『The Wild Eight』絶望のアラスカを仲間と生き抜け。極寒の地に住むスタジオがおくる見下ろし型サバイバルゲーム

 

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第248回目は『The Wild Eight』をピックアップする。

The Wild Eight』は見下ろし型の協力サバイバルゲーム。飛行機の墜落事故によって日常生活から投げ出されてしまった8人が、アラスカの深い森で目覚めるところからゲームはスタートする。必死に救助の信号を送ろうとするが、電波が届くことはない絶望の状態だ。凍えるような極寒の大地で、来るのかもわからない救助のために今日を生き抜かなければならない。

プレイヤーにとっての脅威は寒さのみではない。イノシシやオオカミなど血に飢えた数多の野生動物、正体不明の謎の生命体、自然現象、あらゆるものが牙を向き人間の生命を脅かす。そのほかにも、木の伐採や肉の調理、薬の調達、どれかひとつでも忘れてしまえばそれが命取りになってしまうのだ。クラフトを用いて効率的に作業をおこなう必要があるだろう。また、巨大な敵と対峙した時に戦うのか、それとも逃げるのかといった状況に合わせ的確な判断を下す頭脳も求められている。

本作は1人プレイも可能ではあるものの、最大8人までの協力プレイが基本のモードとなっている。他のプレイヤーだけが唯一バックアップをしてくれる存在となり、資源を共有したり、時には野生生物からかばったりして助け合うこともあるだろう。プレイヤーが死んでしまった場合でも、極まれに見つけることのできる蘇生機器を使って仲間を生き返らせることができるようだ。しかし、ほかのプレイヤーが必ずしも協力的であるとは限らない。ほかのプレイヤーのアイテムを奪えばより安定したプレイが可能になり、また人間は“食料”にもなり得ることを忘れてはならない。

ゲームの目標は、夜を越えて生き延びながらイベントをこなしていくことだ。イベントは大きく分けてみっつ。現在いる場所に関連して発生するイベントや、あらかじめ発生箇所が決められているゲームのメインクエストとなるイベント。そしてランダムに配置されたイベント。メインクエストを追っていけばクリアへと近付いていくようだが、イベントをこなさなければ“より良い”エンディングを見ることは難しくなる。8人のキャラクターにはそれぞれ特徴があり、クラフトが得意な女性VIVANや戦闘を好むCOLEなど自分のプレイスタイルに合わせて操作キャラクターを選ぶことができる。また、イベントをこなすことによってレベルが上がり、スキルを取得できるようになる。薪の場所を把握できたり、より強力な武器を製作できるようになれば、生存への道がぐっと近付くだろう。

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開発元のEight Pointsは2015年に設立されたスタジオ。その名に偽りなく8名のスタッフで構成されている。スタジオを設立する前はそれぞれ異なる会社に所属しており、カジュアルゲームの開発に励んでいたが、没入体験をもたらす作品に情熱を注ぎたいという想いからチームが結成されたようだ。

興味深いのが、Eight Pointsはロシアの中でも寒い地域だといわれているヤクートを拠点としているところだ。スタッフは、朝は食料を確保するために熊を狩りに出かけ、昼にはゲームの開発に励み、夕方には火を起こすための薪を集めるというサイクルで日常を過ごしているのだという。電気代のあまりの高さから、必要時以外は電気すらも使わない生活が多いのだとか。極寒の地で毎日クラフトとサバイバルを経験しているスタッフが、同様のテーマのゲームを開発するというのも本作の魅力だろう。

『The Wild Eight』は現在Kickstarterにてキャンペーンをおこなっている。21日14時点では、目標額5万ドルの半分以上の支援が集まっている。2016年末にSteam/Play Station4/Xbox One向けにリリース予定。日本語にも対応するようだ。