星の重力に引かれグルグルと回る、飛ぶ。惑星探索ローグライクアクション『Moonstrider』


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆくIndie Pick。第112回目は『Moonstrider』を紹介する。本作は惑星探索を題材にしたSFテーマの2Dアクションゲームであり、開発者いわくローグライクのような作品となる。プレイヤーは宇宙船の爆破事故から命からがら生き延びた船員の一人となり、さまざまな惑星を探索しつつ、最終目的地となるワープゲートを目指す。

『Moonstrider』の物語は、地球人たちが謎の無線パルス信号を調査するため、パイロットと科学者たちが搭乗した宇宙船を打ち上げるシーンから始まる。宇宙船は太陽系の端に位置する「ワープゲート」に辿り着いたものの、近づいた瞬間に謎の爆破事故に巻き込まれ、搭乗員たちはそれぞれ異なる次元へと吹き飛ばされてしまった。彼らは故郷の地球へ戻るため、ワープゲートを求めて宇宙空間をさまよわなければならない。

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大雑把に言うならば、本作のゲームプレイは『風来のシレン』や『トルネコの大冒険』の舞台を「宇宙空間」に置き換えたような内容だ(ただし『Moonstrider』にレベルアップの概念は無い)。『Moonstrider』では、マップは常に自動生成される。そしてモンスターやアイテム、商人などが登場する「部屋」が「惑星」なのである。プレイヤーは惑星をグルグルと回り、武器やアイテムを集め、さらに次の惑星へと飛び、最終的にはゴール地点を目指す。

ならば『Moonstrider』が単なる宇宙版『風雷のシレン』かと聞かれればそうではなく、本作には”ロケットブースターで自由に惑星間を移動できる”特徴がある。例えば危険な敵が襲いかかってきたのなら別の惑星に逃げたり、危険な星がある地帯を抜けるためロケットブースターで遠くの星へ向かうことができる。とはいえ、ロケットブースターを使用すると燃料ゲージを消費してしまうため、使いドコロは考えなければならない。

ゲーム中には水晶の海賊や4本も手があるモンク、マインドコントロール下にあるスライムなど、さまざまな敵たちが登場する。ワープゲートの前にはボス戦が待ち受けており、ボス敵を倒さなければゲートを通ることはできない。プレイヤーは掘削用爆発物やテスラパックなどの特殊アイテムを駆使しつつ敵を倒していく。宇宙空間には散り散りになった船員たちが存在し、彼らを見つける度にプレイアブルキャラクターとしてアンロックされる仕組みだ。それぞれのキャラクターは異なるアビリティを有している。

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燃料という代償さえ支払えばさまざまな「部屋」へと行けるローグライク

『Moonstrider』の開発を担当しているのは、インディーデベロッパーのTripleLasersスタジオことIan Burch氏だ。彼の詳細や『Moonstrider』の開発の歴史は詳細に語られていないが、先日には2015年のエンターテイメント系コンテンツイベント「MomoCon 2015」へとプレイアブルデモが出展されており、すでにプレイできる段階へは到達しているようだ。

『Moonstrider』は2016年初旬にリリース予定だ。現在はSteam Greenlightに登録されており、Steamでの配信を目指している。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。