クラシックな表現で壮大な宇宙の旅を描く『Objects in Space』開発中。自由と危険が両存する銀河を生きるシミュレーション

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発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第541回目は『Objects in Space』を紹介する。

本作は、SFシミュレーションゲームだ。舞台となるのは、地球から数十光年離れた場所にあるアポロ。数多の星系や星雲などから構成される銀河である。プレイヤーは宇宙船の船長となり、商人、探検家、残骸漁り、賞金稼ぎ、はたまた海賊、あるいはそれら全てとして生きていくことになる。従うべきシナリオはなく、代わりに無数の短編小説の如きサブクエストが物語を紡いでいく。また、広大な宇宙の特定の場所、特定の時間でのみ発生する出来事も存在し、プレイ毎に異なる体験が可能だ。例えるならば、中世ファンタジー世界で冒険者として気ままに生きる『ルナティックドーン』の宇宙版と言ったところだろうか。

どのような生き方も可能な本作であるが、貧弱な装備の船で、右も左も分からないまま海賊や輸送船の襲撃に出かけるのは無謀にすぎるかもしれない。宇宙ステーション内の端末から簡単な仕事を請けて、ゲームの流れをつかんでいくのがベストだろう。銀河系内は未だ人跡未踏の地が多数存在するものの、さまざまな星系に宇宙ステーションを建築するなど人類は着実にその居住圏を拡大しつつある。宇宙ステーションでは、交易はもちろん、(恐らく賞金稼ぎなどの)ライセンス購入、ローン、船体装備の売買、仕事の請負などさまざまな取引が可能だ。ただしキャリアを始めたばかりの時点では、仕事も人や物の輸送など容易な任務が主となるだろう。雇用主からの信頼を積み重ねていけば、やがて高報酬のおいしい依頼も舞い込んでくるはずだ。

仕事を請けたなら船へと戻り、宇宙へ出よう。操船周りは戦闘機よりも潜水艦に近く、操縦席から外の景色を確認することはできない。頼りになるのは各種レーダーと、ナビゲーションマップのみだ。目的地までの航行経路はマップから自由に設定できる。海賊を避けたいなら、ニュースから海賊出没地域の情報を入手し、慎重に経路を検討する必要があるだろう。また、ガス星雲などの船の隠ぺい率が上昇する場所も重要だ。あるいは敵の探知を妨げるものがない宇宙空間であっても、船のシステムを可能な限りオフにして熱源反応を下げることにより、深く「潜航」することも出来る。

宇宙を航行中に他船を探知したなら、IFF(敵味方識別装置)の反応を見よう。反応が無ければ海賊である可能性が高い。ミサイルを装填・発射して先制攻撃を加えるも、ガス星雲などに身を隠して気付かれないことを祈るもプレイヤー次第だ。不幸にも戦闘となり、相手からの攻撃を受けてしまった場合、船のモジュールが破損する可能性がある。船にはセンサーや、バッテリー、RCS(姿勢制御システム)といった多数のモジュールが搭載されており、さらに各モジュールは複数の電子部品から構成されている。スペアの電子部品を持っているなら、破損部品を交換してモジュールの修理にあたろう。ただし電子部品はメーカーによって品質が異なるため、安価を理由に購入すると、致命的な場面で故障して痛い目をみることになるかもしれない。

仕事を無事終えたなら、その報酬でスペア部品を購入したり、船を強化するのも良いだろう。船は、戦闘や輸送、あるいはステルス重視など、自分のプレイスタイルに合わせたカスタマイズが可能だ。他にも探検家として未知の星域から貴重な宝を探したり、残骸漁りとして宇宙を漂流する船の貨物を頂いたりと、さまざまな楽しみ方が用意されている。将来的にはマルチプレイヤー対応も視野に入れているという。この宇宙で何を見つけ、何者となるか。すべてプレイヤーの選択に委ねられている。

本作の開発を手がけるのは、オーストラリアのインディースタジオFlat Earth Games。インディースタジオであるEpiphany Gamesから独立した小規模スタジオだ。90年代初期の2Dゲームに深い思い入れがあるとのことで、同スタジオ初の単独開発タイトルであるステルスシューター『Metrocide』にもその影響が色濃く見られる。パブリッシャーは『Portal Knights』や『ABZU』といった有名タイトルの販売を担当してきた505 Gamesが務める。ディテールにこだわりを感じる作品で、大手販売元の慧眼にかなったタイトルということもあり、完成に期待したいところだ。

『Objects in Space』の対象プラットフォームはPC(Steam)で、2018年6月21日に早期アクセスでの販売開始を予定している。

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