時速1000kmの向こう側の世界へ。超スピードレースゲーム『Redout』は「速さ」へのこだわりを貫く

 

発売前や発表されたばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第260回目は『Redout』をピックアップする。

『Redout』は浮遊した乗り物を操作しながら、ライバルを蹴散らし1位を目指すレースゲームだ。舞台となっているのは人間が移り住んだという火星と土星。人々は速さを競うあるスポーツの虜となっていた。それが「Redout」だ。ゲームのコンセプトは、「妥協せず速さのみを追い求める」という言葉に集約されている。ゲーム設定からもわかるように、本作は『F-ZERO』や『WipEout』といったタイトルを強く意識していることを公言しており、開発者自ら『Redout』をそれらのタイトルの“精神的後継作”とも呼ぶほどだ。

そのコンセプトどおり、『Redout』は速さへのこだわりが見て取れる。時速800kmはなんのその、映像では1000kmを超えるシーンも見受けられる。それもそのはず、機体のエネルギーには核の力を利用しているのだとか。この速さには単なる数字表記上のみならず、臨場感を演出するための工夫がほどこされているようだ。そのひとつが、ローポリ調のブレンドメッシュだ。本作にはUnreal Engine 4が使用されており、光や影といった表現は美しく描かれている。しかし、そこにあえてローポリ調のブレンドメッシュを用いるのが開発陣にとっての美学だという。おそらくこのブレンドメッシュは、機体が加速した際に背景がぼやける演出を強調しているのだと思われる。

indie-pick-260-redout-001賞金を稼ぎ機体をアンロックしていくキャリアモードのほか、レースゲーム恒例のタイムアタック、生き残りをかけて戦うサバイバル、スコアアタックなどが用意されている。4人までのローカルマルチプレイも搭載されており、オンライン対戦も実装予定のようだ。ほかにも、機体を防御向けにしたり、最高速のマシンにしたりするなどアップグレードによる強化といったシステムも用意されているのだという。実装されているコースは未来都市から雪山、南国や砂漠と幅広く、25のコースが楽しめる。

開発を担当しているのはイタリアを拠点とするスタジオ34BigThings。もともとはコペンハーゲンの大学の学生たちが集まって作られた団体のようだ。最初はひとつのオフィスで活動していたが、規模が拡大し今では会社として運用されている。チームは32名のスタッフから成り立っており学生あがりの開発者のみならず、AAAソフトに携わる経験を持ったベテランなど幅広いキャリアの人々が存在するのだという。

対応プラットフォームはPlayStation 4/Xbox One/Steam。リリースは2016年を予定している。


国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)