神の娘は“天空の城”を目指す、手描きグラフィックが光るRPGツクール製ゲーム『Amber Throne』


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第122回目は、『Amber Throne』を紹介する。現在Josh Missile氏によって開発されている本作は、手描きグラフィックが特徴のRPGツクール製タイトルだ。

空の城を目指す神の娘「Arra」

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神の娘と、天空の城

『Amber Throne』の物語は非常に壮大だ。「Amber(アンバー)」と呼ばれる世界が、まだ神によって統治されていた時代。アンバーの神が、自身の死の運命を予知する場面からストーリーは始まる。神は、強大な力を持つ「アンバーの玉座」を狙う反乱が将来起き、さらに自身が死んでしまうことを知る。そこで神は自分をも犠牲にして、反乱者たちが乗り込んできた際に「玉座」のある城を空へと浮かび上がらせる計画を実行した。

こうして玉座のある城は、神と反乱者を乗せたまま、脱出不可能な雲の中へと永久に閉じ込められた。それから何世紀もの時が経過し、神が存在しなくなったアンバーの世界は砂漠と化していた。人類たちはマシンやテクノロジーに頼って生活し、なんとか生き長らえていたが、いま再び「アンバーの玉座」が脅威にさらされようとしている。

本作の主人公となるのは、アンバーの神の娘「Arra」だ。彼女はアンバーの神が城を浮上させる際に、安全な地上へと父親である神によって封印され、何世紀にもわたって眠っていた。プレイヤーは彼女と旅の仲間たちを操作して、アンバーの神が最後に残した「アンバーの玉座を破壊しろ」の言葉に従い、玉座を巡る戦いに終止符を打たなければならない。

伝統的なJRPGスタイルと淡い世界観

『Amber Throne』は「RPGツクールVX(RPG Maker VX)」にて製作されており、基本構造は伝統的なJRPGスタイルとなっている。戦闘はターンベースであり、軽めの探索要素も盛り込む。戦闘においては、プレイヤーが取った行動によりモンスターのスタンスが変化する特徴があり、モンスターの性質を知ることが勝利へと繋がるという。またスキルを使用する際にマナのような概念がないことや、回復役のいわゆるヒーラーキャラクターが存在しないことなども明らかにされている。

どちらかと言えば本作は、ゲームプレイをやり込むというよりも、淡い手描きのアンバーの世界ビジュアルと、心震わせるBGMを楽しむタイプの作品だと言えるだろう。トレイラーでは『Amber Throne』の素敵な世界観が余すところなく紹介されており、すぐにでも探検してみたいという衝動に駆られる。

少なくとも2013年から開発が続けられている『Amber Throne』は、現2015年6月か7月のリリースを予定しているとのことだ。対応プラットフォームはPC。現在はSteam Greenlightにも登録されており、Steamでの配信を目指している。