“勢い”が勝利をつかむ、物理演算型の乱闘対戦アクションゲーム『Swordy』


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie of the Week。第108回目は、『Swordy』 を紹介する。『Swordy』はローカルでの同一画面プレイに対応した乱闘系対戦アクションゲームだ。最大8人のプレイヤーたちは、アリーナ型のマップ上 で剣や盾などの武器を奪い合いながら戦う。さまざまなデスマッチ系のゲームモードが搭載されているほか、最大4人で襲い来る敵を倒す協力プレイモードも存 在する。

『Swordy』には、押せば剣を振るうような単純な攻撃ボタンは存在しない。かわりにプレイヤーは、素手でのパンチを含む全ての武器を”スティック”にて操作する。スティックを左右に振れば、画面上の操作キャラクターも持っている武器を振り回すわけだ。

ただし、武器をゆっくりと動かし敵にチョンと当てればいいわけでもない。本作には物理演算が組み込まれており、振るう武器に”勢い”があれば敵にダ メージを与える仕組みとなっている。プレイヤーたちはスティックをグリグリと振り、勢いが増した状態で敵に武器を当てることを目指す。

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“勢い”がある状態では、武器が赤く光り輝く

大剣やフレイルなど、本作に登場する武器はほとんどが巨大だ。これらの武器を振り回し勢いを発生させるにはある程度の時間が必要であり、その隙をお 互いに突く戦略性が『Swordy』の肝となっている。敵に突っ込みつつ剣を振るうのか、一歩下がって体勢を立て直すのか、あるいはフェイントで近づいて 敵に剣を振るわせるのか。単純に武器を振るうだけでなく、武器を投げつけるアクションも存在し、距離が離れていても油断はできない。

また本作には巨大な武器のほか、小剣や素手でのパンチのような小さな武器も存在する。これらは巨大な武器のように大きく振り回す必要がなく、敵の懐 に入り込めば優位に戦うことができる。基本ルールはシンプルながらもプレイヤー同士で奥深い読み合いが発生するタイトルであり、過去に紹介した『Nidhogg』に通ずる部分があるといえるだろう。

『Swordy』はニュージランドのオークランドに位置する新興スタジオFrogsharkが 開発を進めるタイトルだ。Frogsharkは2014年にAlexey Botkov氏、Danny Lawrie氏、Hamish MacDonald氏によって設立された。現在はMicorosoftによるインディーゲームの支援プロジェクト「ID@Xbox」に参加している。 『Swordy』は当初、「Rock-Paper-Sissos(じゃんけん)型の格闘ゲーム」として開発されていたのだが、後に「物理演算を組み込んだ 格闘ゲーム」というプロジェクトへと変化していったそうだ。

『Swordy』は2016会計年度Q2にPC/Xbox Oneへ向けリリースされる予定となっている。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。