『マリオカート64』世界1位の男、スピードの壁を超え次は「木」に挑む。「ルイージサーキット」の“倒木”RTAで1分23秒記録


abney317、本名Beck Abney。氏はスピードラン(RTA)記録サイト「Speedrun.com」にて示されているように、『マリオカート64』世界最速1位の男である。ニンテンドー64実機における「オールカップ・ノースキップ」部門1位、「オールカップ・スキップ」部門1位。後者では全コースを25分49秒(ゲーム内時間18分41秒)で踏破してしまう。そんなスピードの向こう側へと行ってしまったAbney氏が、新たに「木」をすべて倒すという戯れのリアルタイムアタック「All Trees」に挑戦した。

挑戦したのは本作でもっともオーソドックスなコース「ルイージサーキット(Luigi Raceway)」の150cc。ルールはコース上のすべての木を倒してから3ラップを周回するというもので、ショートカットなどのスキップテクニックは利用してよい。映像では目にも止まらぬ早さで次々と木々を倒していくAbney氏のヨッシーが確認でき、結果はインゲーム時間で「1分23秒97」となった。

一見すると単純なお遊びに見えるかもしれないが、今回のタイムアタックではAbney氏のさまざまなテクニックを垣間見ることができる。スタート直後にコースを逆走すると、アイテムボックスを取得して“タイミング”でスーパースターを手に入れ即座に発動し、さらに別のボックスから予備用のスターを取得するという離れ業。そこから操作をミスすることなくフルスピードで12本の木を倒していく。続く後半の倒木は、一見すると手間取っているようにも見えるが、これらはすべて“直線状に並んでいない”ために精度の高い切り返しが必要である。すべての木を倒したあとは、氏の得意とする“赤甲羅高飛び”で大幅なショートカットに成功している(このテクニックは「オールカップ・スキップ」部門でも使用されている)。

なおAbney氏は「ルイージサーキット」に飽き足らず「ノコノコビーチ」でも「All Trees」チャレンジに挑戦しており、1分44秒61の記録を叩き出している。こちらは「ルイージサーキット」と比較して特殊なショートカットが存在しないため、通常走行時よりも遅めのタイムとなっているようだ。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。