生存者と感染者に分かれて戦う非対称マルチプレイ・ホラー『Dead Dozen』開発中。襲われた生存者は感染者側に転向

 

【UPDATE 2018/1/20 11:40】
本作のアルファテスト開始日時が、太平洋標準時間の1月26日に延期となった

【原文 2017/12/28 15:52】
発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第499回目は『Dead Dozen』を紹介する。

本作は『The Wild Eight』で知られるロシアのインディーデベロッパーFntasticが2017年11月に発表した非対称マルチプレイFPS。1993年冬、シベリア奥地にある遺棄されたソビエトの調査基地にて、謎の勢力に囚われた12人のグループが、生存者と感染者(グール)に分かれて対戦する。グールに襲われて死亡した生存者は、グールとなって息を吹き返す。狩られる側であった人間が、狩る側としてよみがえる。かつての仲間を食いあさり、感染を広めていくというパニックホラーだ。以下は本作初のゲームプレイ映像。プリ・アルファ段階のものであるため、まだアニメーションの荒さが目立つ。

https://www.youtube.com/watch?v=nQns8S2FhJA

少数の感染者とその他多数の生存者に分かれて戦い、マッチが進行するにつれて感染者の数が増えていくというコンセプト。これは2003年に登場した『Half-Life』の『Zombie Panic!』Modのように、過去に何度も利用されてきたものだ。本作はその基本的なコンセプトに、近年の非対称マルチプレイゲームで取り入れられるようになったクラス制度や、バリケード設置要素を加えることで、新しい体験を届けようとしている。

生存者たちはスカウト、オフェンス、サポート、ディフェンスの中から役割を決めてマッチに参加。それぞれ異なるガジェットや能力補正効果をうまく利用しながら立ち回る。マッチ中は物資を集め、有刺鉄線や板材でバリケードを張ったり、家具で扉をブロックしたりと、防衛線を強化しながらグールの襲撃を迎え撃つ。ただしグールの攻撃を受けて感染したプレイヤーは敵対化するため、逃げ道の限られた閉鎖空間にとどまるのはリスキーでもある。なお天井や壁は破壊可能であり、映像でも複数のグールが壁を強行突破していく様子が描かれている。

マッチ開始時にグールのリーダーとして選ばれたプレイヤー1人は、通常よりも高い体力・移動速度を有しており、攻撃時に高確率で生存者を感染させることができる。プレイアブルなリーダーの種類は複数存在することが公式ブログにて示唆されており、そのうちの一体である「Rover」は「Charge」「Adrenaline Rush」という固有アビリティを利用できる。映像ではグールが昇降路を急降下したりと、生存者よりも多くの移動経路を活用できることが分かる。

リーダー個体のひとつ「Rover」

非対称マルチプレイ型のゲームで気になるのは、チーム間のバランスだろう。テスト期間を通じてバランスを均等にしようと調整されるのか、あるいはあえてアンバランスな状態に持っていくのか。また生存者側はどこまでチームバランスを考慮して役割を選ぶ必要があるのか。それら次第で、どのようなゲームとして紹介すべきかが変わってきそうだ。

『Dead Dozen』の対象プラットフォームはWindows(Steam)。公式サイトにて予約購入すると、2018年1月18日からはじまる早期アルファ・テストに参加できる。50%オフの大幅ディスカウントは終了してしまったが、12月31日までなら「FIRST INFECTED EDITION」が35%オフの19.49ドル、「LIMITED SUPREME EDITION」が40%オフの47.99ドルで購入可能だ。早期アルファ・テスト時点では基本的なゲームメカニック、マッチメイク機能、マップ1種が実装される。また最初のうちは英語のみに対応しているが、将来的には日本語字幕・音声の追加が予定されている。

なお2017年2月に早期アクセス販売が開始された『The Wild Eight』の権利はパブリッシャーのHyperTrain Digitalに売却されており、現在Fntasticは開発に関わっていない。