『Overwatch』の自由過ぎるカスタムマッチが話題、ドッヂボールやこおり鬼など一風変わった遊び方も

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先日、チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)のパブリックテスト環境(以下、PTR=Public Test Region)に、カスタムゲーム用のサーバーブラウザが実装された。これまでは対戦メンバーをフレンドもしくはAIから指定できる以外に特別なカスタム要素はなかったが、新たな機能を使えばマップルールの細かな調整はもちろん、キャラクターごとに最大体力や移動速度といった各パラメータを変更することも可能だ。さっそくPTRには自由奔放なルールのカスタムマッチが続々と登場し、コミュニティをお祭り気分で賑わせている。中には通常の対戦そっちのけでドッヂボールやこおり鬼、果てはレースゲームに没頭するユーザーまで。ユニークな遊び方の数々は一見の価値ありだ。

 

争いを忘れて皆が童心へ帰る場所

『Overwatch』は、おもに6人ずつのチームに分かれて計12人でオンライン対戦が楽しめる一人称視点のMOBA系アクション・シューティング。Blizzard EntertainmentがWindows/PlayStation 4/Xbox One向けにリリースした十数年ぶりの完全新規タイトルである。多種多様な武器や装備、特殊能力を操るヒーローが特徴で、キャラクターによって得意分野や役割分担が大きく異なる。先日、PTRにカスタムゲーム用のサーバーブラウザが新たに追加され、マップおよびルール内容、キャラクターやスキルごとに細かな仕様が変更できるようになった。たとえば、キャラクターの最大体力・攻撃力・防御力・回復量・移動速度のほか、特定スキルの使用の可否や、クールダウン時間も自由に設定できる。

さっそくPTRでは、それぞれのチーム人数を非対称に設定したり、チーム別に使用できるキャラクターを固定したりと、サーバーブラウザを使って発想力に富んだカスタムゲームを作成するユーザーが続出している。中でも爽快なのが、移動速度を底上げした特定キャラクターのみで競う超絶ハイスピードバトルだ。さらに素早くした「ゲンジ」のみで戦うプロゲンジシミュレーターは速すぎて何が起こっているのか分からないし、高速で動き回る「マクリー」たちの撃ち合いは四六時中ハイヌーンである。さらにスキルのクールダウンをなくしたり、アルティメット・アビリティのチャージレートを最大まで引き上げたりすれば、お祭り状態は最高潮に盛り上がるだろう。

非対称のチーム構成で戦ういわゆるボスバトルも人気だ。タフなスペースゴリラを6人の「トレーサー」が追いかけ回すオーソドックスなルールをはじめ、動きを鈍くする代わりに体力を限界まで強化してダメージ値と回復量も底上げした「ロードホッグ」を、音速で飛ぶ「マーシー」たちがちまちま撃ち続けるというユーモアあふれる対戦から、果ては移動速度・攻撃スピード共に超高速にした「ソンブラ」扮するプレデターに、スキルを封じられた3人の「ソルジャー76」が挑むプレデターモードまで。アイデア尽きないユニークな遊び方が大いに盛り上がっている。ステルス迷彩で背景に溶け込みながら目にも留まらぬスピードでソルジャーを翻弄する「ソンブラ」は、まさに映画「プレデター」の戦闘シーンを彷彿とさせる。

このほかYouTubeチャンネルMr. Fruit Gamingでは、「ハナムラ」マップの建物内で「アナ」の「スリープ・ダーツ」を撃ち合うドッヂボールや、6人の「メイ」と「ロードホッグ」で行うハチャメチャなこおり鬼、マクリー強盗団とソルジャー保安官によるケイドロなど、ゲーマーたちが童のように遊ぶ様子を紹介している。もちろん既存のゲームルールから外れた遊び方なので、明確に勝敗が決することもなく飽きるまで続く。その中でも特に異彩を放っているのが、「シンメトラ」の「フォトン・バリア」に合わせて前進する「ザリア」同士が「パーティクル・キャノン」で突き刺し合うジョスト(中世ヨーロッパで盛んに行われた騎士同士の馬上槍試合のこと)だろう。もはや何がやりたいのか分からないが、とにかく微笑ましい。

昨年1月に『Counter-Strike: Global Offensive』のジャンプに人生をかける男たちの果てなき挑戦を紹介したことがある。ストレイフィング(横方向への移動を繰り返すこと)やロングジャンプ、バニーホップ(連続して跳びはねること)といった移動テクニックを駆使してマップ内を駆け回り、ゴール地点までのタイムを競い合うというFPS本来の趣旨とはかけ離れた競技だった。これと同様の遊びを『Overwatch』の「アイヒェンヴァルデ」や「ハナムラ」で実践しているプレイヤーがいる。それぞれ「ソルジャー76」と「ゲンジ」を使って建物の屋根から屋根へと飛び移りながらゴールを目指すというものだ。また、別のユーザーは「ルシオ」の「クロスフェード」と「アンプ・イット・アップ」でコースを疾走するレースゲームを作ってしまった。PTRのカスタムゲームは今、サーバーブラウザのユニークな使い方を競い合う愉快なお祭り会場と化しているようだ。

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