現実世界を侵食する80年代ゲームの「デジタル世界」を描く2Dアクション『Narita Boy』Kickstarterキャンペーンが開始


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第390回目は『Narita Boy』を紹介する。

Narita Boy』は2Dアクションゲームだ。物語の舞台となるのは、1980年代の世界。天才クリエイターLionel Pearl氏が生み出したゲームハード「Narita One」とゲーム「Narita Boy」は全世界で爆発的なヒットを記録し、Narita Boyは10代の若者にとって必須のアイテムとなった。そうしたヒットに影響されてか、Narita Boyのデジタル世界は現実を侵食し、ゲームとリアルの境界線は曖昧になっていた。さらにデジタル世界の「The Digital Kingdom」は「The Silent Eclipse」の力によって防衛が弱まり、そこへ「The Stallions」と呼ばれる侵略者たちが迫りつつあった。混沌を極める世界で、プレイヤーはゲームのタイトルであると同時に本作の主人公でもあるNarita Boyとなって、世界を救う旅へと出る。

敵勢力と世界の崩壊を止める鍵となるのは、Narita Boyのみが使用できる武器「Techno Sword」だ。Techno SwordはThe Digital Kingdomに眠るエネルギーを集積させたという伝説の武器。Narita BoyはTechno Swordを片手に、果敢にThe Stallionsへと戦いを挑んでいく。剣攻撃のバリエーションは多彩で、横斬りに加えて縦斬り、ジャンプ斬りや突き刺しなど幅広い攻撃を組み合わせてコンボをつないでいく。またTechno Swordは一時的にマシンガンやショットガンといった銃に変形させることもできる。近距離戦だけでなく敵と距離をおいた状態での駆け引きも楽しめそうだ。ほかにも、馬に変形したサーバーやサーフボードに変形したフロッピーディスクに乗って広大なデジタル世界を探索できるなど、プレイヤーを助ける乗り物が用意されている。

『Narita Boy』において注目したいポイントは「レトロで未来的」という意欲的なコンセプトだ。トレイラーでは、ひと昔前の作品のような色調のエフェクトが印象的で、強烈なシンセサイザー音が耳に残る。こうしたビジュアルやサウンドは、「80年代」と「80年代の人々が想像するデジタル世界」という設定を巧みに演出している。世界観だけでなく、2Dアクションの部分も楽しめるように開発されているとのこと。

『Narita Boy』を手がけるのは、Eduardo Fornieles氏。実はFornieles氏は過去に『Vane』を開発するFriend & Foeに所属し、日本の東京に在住していた過去を持つ。『Vane』の開発に携わるなかで、自分のゲームを作りたいと思いたち、母国であるスペインへ帰国し『Narita Boy』のプロジェクトがスタートしたのだという。自身の夢であるインディーゲームの完成を目標に掲げ、開発に取り組んでいるとのことだ。

実施中のKickstarterキャンペーンは、2月24日16時現在で30日を残し、目標額の約三分の一である4万5000ユーロを集めており、まずまずの滑り出しを見せている。15ドル以上出資すればゲームが手に入るという。『Narita Boy』の対応プラットフォームはPCで、ストレッチゴールに到達すればPlayStation 4とXbox One、そしてNintendo Switchでもリリースされるようだ。