『バイオハザード7』前作からセールス落ちるも近年のサバイバルホラーとしては奮闘。英国では初週1位に

 
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PlayStation 4版『BIOHAZARD 7 resident evil』(以下、バイオハザード7)の初週販売本数は国内で約18万7000本(4gamer:メディアクリエイト調べ)。前作『バイオハザード6』の初週63万本から大幅にダウンしている。初回出荷本数が前作の450万本から250万本に減少したことを踏まえると意外な結果ではない。

国内から海外に目を向けてみると、英国の週間売上チャートGfK Chart-Trackにて『バイオハザード7』(パッケージ版のみ)が初週1位を獲得している。英国での初週売上はシリーズ歴代3位。なおシリーズ最高記録はマルチプラットフォーム展開が本格化した『バイオハザード5』、続いて『バイオハザード6』である。

英国での具体的な販売本数は一般公表されていないが、gameindustry.bizは初週販売本数が5万本から12万本の間におさまるとリリース前に予測していた。その後GfK Chart-Trackの報告を踏まえて「ちょうど予測値のど真ん中」であったと記していることから、パッケージ版だけで8万5000本ほど売れたと考えられる。英国ではパッケージ版の販売本数が全体的に落ちていることを踏まえると健闘している。

売上はたしかに落ちているが、悲観すべきことばかりではない。公式サイトの統計データによればユーザ数は少なくとも100万人を超えている。またPC版の最大同時接続ユーザ数が前作『バイオハザード6』だけでなく近年のサバイバルホラー作品を大幅に上回っていることも判明している。Steamのユーザ数やTwitchの視聴者数などを分析している「githyp」が指摘したもので、Steam Web APIをもとにデータを収集している「Steam Spy」や「Steam Charts」でも同等のデータが出ている。

Steam Chartsより。通常版のピーク時接続数
Steam Chartsより。通常版のピーク時接続数

「Steam Charts」によるとPC版『バイオハザード6』の最大同時接続ユーザ数は2013年3月の1万1000人台であったのに対し、『バイオハザード7』は通常版と国内グロテスク版をあわせて1月26日に1万9000人近くを記録している。同時接続ユーザ数はリリース初日にピークをむかえることが多く、作品の注目度を計るパラメータにもなる。もちろんSteam自体のユーザ数が増加傾向にあることも影響しているはずだが、シングルプレイ主体の作品は初日でも数値が低い傾向にある中、比較的高い数値を残せている。

参考までに近年のサバイバルホラー作品をピックアップしてみると、ピーク時の同時接続ユーザ数は『Alien: Isolation』が約8400人、『サイコブレイク』が約4000人、『Outlast』が約3600人と、ピーク時の人口が1万人の大台に乗った作品はなかなか見当たらない。『バイオハザード7』の数値は本ジャンルにおいては異例であることがわかる。

ただし他ジャンルの話題作と比較すると見劣りする点は否めない。例として昨年リリースされた『No Man’s Sky』がピーク時で約21万人、『DARK SOULS III』が約12万人を記録している。昨年高評価を得た新生『DOOM』は約3万1000人、『Dishonored 2』は約2万2000人であり、いずれも『バイオハザード7』よりも多い。一番数値が近いのは『Watch Dogs 2』の約1万8000人である。

このように『バイオハザード7』の売上・ユーザ数は決して圧倒的な数値ではない。また本作はすでにコピーガード「Denuvo」が突破され海賊版が出回っており、今後の売上への影響は免れない。だがアクション重視ではなく純粋な「サバイバルホラー」としてマーケティングを続けた本作は、同作プロデューサーの川田 将央氏がかつてGamasutraのインタビューにて指摘したように、アクションゲームよりも市場の小さいサバイバルホラー市場の中で堅実な結果を残したと言えるだろう。