Unreal Engine 4製の”ヴァニラウェア”風2Dアクションゲーム『The Vagrant』


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第78回目は、『The Vagrant』を紹介する。本作の開発を担当するのは、インディーデベロッパーO.T.K Gamesだ。同スタジオは若き3人の開発者によって2014年6月に結成されたばかりのスタジオ。『The Vagrant』は第1弾タイトルとなるが、そうは思えない高いクオリティの2Dビジュアルとアニメーションが特徴だ。現在公開されているトレイラーを見る限りでは、なかなか歯ごたえのあるアクションゲームとなりそうである。

 


UE4製のヴァニラウェア風アクション

 

女放浪者「ヴィヴィアン」
女放浪者「ヴィヴィアン」

『The Vagrant』は、横スクロール式の2Dアクションゲームである。プレイヤーは3人のプレイアブルキャラクターを操作し、ゲームの舞台ミスリリアの4つの地域にまたがる100以上のステージを攻略してゆく。ゲームは『悪魔城ドラキュラX』、また『朧村正』や『ドラゴンズクラウン』、『オーディンスフィア』といったヴァニラウェア製アクションタイトルにインスパイアされているという。特にグラフィックのスタイルや2Dアニメーションは、クオリティは本家には及ばないものの、影響が色濃く見られるだろう。『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』の前例があるが、2Dビジュアルでありながら、Epic GamesのUnreal Engineを搭載している点も興味深い。本作はGDC 2015でも、Unreal Engineのショウケースタイトルの1作として紹介されている。

3人のキャラクターは、それぞれ異なる戦闘スタイルを持っている。失踪した妹を探す女放浪者「ヴィヴィアン」は、さまざまなコンボとカウンター攻撃を持つキャラクターだ。武器を持ち替えつつ、レイジゲージを消費することにより強力な一撃をくりだす。近接戦闘が得意なキャラクターである。

自らを"誇り高く偉大なる博士"と呼ぶ「カムデン」は、召喚魔法に関する論文が嘘っぱちであると認められ、魔術師アカデミーや一族からペテン師呼ばわりされている人物。元素魔法による遠距離攻撃のほか、テレポートやデバフといったサポート魔法も得意であり、マジックゲージを貯めて精霊を召喚することもできる。テレポートで敵との距離を調整しつつ、魔法で遠距離から攻撃する戦闘スタイルを持つ。

「ベティ」は孤児院で育った少女だ。貧困にあえぐ孤児院を救うため、ミスリルの地で宝物を探し求めている。背後から致命的な一撃を与えるクマの爪と、敵と距離を取るのに最適なトラップを駆使する、テクニカルなアサシンキャラクターだ。またアニマゲージを消費することで身体が成長し、強力な一撃をくりだすバーサーカーモードへ移行することができる。アニマゲージは敵を攻撃すると回復するため、上手くゲージを維持すれば、変身を解除することなく画面上の敵を一掃することができる。

 

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このほか、ゲーム中には武器のカスタマイズシステムが存在する。ゲーム開始時からそれぞれのキャラクターが所有している固有武器は、ゲーム内で取得したマナを貯め消費することで強化してゆくことができる。手に入れた武器と素材を使用して、特殊な能力を持つ武器を鍛冶屋で作成することもできるという。武器にルーンをはめ込んで特殊能力を付加したり、武器を分解してルーンを得るといった要素もある。料理システムも存在し、最大ヒットポイントを上昇させるなど、強力な効果を持つ消費アイテムが作成できる。

『The Vagurant』は、2016会計年度の第3四半期にリリース予定だ。すでにSteam Greenlightを通過しており、Steamでの配信が決定。Kickstarterでは、2万ポンドの獲得を目指すクラウドファンディングを実施している。それぞれのページでは、各キャラクターのイメージやコンセプトアートが多数公開されている。2Dアニメーションに魅入られたプレイヤーは、チェックしてみよう。