Blizzard、PS4/Xbox One版『Overwatch』で変換器を使ってマウス&キーボードでプレイする行為に懸念を示す


Blizzard EntertainmentのJeff Kaplan氏は数日前、コンソール版『Overwatch』で非公式の変換器を使ってマウス&キーボードを使用することに、開発チームとして反対する姿勢を見せた。コンソール版の上位プレイヤーがマウス&キーボードを変換器と共に使っているというファンの訴えに対し返答したもので、ソニーおよびマイクロソフトの両社と同件に関してすでにコンタクトしているという。

Kaplan氏は両社に対し、「マウス&キーボードと入力変換器を使用できないようにする」か、「オープンで容易なマウス&キーボードの全プレイヤー向けサポート」を用意するか、2つのアイディアを提示しているという。Kaplan氏はユーザーに対し、今回の訴えをハードウェアの製造元に(礼儀正しく)伝えるべきだとも続けている。なおマウス&キーボードを使用したユーザーになんらかの処置を取るといった話は伝えられていない。

Blizzardは“Play Fair”を掲げているゲーム企業であり、特定のプレイヤーだけが有利な操作デバイスを使えるという状況に懸念を示しているのだろう。非公式の入力変換器やアプリケーションは調べれば簡単に見つけることができるが、公式サポートがないため一般プレイヤーでは手を出しづらい。2015年7月にはPhil Spencer氏がXbox Oneゲームがマウス&キーボードでプレイ可能になると伝えていたが、続報は途絶えている状況だ(参考記事)。

特にFPSにおける一般論として、スティックを指で操作しエイムするゲームパッドよりも、手で微妙な強弱がつけやすいマウス&キーボードの方が、精密な操作が可能である。たとえば『Overwatch』の「トールビョーン」のタレットは、コンソール版におけるダメージがPC版よりも低く設定されている。また国内メディアGame Watchが掲載した『Shadowrun』大会のリポートでは、マウス&キーボード(Windows Vista版)とゲームパッド(Xbox 360版)でのクロスプラットフォーム対戦の模様が報じられており、Vista版チーム有利のまま6-2で決着がついている。

どちらを使った方がプレイヤーとして強いのかといった話ではなく、操作環境によって大きな有利不利がつく点が問題となる。Kaplan氏の提示したアイディアが通じるのか、あるいは別の落とし所があるのか、両社の今後の動きに期待したい。