『Skyrim』ディレクターTodd Howard氏、任天堂の新ハード「Nintendo Switch」のサポートを改めて明言


先月20日にトレイラーが初めて公開され、据置ゲーム機と携帯ゲーム機の両方の機能を備えるハイブリッド型であることが明らかになった任天堂の新型コンソール機「Nintendo Switch(以下、Switch)」。トレイラーは約3分30秒と短いものでありながら、ハードの機能や新たなタイトルが示唆されており、多くの情報が含んでいた。そのなかで特に話題となったのは、Bethesda Softworksが手がけた大ヒットタイトル『The Elder Scrolls V: Skyrim(以下、Skyrim)』と思われる映像が流れたシーンだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=vvaQENG7lBI

該当場面は、1分8秒~1分30秒

Bethesda Softworksは言わずとしれた世界を代表するメガパブリッシャー。『The Elder Scrolls』や『Fallout』シリーズなど大ヒットフランチャイズを複数保有しており、業界では強い影響力を持つ。同社傘下の開発チームにあたるBethesda Game Studiosは自由度の高い作品の開発を得意としており、そういった作品はマシンパワーを必要とする。任天堂は、据置ゲーム機の開発において、ニンテンドー64やゲームキューブ時代はハイエンド路線を追求していたが、Wiiの開発を境にスペックの向上よりもコントローラーに工夫を加える「新たな遊び」を重視するようになっていた。そういった方向性の違いもあり、Bethesda Softworksマーケティング部門のバイスプレジデントであるPete Hines氏は、WiiUが発売された翌年の2013年に「ハードウェアの関係で、Wii U向けにはゲームを開発していないし出す計画はないと保証できる」とEngadgetに対して語っており、実際にWii UゲームパッドでBethesdaロゴを見ることはなかった。

そうした歴史を知っていたユーザーであれば、Switchのトレイラーに『Skyrim』らしき画面が映っていたことの意味の大きさがわかるだろうし、今月10日にはビジュアルを強化した『Skyrim Special Edition』がリリースされたばかりで、2017年3月発売のSwitchでも発売されると考えるのが自然だろう。しかし1月に任天堂は発表会を控えていることもあってかBethesda Softworksのスポークスマンはgameindustry.bizのインタビューに対し「現時点では具体的にはコメントすることはできないが、任天堂とはパートナーシップを組みSwitchを支えていく」と好意的ながら慎重なコメントをするにとどまっていた。こうしたコメントがNeoGAFなどで曲解されていたことは記憶に新しいだろう。

今回はより現場に近い『Skyrim』ディレクターであるTodd Howard氏がSwitchへの取り組みについてGlixelに対して明かしている。Howard氏はSwitchについて訊ねられた際に「Switchは好きだよ。NDAがあるんだけどね。E3で見たデモは今まで見た中で一番だったね。任天堂がしていることはとても賢いと思う。僕らは間違いなく(Switchを)サポートするよ。任天堂と何かするのはこれが初めてになるね。」と答えている。また「テレビでプレイしてもほかの画面でプレイしても同じだ」とSwitchでの運用を示唆するコメントも飛び出している。

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Todd Howard氏といえば『Skyrim』のみならず『Fallout 3』のディレクターや『Fallout 4』のクリエイティブディレクターを務めておりBethesda Game Studiosの中心的存在だ。そうした開発現場の最前線にいるスタッフがSwitchをサポートすると明言したことから、任天堂とBethesdaが具体的にリリースに向けて取り組んでいると考えられるだろう。

Howard氏は先日、次回作となる『The Elder Scrolls : VI』が開発中であることを明かしていた。一方で開発体制は「アクティブとは言えない」という状態のようで、前出のHine氏は「開発が進んでいたとしてもリリース直前までは発表しない」と述べている。はたして本当に『Skyrim』はSwitchでリリースされるのか、そしてBethesdaはSwitchにて『The Elder Scrolls』シリーズを展開していくのか。すべてはまだ謎の中であるが、来年1月のプレゼンテーションで一部が明かされるかもしれない。