海底探索アドベンチャーゲーム『Debris』が開発中。未知の発光生物が暮らす海底洞窟を抜け、生きて海面までたどり着け

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第469回目は『Debris』を紹介する。

カナダに拠点を置くインディースタジオMoonray Studiosが、海底探索アドベンチャーゲーム『Debris』を開発中だ。プレイヤーは潜水クルーの一人として北極圏の海氷を撮影する少人数のチームに加わるが、撮影中に思わぬ事故に巻き込まれて命の危険にさらされることになる。

北極海に浮かぶ氷の中には流星の欠片が閉じ込められており、それは超高効率かつクリーンなエネルギーをもたらすとされている。撮影チームはその欠片を映像に収め、世紀の大発見として発表するためにやってきたのだ。しかし潜水を開始して間もなく海中で何発もの爆発が起こり、それによって生まれた海流によりチームは海底まで引きずり込まれてしまう。流された先は、氷の洞窟が複雑に入り組んだ場所だった。ほかのチームメンバーの姿はなく、長時間の潜水をおこなうための装備を持たないプレイヤーが生き残る道はただひとつ。手遅れになる前に海面までたどり着くことだ。

暗い海底には生物発光する魚やクラゲなど、さまざまな未知の生き物が生息している。その様子は幻想的であるが、中には攻撃的な生物もいるため、プレイヤーは所持している水中銃などで応戦する必要がある。海中の生き物たちはそれぞれ縄張りと生物的な本能を持っており、実際に生きているように行動するという。プレイヤーを見つけると、ただむやみに襲ってくるというわけではなく、彼らの気分を害さないように注意して行動していれば危険を避けることができるのかもしれない。またプレイヤーは水中銃のほかに、イカ型ロボットも持っている。用途は不明だが、餌として利用して生物をおびき寄せることができるのだろうか。

本作の舞台となる海底洞窟は隅々まで探索しようとすれば何時間もかかるほどで、アメリカ・ニューヨークのマンハッタン島(約60平方km)に匹敵する広さがあるという。ただし、潜っていられる時間には限りがあり、プレイヤーは逃げ場のない状況にある。そんな本作では何人かの心理学者の協力を得ながら開発しており、キャラクターの音声収録には演出家も起用している。極限状態に置かれた人間をどう表現するのかも本作の注目点となる。

またストーリー要素にもこだわって開発しており、プレイヤーの選択によって物語はさまざまに変化していくという。本作は「Escape together or die alone(共に脱出するか、一人で死ぬか)」というキャッチコピーが設けられており、物語が展開する中でははぐれたチームメンバーを探す場面もあるのかもしれない。この未知の海底世界には多くの謎が隠されており、一本道ではないストーリーによってリプレイ性を持たせている。本作は一人プレイもしくはオンライン協力プレイに対応。Steam(Windows/Mac)で、10月2日に34.99ドルで発売予定だ。