『Sheltered』4人と1匹の家族が過酷な世界でサバイバル、核戦争後の地下シェルター運営ゲーム


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。めやらぬまま幕を閉じたE3 2015。あなたは大作ゲームの情報ばかりを見て、素晴らしい作品たちが登場していたのを見逃してはいないだろうか。今週はコーナー名を一時的に「E3 Indie Pick(2015)」に変更し、E3 2015にてスポットライトが当てられたインディーゲームたちを紹介してゆこう。

第8回目は、MicrosoftのプレスカンファレンスにてID@Xboxタイトルの1つとしてXbox One向けのリリースが紹介された『Sheltered』をピックアップする。『Sheltered』は2014年にKickstarterで約3万ポンドの資金獲得に成功したタイトルであり、PC(Steam)およびPS4やOuya、iPadでのリリースも予定されている。

核戦争後の家族を描くシェルター運営ゲーム

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地下シェルターで生き延びる家族

E3 2015ではBethesda SoftworksよりVault運営ゲーム『Fallout Shelter』がサプライズで発表されたが、『Sheltered』はその『Fallout Shelter』とやや似た核シェルター運営ゲームだ。『Sheltered』の世界では核戦争が勃発し、地球上では数十億人の人類が死滅した。地上は放射能汚染が進み、醜悪な野獣たちがうろついている。食料や水、酸素は限られており、生活に必要なさまざまな機材や設備も壊れている状況だ。プレイヤーは核戦争前に地下シェルターに逃げ込んだ4人と1匹の家族を操作し、この暗く破滅的な世界を生き延びなければならない。

プレイヤーは家族の摂取する食料や水分、または精神状態に常に気を配る必要がある。食料や資源を探しに対放射線スーツを着て危険な地上へと探索に出かけなければならないし、発電機など地下シェルターに存在する設備は日々メンテナンスしなければならない。どこかうすら明るく退廃的な『Fallout Shelter』と異なり、『Sheltered』は非常にダークな雰囲気の作品である。子どもが次から次へと誕生するようなこともないため、『Sheltered』における家族一人ひとりの命は非常に重い。一人でも欠ければルーチンワークは乱れ、家族の生存は一気に難しくなる。

また本作では、主役となる家族以外にも地上に住む生存者たちが多数登場する。子どもを抱えた母親が殺されるから助けてくれと求めてきた時に、あなたは彼女を助けて、貴重な食料や水を分け与えるだろうか。あるいは地上で探索中に出会った人々を信頼することができるだろうか。モラルだけに縛られないさまざまな選択肢も、『Sheltered』における魅力の1つだ。

『Sheltered』は、3人のインディーデベロッパーが所属する「Unicube」スタジオと、先日紹介した『Beyond Eyes』を含むさまざまなインディーデベロッパーと共同開発を続けている「Team17(『Warms』の開発元)」によって開発が進められている。『Sheltered』は2015年内にリリース予定だ。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。