『Bounty Train』西部開拓時代のアメリカを横断せよ、資源管理や強盗団との戦闘で進む異色のローグライク“トレイン”シム


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第163回目は、『Bounty Train』をピックアップする。本作は『FTL: Faster Than Light』にも似た、ローグライク要素ありのシミュレーションゲームだ。ただしゲームの舞台となるのは1960年代のアメリカ、プレイヤーが操作するのは宇宙船ではなく“列車”である。

ローグライク列車シム

1860年代、世はフロンティア(新天地)を求めさまざまな人々がアメリカを訪れた西武開拓時代。『Bounty Train』の主人公である「ウォルター(Walter)」は、鉄道会社を運営する社長の息子だった。この鉄道会社は西海岸から東海岸までを鉄道で結ぶ壮大な夢を抱いていたが、社長である父は死んでしまい、残された会社は鉄道建設でなにやらよからぬ計画をたくらんでいる。プレイヤーはウォルターを操作して自身の列車を運営し、各地での取引や輸送事業で資金を集め、この計画を阻止することを目指す。

本作をざっくりと説明するなら、西部開拓時代のアメリカ大陸を舞台にした『FTL』といったところだろうか。大陸上にはデトロイトやボストンなどの実在した都市が点在しており、プレイヤーは列車で各都市を移動しながらストーリーを追ってゆく。都市で綿花や毛皮などを購入し、農場などにそれらを売却して資金を獲得する。そしてその資金で列車を拡張したり、新たな従業員を雇ったりするのだ。移動中には列車強盗団などに襲われる可能性もあるため、用心棒などを集めて防備を固めなければならない。

『Bounty Train』で移動するには石炭が必要であり、機関車を操作する機関士などの人員も必要だ。どのような順番で各車両を連結し、どこに人員を配備するのか、どこに積み荷を配置するのかなども決めなければならない。強盗団との戦いで車両が手酷く痛められたのなら、その車両を切り離して放棄するかどうか、決断を迫られる時もある。鉄道自体を修繕しなければならないシーンも登場するようだ。開発のCorbie GamesとDaedalic Entertainmentによれば、本作は「複雑で戦略的にチャレンジングなゲーム」になるという。

興味深いのは、やはり本作のテーマが「列車」であるという点だろう。列車を運転したり鉄道会社を運営するようなトレインシムは数多くあれど、戦闘や資源のやり取りを盛り込んだ作品は同ジャンルであまり聞いたことがない。さらにゲーム中には南北戦争からエイブラハム・リンカーン暗殺までの歴史的なイベントが繰り広げられ、プレイヤーのさまざまな決断が歴史に影響を与えることとなる。プレイヤーは鉄道史と共にアメリカの歴史を垣間見てゆくわけだ。

なお本作には10種類の機関車、20種類の車両、20種類の雇用キャラクター、20種類の敵キャラクターが登場する。アメリカ大陸には15の都市が存在しており、100種類以上のクエストがプレイヤーを待っている。

『Bounty Train』は、8月17日よりSteam早期アクセスにて販売予定だ。ゲームエンジンにはUnityを採用しており、対象プラットフォームはPC/Mac。iPad/AndroidTabでもリリース予定だという。