「Xboxインディーズゲーム」の後釜となるか、Windows 10/Xbox One向けに作品を販売できる「Xbox Live Creators Program」が発表


Microsoftは「GDC 2017」の開催にあわせて、「Xbox Live Creators Program」を正式発表した。これは開発者たちがセルフパブリッシングでWindows 10(Windows Store)/Xbox One向けにゲームを配信できるというプログラムだ。かつてXbox 360では、個人が制作したゲームを配信する「Xboxインディーズゲーム」というサービスが存在したが、同プログラムはこれに近い内容になるのではないかと予想される。

すでにMicrosoftはセルフパブリッシングプログラム「ID@Xbox」を2014年から展開しているが、「Xbox Live Creators Program」はその“軽量版”とでもいえる内容だ。前者がコンセプト段階からMicrosoftの承認を得るのが必要なのに対し、後者では短く簡略化された認証プロセスを通じることで、簡単にゲームをWindows 10/Xbox One向けに販売することができる。

一方で「ID@Xbox」と比較すると、「Xbox Live Creators Program」では一部機能や展開が限定されている。たとえば「Xbox Live Creators Program」のゲームはマルチプレイヤーおよび実績には対応できず、またストアにおけるゲームの表示位置は「ID@Xbox」のゲームの方がより“リッチ”になる。これらに不満を持った場合には、あらためて「ID@Xbox」へと申し込むことができるという。

「ID@Xbox」と「Xbox Live Creators Program」の比較

PC上ではすでにValve Corporationのゲーム配信プラットフォーム「Steam」という巨人が存在しており、さらにValveはSteamでゲームをリリースするプロセスをさらにオープンかつ簡略化することを決定している。なのでWindows Storeへとゲームを配信する魅力はいまのところ薄いと思われるが、Xbox One上で容易にゲームが配信できるようになるというのは、開発者たちにとって魅力的に映るだろう。

一方で大きな足かせとなる可能性があるのが、「Xbox Live Creators Program」ではどうも「UWPゲーム(UWP=ユニバーサルWindowsプラットフォーム)」しか配信できないという点だ(参考リンク: Xbox Wire)。現時点ではUWPゲームを開発するために使えるゲームエンジンは「Construct 2」「MonoGame」「Unity」「Xenko」に限定されており、ほかのゲームエンジンは追ってサポートする予定だと伝えられている(なおUWPの開発言語としては「C#」「C++」「Visual Basic」「XAML」「JavaScript」「HTML」「DirectX/Extensible Application Markup Language (XAML)」などが対応している )。

現在「Xbox Live Creators Program」はプレビュー版への申し込みを受付中。かつて異様でカオスな熱気を放っていた「Xboxインディーズゲーム」がふたたびXbox One上でも見られるのか、今後の展開に期待したい。