主人公とともに「言語」を学ぶ、語学学習型アドベンチャー『Lingotopia』開発中。日本語にも対応予定

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第507回目は『Lingotopia』を紹介する。

『Lingotopia』は、語学学習要素を取り込んだアドベンチャーゲームだ。プレイヤーとなるのは、船が難破し見知らぬ島に流れ着いた少女。やっとのことで街にたどり着いたが、そこに自分と同じ言語で話せる人はいなかった。新たな言語を学ぶことで街の人々とコミュニケーションをとり、元いた島へ帰るために奮闘することになる。

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『Lingotopia』はシナリオを指向するというよりは、語学学習要素が強いアドベンチャーゲームとなっている。まずゲームを始める際に、普段使う言語(母語とする)と学習したい言語を設定する。プレイヤーとなる女の子はフィールドを歩き回りオブジェクトを調べることで、オブジェクトの名前が学習したい言語の表記で表示される。オブジェクトを調べることを通じて、プレイヤーは言葉を頭にインプットしていくことになる。

さまざまなオブジェクトを調べれば次は実践だ。町の人々に話しかけると、他愛ない会話が始まる。会話における言葉はおおむね理解できるものになっているが、赤く表示された文字の意味が問われる。この言葉の意味を母語で答えることになる。その言葉をしっかりと覚えていれば回答できるし、わからなくても前後の文脈で回答することもできる。また会話を終えた際にはその言語の重要度を設定することができる。重要度が高い単語は再度会話に登場するという。抽象表現からの類推と反復学習。語学学習における重要な部分はしっかりと抑えられている印象だ。会話内容もいわゆる「コミュニカティブ」な表現が多く、好感を持てる。

となると、気になるのは対応言語だ。本作における対応言語以下のとおり:

バスク語、ベンガル語、中国語(北京語)、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、エスペラント語、エストニア語、フィンランド語、フランス語、ドイツ語、ギリシャ語、ヒンディー語、ハンガリー語、アイスランド語、インドネシア語、イタリア語、日本語、ラトビア語、リトアニア語、ノルウェー語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スロバキア語、スペイン語、スウェーデン語、トルコ語。

さらに製品版ではアラビア語、北京語、ロシア語、日本語、スペイン語、ドイツ語、フランス語については、コミュニティの協力を得てさらに掘り下げた対応をおこなうとのこと。自動音声ながらもテキストの読み上げにも対応。基本は英語を母語とし、これらの多様な言語を学ぶことができるという仕組みとなっているが、製品版では日本語を母語とし、英語を学ぶことも同様に可能であるとのこと。なお、日本語を使い前述したバスク語など多様な言語を学習できるかは不明だ。ゲームの仕組みとしては可能であるだろう。

『Lingotopia』は言語学習体験を主軸としているが、いわゆるお勉強ゲームのような硬さは感じない。ローポリゴンで描かれるグラフィックは、粗っぽくはあるものの作品の雰囲気をうまく演出しているようにも感じる。また前述したように学習の循環の基礎は抑えられている。ゲームとして楽しめるれば、学習意欲が高まることも期待できる。

一方で不安なのが、本作の開発はドイツ在住の開発者Tristan Dahl氏がひとりでおこなっているという点。翻訳自体は有志がするとして、実装にかかる手間を考慮しても、ゲーム開発並行として進めるにはひとりでやる仕事量はとてつもなく多い。また本作はデモ版が配信されているが、そちらの出来もプロトタイプの域を出ていない。基本的な学習の流れは把握することはできるが、翻訳だけでなくゲームとしてもまだまだ初期段階だろう。

こうした課題を開発者も認識しているのか、Dahl氏はKickstarterにてクラウドファンディングキャンペーンを実施中。目標額の136万のうち100万以上がすでに集まっており、達成することが予想される。集めた資金のよって舞台となる街はさらに拡張され、コンテンツが充実していくとのこと。バッカー向けのオプションも充実しており、たとえば動物向けのバックが集まれば動物が増えていく。

どこまで言語を学習できるかはわからないという点、対応言語が多すぎてはたして完成までたどり着けるのかという点で考えれば不安は大きい。しかしながら、本作のコンセプトや野心には魅力があるのも確かだ。Kickstarterにて25ドル以上出資すれば、ゲームと早期アクセス権を得られるので、ゲームと言語を同時に楽しみたい方は検討してみてほしい。対応プラットフォームはPC/Mac/Lunuxで、2018年8月の早期アクセス開始を予定している。

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