地下司令室から核発射命令を下せ。核戦争ストラテジー『DEFCON』がVRで観戦可能に


Introversion Softwareは2月15日、核戦争ストラテジー『DEFCON』をVRで観戦可能にする『DEFCON VR』をSteamにて無料公開した。本作はHTC ViveおよびOculus Riftに対応。対戦は不可で、あくまで観戦モードのみとなっている。なおゲーム本体を保有していなくても『DEFCON VR』をダウンロードすれば観戦可能である。

『DEFCON』は映画「ウォー・ゲーム」や「博士の異常な愛情」にインスパイアされ、2006年にリリースされたストラテジーゲームである。「DEFCON」とは米国の戦争準備態勢を5段階に分けた「Defense Readiness Condition」スケールの略で、「DEFCON 5」が平時、「DEFCON 1」が戦争準備態勢時を表している。

プレイヤーは北アメリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、ロシアの中から自国のテリトリーを選択。地下シェルターの司令室から戦闘機、艦隊、潜水艦ユニットなどに指示を出し、かつサイロや核発射施設を配置することで来たる核戦争に備える。戦況はリアルタイムで変わり、「DEFCON 5」は準備フェーズ、「DEFCON 3」からは戦闘開始、最終局面の「DEFCON 1」になると核使用許可が下りる。敵対国に及ぼした被害者数が最も多く(メガデス=死亡者100万人単位でポイント獲得)、かつ自国への被害を最小限に抑えたプレイヤーの勝利となる。

今回公開された『DEFCON VR』では地下シェルター内を歩きまわり、司令室の巨大モニターに映し出された世界地図、またはホログラム上の地球儀から戦況を見守ることができる。対戦プレイ中のマッチを観戦し、VR司令室から指示を出したり戦況を伝えるといった協力プレイが楽しめそうだ。

Introversion Softwareはこれまで『Prison Architect』『Darwinia』といったストラテジーおよびシミュレーション系のゲームを手がけてきたデベロッパーである。VRプロジェクトは今回が初となるが、VR酔い防止のため地下シェルター内を徒歩ではなくワープで移動させるなど、細かい配慮が見られる。実験的な側面も大きいため、現時点では観戦モードのみのプロトタイプであるが、プレイヤーからの反応次第ではVR対戦の実装も検討するとのことだ。


元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)