることだろう。初心者ユーザー向けに「アシストモード」と呼ばれる救済システムも用意されているので、さまざまなプレイヤーが楽しめるはずだ。また本作ではマデレンがなぜ雪山に登ろうとするのかという謎も徐々に明らかになっていく。マデレンと共にプレイヤーの腕が成長していく、『Celeste』ではそんな体験が楽しめる。

共同開発者Noel Berry氏

――『Celeste』はどれくらいのボリュームのゲームでしょうか。

Berry氏:
プレイヤーによって異なりますが、物語のエンディングに到達するまでに6〜10時間程度はかかります。ただ、『Celeste』はクリア後のコンテンツが豊富にあるため、非常に多くのプレイヤーが20時間以上はプレイしていますよ。

――Nintendo Switchには、さまざまなタイプのユーザーがいます。どういったユーザーに本作をプレイしてもらいたいと考えていますか。

Berry氏:
『Celeste』はとても難易度の高いアクションゲームではありますが、私たちはプレイヤーのスキルレベルに関わらず、プレイしやすい作品にしようと全力を注ぎました。ゲームは可能な限りプレイヤーの助けとなるよう促してくれますし、任意の難易度に変更できるアシストモードも用意しています。

――日本のゲーマーには、本作のどのような点に注目してもらいたいですか。

Berry氏:
『Celeste』のメイン要素は、もちろんそのゲームプレイであり、私たちなりに解釈した挑戦しがいのあるアクションです。ただ、ストーリー面もまた大きな要素となっており、ゲームプレイに結びついた物語は、本作を形作るうえで大きな役割を果たしています。本作の物語がプレイヤーにどのように受け止められているのかを見て、私たちは良い意味で驚きを感じており、さらなる見方や意見に興味を持っているところです。

――Nintendo Switch版の開発中には、どのような点に注力しましたか。

Berry氏:
私たちはかなり早い時期からNintendo Switch版の開発に着手することができましたので、それほど多くの問題に直面することがなかったのは幸運でした!ただ、開発期間についての見積もりが甘かったこともあり、当初はNintendo Switchのローンチタイトルとして計画していたのですが、1年延期することとなりました。締め切りが近づくにつれ、作り込みたい部分がたくさん残されていることに気付いたのです。結果的に、私たちが『Celeste』はこうあるべきだと思っていたところまで仕上げる時間を得たということで、延期を選んだことには満足していますよ。

――Nintendo Switchでの発売後、どのような反響がありましたか。また、この経験はスタジオに何か影響をもたらしましたか。

Berry氏:
率直に言って、プレイヤーからの反響には圧倒されています。本作が、彼らにとってどれだけ大きな意味を持ったのか、そしてどのように楽しんでいるのかを見ていると恐縮しきりです。Nintendo Switchは、開発チームにとって非常にポジティブな影響を与えてくれました。私たちにとって、もっともたくさんのファンがいる場所ですし、将来またこのプラットフォームにゲームを届けることを楽しみにしています。個人的には、任天堂のゲームをプレイして育ったこともあり、自分たちが作ったゲームが任天堂のコンソール上にあることは何と言うか……本当に特別な気分です。

 

ペイパルキャンペーンサイトはこちらからアクセスできる。ニンテンドーeショップで使用できるペイパルクーポンの配布は、2018年に入って初。インディーゲームを買うには絶好の機会のひとつと言える。今回のラインナップも含め、これをきっかけにNintendo Switchのインディーゲームの購入を検討してみてしてほしい。

なお前述したように、6月30日までなら500円以上の残高を追加するだけで割引が受けられる仕組みとなっている。うまく目当ての作品が見つけられなかったとしても、とりあえずチャージだけしておいてもいいかもしれない。

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