『Overwatch』新キャラは女性型の多脚ロボである可能性、コードネーム「Anchora」というタンクの存在


今年1月、チーム対戦型FPS『Overwatch』(オーバーウォッチ)の新キャラクターに関するリーク情報が、海外の匿名掲示板に投稿された。近い将来に登場予定の新たなヒーローは、先日まで方々で噂されていた「Doomfist」ではなく、ナイジェリアの架空都市「Numbani」で開発された女性型の多脚ロボットであるという内容だ。当初は大きな話題にまで発展しなかったが、ここにきて公式サイトに同地域のロボット工学少女「Efi Oladele」を取り上げた架空のインタビュー記事が掲載されたことで事態は一変した。これに加えて、「ソンブラ」登場時のトレイラーからも新たなヒントが見つかったとして、フォーラムサイトを中心に噂が再燃している。

 

天才少女が開発した女性オムニックか

『Overwatch』は、おもに6人ずつのチームに分かれて計12人でオンライン対戦が楽しめる一人称視点のMOBA系アクション・シューティング。Blizzard EntertainmentがWindows/PlayStation 4/Xbox One向けにリリースした十数年ぶりの完全新規タイトルである。多種多様な武器や装備、特殊能力を操るヒーローが特徴で、キャラクターによって得意分野や役割分担が大きく異なる。先日、公式サイトに「Efi Oladele」という11歳の天才少女へスポットライトを当てた架空のインタビュー記事が掲載された。彼女は「Numbani」に住むロボット工学と人工知能の専門家で、Overwatch創設メンバーの一人「Gabrielle Adawe」が立ち上げた財団「Adawe Foundation」から助成金の取得に成功したという内容だった。

Redditに投下された4chanの書き込み

この設定がフォーラムサイトの深淵でくすぶっていたリーク情報に火を着けた。今年1月に英語圏の画像掲示板群「4chan」へ投下された真偽不明の情報と、複数の接点があったからだ。この投稿は主に、2月13日まで実施されていた旧正月イベント「Year of the Rooster」や新スキンの存在をリークする内容で、次回の短編アニメーションを示唆するイメージと共に「メイ」のバックグラウンドストーリーが事細かに語られていた。その際、情報提供者が同時に言及したのがコードネーム「Anchora」である。Redditに再投稿された当時の書き込みによると、次に登場する新キャラクターはかねてより噂の「Doomfist」ではなく、「Numbani」で開発された女性型の四脚オムニックであるというのだ。

“Anchora”という単語はラテン語でアンカー。心のよりどころや、一番後ろの存在を形容する錨という意味がある。そのコードネームが示すとおり、「Anchora」は「ラインハルト」のような頼りになるタンクキャラクターで、西アフリカ訛りのアクセントで会話するのだという。確かにタンクヒーローの追加に関しては、昨年9月に業界メディアPC Gamerが掲載したインタビュー記事で、アシスタントディレクターのAaron Keller氏が「ラインハルト」に匹敵するキャラクターの必要性に言及していたことがある。また、「Numbani」といえば調和の街を意味する地名のとおり、人間とオムニックたちが共存する数少ない場所。ロボット工学と人工知能の研究を生業とする少女「Efi Oladele」にとって聖地と言える。彼女が開発したオムニックこそがコードネーム「Anchora」である可能性は十分考えられる。ちなみに「Doomfist」は黒人男性であるともリークされていた。

「BlizzCon 2015」での一幕に多脚戦車
Image Credit: PVP Live

こうした噂が再燃した背景には、昨年11月に公開された「ソンブラ」のストーリー動画に秘められたヒントがある。e-Sports関連の情報を扱う海外サイトPVP Liveによると、動画内のワンシーン(1分19秒から1分25秒の部分)で「ソンブラ」が見つめる端末の先に、「Doomfist」を示唆するガントレットと「Numbani」のフラッグに挟まれて四脚のロボットがはっきりと映り込んでいる。また、2015年のBlizzConにて披露された早期のゲームプレイ映像にも、四足歩行の兵器が戦う様子が映し出されていたことが分かっている。なお、ゲーム内の架空メディア「Atlas News」にインタビューされた際、「Efi Oladele」は「新しい“OR15”のように人々の安全を守ってくれるものを開発したい」と、自身の夢について語っていた。“OR15”が何を指しているのかは定かではないが、平和のよりどころという意味では間違いなくコードネーム「Anchora」と一致する。これらの点を踏まえると、単なるリーク情報もいよいよ真実味を帯びてきたのかもしれない。