『The Sims Online』の復活を目指す非公式リメイク『FreeSO』、サービス開始するも人が殺到しすぐさま中止になる

エレクトロニック・アーツより発売され、15年以上にわたって愛され続けている『The Sims』シリーズ。ゲーム内に登場するキャラクターの人生をシミュレートしたり、キャラクターになりきりロールプレイできる、人形遊びをゲームに落とし込んだシミュレーションゲームだ。第1作目である『The Sims(日本名:シムピープル)』の流れを汲んだオンラインゲーム『The Sims Online』もまた熱狂的なファンを抱えていたタイトル。発売当時は、オンラインゲームの盛り上がりの影響もあり多数のユーザーを虜にした。立体的なグラフィック表現になった続編『The Sims 2』へと開発のリソースが割かれながらも根強い人気を集めていたが、最終的に2008年にサービスの終了が宣告された。『The Sims Online』がサービス終了して以来、『The Sims』シリーズにおいてオンラインマルチプレイ要素が導入されることはなく、オンライン作品の復活を望む声が絶えなかった。

『The Sims Online』の再誕を目指して

時は流れて2015年、ついに『The Sims Online』の非公式リメイクプロジェクトが、プログラマーRhys氏を中心として始動した。その名も『FreeSO(Free The Sims Online)』。当時の『The Sims Online』が保有していたコンテンツを含みながら、プライベートサーバーや個人のシムの招待機能などを完備する。まずはオリジナル作品に存在したコンテンツの実装や、オンライン環境の整備に尽力し、開発が進めば多数のオリジナルのコンテンツの追加を予定しているのだという。ゲーム開発はC#とMonogameによって制作されており、プログラムから再構築がはかられている。

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こうした『The Sims Online』を徹底的に模倣する展開が功を奏し、『FreeSO』は一気に多くの支持を集めていた。そして先日1月6日に待望のオープンベータが開始された。開発スタッフはこのとき初めて、ユーザーからの高い期待をその身で感じることになる。

周到な準備を終わらせ、『FreeSO』のサーバーを立ち上げてオープンベータサービスを開始すると、その瞬間に約1000人ものユーザーが一斉にアクセスを始めたのである。最大で200人を想定していたサーバーはあっという間に陥落。絶え間なくAPIへのアクセス要求が続くさまは、さながらDOSアタックのようだったとRhys氏は語る。今回のサーバーダウンを受けて氏はすぐさまブログにて現状を報告し、今後の展開を予告。アクセスの多くはブラジルからのものであるとRhys氏は発表し、言語の問題があるゆえにブラジル圏の人々を緻密にサポートできないことを表明。今後はモデレーターの力を借り、ブラジル専用のサーバーの設置を考慮していると述べている。ほかにも、これからはより大きな規模でオンラインのメカニズムを調整していくことや、クローズドベータをおこなっていることを明かしている。氏は今回のサーバーダウンに対して驚きを見せながらも、期待の表れとも解釈しているようで、今後の展開に大きな意欲を見せている。

クライアントはアセットを読み込んでいるだけ

『FreeSO』の初陣はサーバーダウンという結果に終わってしまったものの、人が集まるという意味では順調な出だしを見せている。一方で、今後の展開における不安も存在している。というのも、見てのとおり『FreeSO』はグラフィックやUIなども含めてそのまま『The Sims Online』なのだ。そうした背景があるにもかかわらず、オリジナル作品の開発元であるエレクトロニック・アーツのロゴなどは一切表示させず、プライバシーポリシーページには「ゲームのクライアントは、ユーザーがダウンロードしてきた『The Sims Online』のファイルを読み込んでいるだけで、『FreeSO』自体にはゲームのアセットは含まれていない。あくまでユーザーから渡されたファイルを読み込んで情報を吐き出している。ゲームサーバーから送られる情報もメタデータだけで、アセット情報は含まれていない。」と記述している。あくまで自分たちが開発しているのはアセットを読み取るプログラムだけであるという言い分だ。

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つまり、『FreeSO』は単独では動作しないプログラムなのだ。こうした事情を考慮してか、『FreeSO』のインストーラーを立ち上げると、『The Sims Online』のアセットをインストールできる。オリジナルのアセットを読み込むことで『FreeSO』を動かすことができるというわけだ。『The Sims Online』はサービスが続いていた当時からクライアントを無料でダウンロードでき月額課金制だったので、有料ゲームを無料配布するというパターンには該当していない。また、インストールプログラムにはご丁寧に、ユーザーが作ったものであることが示されている。どういう形態であれ、かつ誰がプログラムを作成したとしても、現在公式では公開されていない『The Sims Online』のアセットを配布しているのはやはりグレーだろう。

盛り上がりを見せながらも、危うさを見せる『FreeSO』。サーバー問題を解決し、かつエレクトロニック・アーツから使用許諾を得られるかが注目される。

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