元Crytekの開発スタッフ、給料の遅延で同社を訴訟するためのクラウドファンディングを開始。2か月分が支払われずと訴え


Crytekの元アーティストLudvig Lindqvist氏は、Crytekが自身の給料を未払いのままにしているとして、訴訟する意向であることを明らかにした。現在は「Go Fund Me」にて訴訟資金を得るためのクラウドファンディングを実施しており、2万英ポンド(約293万円)の支援を求めている。

Ludvig Lindqvist氏は2015年3月から2016年12月までVFXアーティストとしてドイツ・フランクフルトのCrytek本社に在籍していた人物で、『Robinson: The Journey』『Sky Harbor』『The Climb DLC: North』の開発に参加してきたとLinked Inを通じて伝えている。Lindqvist氏によれば、Crytekからの給料は今年5月からたびたび遅れるようになり、9月の給料の支払いは約1か月遅れる事態に。また10月と11月分の給料はまだ支払われていないという。給料が遅れているゆえに訴訟の費用も確保できないようだ。

なお「Go Found Me」のクラウドファンディングキャンペーン開始から数時間が経過しているが、現在では20ポンドの支援しか寄せられていない。このクラウドファンディングで集まった資金は、法律家を雇うためのコストに当てられるほか、ビデオゲーム関連のチャリティに寄付される予定だという。

Lindqvist氏が公開した給料遅延に関する証拠のメールリスト
Lindqvist氏が公開した給料遅延に関する証拠のメールリスト

Crytekでは今週始めから給料の未払い問題が浮上しており、多数のサイトやSNS上で従業員たちが社内の現状を訴えている(参考記事)。ただそれらはいずれも匿名の情報源であり、名前を出してCrytekの問題を訴えたのはLindqvist氏が初めてだ。いずれの訴えでも、Crytekでは半年間にわたって給与の支払いが遅延しており、また上層部がそれに関してコミュニケーションを従業員と取らない、そして従業員たちが次々と退職しているといった情報が伝えられている。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。