『Survivors: Unleashed』野獣うごめく島のなかで生き延びろ、Co-opホラーにサバイバル要素を融合させた一人称視点アクションゲーム

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第162回目は、『Survivors: Unleashed』をピックアップする。本作は最大4人のプレイヤーと協力してキャンペーンを進めてゆくCo-opホラーアクションゲームだ。『Left 4 Dead』や『Killing Floor』の登場以降、Co-opモノのホラーアクションはさして珍しい存在ではなくなっている。一方『Survivors: Unleashed』は、近年流行しているサバイバルゲームやオープンワールドの要素を取り組んでいるのが特徴だ。

野獣が放たれた島でのサバイバル

1941年、第二次世界大戦中に某政府によって「スーパーソルジャー」開発のために設立された研究所から、『Survivors: Unleashed』の物語は始まる。有毒ガス「Cyanogen」を使用する実験のさなか、対象の実験体が凶暴化して実験室の窓を破壊してしまい、研究所にはガスが蔓延してしまう。事故から数か月が経過し、政府は研究所のある島へと調査チームを派遣するも、チームは“謎の野獣”から攻撃を受け、1人を残し消息を絶ってしまった。

さらにそれから12年後、プレイヤーはこの大事故から生き延びた生存者の1人として、謎の野獣がうごめく島のなかで生存することを目指さなければならない。cc160a56630417b5594d6edd6f435875_original

現時点ではゲームプレイのすべては明らかにされていないが、どうやら『Survivors: Unleashed』はオープンワールドサバイバルゲーム版『Left 4 Dead』とでもいうような存在になるようだ。キャンペーンモードでは、オープンワールドマップ上を舞台に、プレイヤーたちは物語に沿って「谷を発見しろ」といったさまざまな目標をクリアしてゆく。さらにここにサバイバルゲームのさまざまな要素が加わることになる。

たとえばプレイ中、プレイヤーは食料を入手して空腹を満たし、水を手に入れて喉の渇きを癒やさなければならない。なにも飲まず食わずで動き続ければ、体力は低下して脱水症状や幻覚症状を引き起こし、最終的には死に至ってしまう。骨折を負えば腕や足は使い物にならなくなり、また外傷からは島に残留したCyanogenガスが侵入する可能性もあるため、必ず治療しなければならない。さまざまな現象で操作キャラクターの精神状態が悪化すると、幻聴や幻覚なども発症するため、その場合はアドレナリンを打つ必要があるという。

音との戦い

Co-opホラーとサバイバルゲーム、昨今人気のジャンルを掛けあわせたような『Survivors: Unleashed』だが、意外にも想像してみると悪くはない。たとえば『Left 4 Dead』では目標地点へ向かってただ猛進してゆくだけだが、ここに前述のサバイバル要素が加わるなら、寄り道して食料や水などのアイテムを確保するか、それとも直進するのかといった選択肢が追加されることになる。あるいは状態の悪いプレイヤーを見捨て、前進するといったシーンもあるかもしれない。重大な決断を巡り、プレイヤー間の連携は従来のCo-opホラーよりもさらに難しいものとなりそうだ。

またこのゲームの特徴として、島を徘徊する謎の野獣がプレイヤーたちの「音」を察知するという点がある。歩くなどのアクションを取る度にプレイヤーは音を発してしまうため、敵に自身らの位置がバレないように慎重に行動しなければならない。また、ゲーム中は常にボイスチャットがONとなっており、プレイヤーが発する声もゲーム中に反映されるのだという。思わず驚いて声をあげてしまったり、味方とうっかり話し込んでしまえば、野獣に察知されることとなる。なお本作は音に関してなにかと力を入れている模様で、7.2chのサラウンドサウンドにも対応しており、幻聴が聞こえるシーンなどにおいても力が込められているようだ。

開発を担当するShivarkane,Inc.にとって、『Survivors: Unleashed』は初めて開発するプロジェクトとなる。所属する4人のメンバーは2012年から3Dデザインやモデリング、VFXについて学び、2014年から本作の開発を始めたという。公開されたトレイラーを見る限りまだまだ完成には程遠いが、ビジュアルはけっして悪くはなく、なによりも「Co-opホラーにサバイバル要素を組み込む」というコンセプトは非常に興味深い。

『Survivors: Unleasehd』はPC向けに2016会計年度Q4リリース予定となっている。現在はSteam Greenlightに登録中。Kickstarterでクラウドファンディングキャンペーンも実施していたが、こちらは準備不足と判断したのか、1日も経たないうちにキャンセルとしてしまったようだ。9月から10月にはさらなるアクショントレイラーが公開され、プロジェクトに貢献したユーザーに向けたベータビルドが提供される予定だといい。