『リーグ・オブ・レジェンド』ガリオのリワーク詳細が発表。悲哀の番人から伝説の巨像へ

『リーグ・オブ・レジェンド(LoL)』を開発運営するRiot Gamesは3月7日、チャンピオン「ガリオ」のリワーク詳細を発表した。ガリオは2010年に実装されたチャンピオンで、かねてから繰り返してリワークが言及されていたが、ビジュアル・ゲームプレイ・ストーリーの全てが作り直されることとなった。

 

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新ガリオの能力

チャンピオン分類でのガリオのクラスは「タンク」、サブクラスは集団戦の中で敵をコントロールし味方を守る能力に長けた「ワーデン」となっている。旧ガリオは魔力(AP)攻撃が得意な面と、タウント能力というタンク面、味方の支援を行えるサポート面の3要素がイマイチ溶け合っておらず、ちぐはぐなスキルセットが長年問題視されていた。ゲームプレイを一新するにあたり、チャンピオンデザイナーたちはこのちぐはぐなスキルセットから「ガリオを構成する必須要素」を抽出し、最新のチャンピオン水準に達するまで構成を練り上げた。旧スキルと新スキルを比較しつつ、新たに生まれ変わったガリオを見ていこう。

旧スキルの記述については公式のチャンピオン紹介より、新スキルについてはリメイク公式告知より引用している。

旧パッシブ:ルーンの加護
自身の魔法防御合計の50%分の魔力を得る。

新パッシブ:巨像の一撃
次の通常攻撃が一定範囲に追加魔法ダメージを与える。これは増加攻撃力と増加魔法防御によって強化される。「巨像の一撃」のクールダウンはガリオのスキルが異なる敵チャンピオンに当たるたびに短縮される(クールダウン短縮はスキル毎に一度のみ)。

旧パッシブは防御能力を魔法ダメージに転化するものだった。新パッシブも攻撃力を増すものではあるが、敵の中に飛び込んだ後はスキルを使えば使うほど、与えるダメージが増すようになっている。集団戦におけるタンクの仕事とは、敵から無視されないほどの脅威となり、攻撃を受けても立ち続け、スキルで敵の動きを制限することだ。この仕事を確実に行うため、旧パッシブが純粋に強化されたといえる。

旧Q:懲罰の視線
指定地点に両目からエネルギーの塊を放つ。範囲内の敵ユニットに80/135/190/245/300 (+0.6AP) の魔法ダメージを与え、2.5秒間24/28/32/36/40%のスロウ効果を付与する。

新Q:戦の旋風
魔法ダメージを与える突風を二つ発射する。突風同士がぶつかった場所では追加ダメージを与えるつむじ風が発生し、対象の最大体力に応じた追加ダメージを与える。

旧Qはいわゆる直線的なポーク(遠方から低リスクな長射程攻撃を行うこと)手段としてのスキルだった。新Qは旧Eにあったつむじ風のイメージを吸収し、ガリオの両側から弧を描いて指定地点までダメージが発生する、ユニークなダメージ能力となった。スロウ効果は削除されたものの、突風がぶつかる地点では追加ダメージが発生する。また風の軌道から追加ダメージ発生地点が予測できるため、にらみ合いの時には面白い相互作用が発生するだろう。

旧W:忠義の防壁
指定した味方チャンピオンの物理防御と魔法防御を4秒間、30/45/60/75/90増加させる。
効果中の味方ユニットがダメージを受けるたびに、ガリオの体力が25/40/55/70/85(+0.3AP)回復する。連続してダメージを受けた場合、2回目以降は回復量が20%ずつ低下する。

新W:デュランドの守り
自動効果:しばらくの間ダメージを受けずにいると、魔法ダメージに対するシールドを獲得する。
発動効果 – (長押し):Wを長押しすると、防御スタンスに入ってダメージ軽減効果を獲得するが、移動速度が大きく低下する。この詠唱はたとえ行動妨害効果のあるスキルを受けても中断されることがない。
発動効果 – (離す):Wを離すと、周囲の敵チャンピオンにタウントを与える。防御スタンスに入っていた時間の長さによって、タウントの範囲と効果時間が増加する。

旧Wは味方チャンピオンの防御能力を高めるスキルだったが、こういった地味な能力値増強は効果がわかりづらいため、使った時の実感に乏しいことはサポートチャンピオン「ソナ」のリワーク時にも言及されたことだ。新しくなったWはかつてのRにあった範囲タウント効果を吸収しつつも、ガリオ自身のダメージ軽減能力を高める興味深いスキルに仕上がっている。スキルの解説のみだと発動効果の流れがわかりづらいかもしれないので説明すると、キーの長押しで溜めを行い(溜め中は移動速度は大きく低下)、長押ししたキーを離すとその地点で自身を中心とした範囲内の敵チャンピオンにタウントを与えるという効果だ。溜めのあるスキルは溜め始めたことが敵からも把握できるため、考えなしにこのスキルを敵の目の前でのんきに溜めていてはいけない。タウントの範囲と効果時間は溜め時間に比例するため、戦闘で結果を出すためには使い所や必要十分な溜め時間などを探っていく必要があるだろう。

旧E:正義の追い風
指定方向につむじ風を発生させ、命中した敵ユニットに60/105/150/195/240 (+0.5AP)の魔法ダメージを与える。つむじ風が通過した後には追い風が5秒間残り、その中を移動する味方ユニットの移動速度が30/35/40/45/50%増加する。

新E:正義の鉄拳
強烈なパンチをお見舞いするために後ろに下がる。その後、前方に突進して敵ユニットに魔法ダメージとノックアップを与える。突進中に敵チャンピオンか地形に当たると停止する。

旧Eは新Qに吸収されたため、新Eはまったく新しいスキルとなる。かつてのガリオに欠けていたダッシュ能力がついに登場だ。とはいえ既存のダッシュスキルとは少し異なる特殊なものになっている。ダッシュしたい方向を指定して発動させるのは、他チャンピオンの持つダッシュと変わらないが、実際のダッシュは少し後退した後となる。この後退部分はいわゆる「予備動作」であり、敵は事前にガリオを捕捉していれば、飛び込んでくることを察知できるというわけだ。またこのダッシュは敵チャンピオンに当たるとそこで停止するのだが、地形に当たっても止まってしまう。すなわちマップ上の壁や段差を乗り越えることができないのだ。これは地形の影からのギャンク(奇襲)ができないということだが、地形を利用した離脱に使えないということでもある。使用時は十分注意したい。

旧R:デュランドの偶像
2秒間石像の姿になって周囲にいる敵にタウント効果を付与し、受けるダメージの50%を軽減する。2秒後に力を解き放ち、周囲の敵に200/300/400(+0.6AP)の魔法ダメージに加えて、石像となっている間に受けた攻撃1回につき10%の追加ダメージを与える。ダメージの上限は360/540/720 (+1.08AP)(追加ダメージは最大80%まで)。

新R:英雄降臨
味方の現在地を着地点として指定し、その味方に「デュランドの守り」のダメージ軽減効果を数秒間付与する。その後、空中に高くジャンプして、「英雄降臨」の発動時に指定した味方がいた地点めがけて落下する。着地すると周囲のすべての敵ユニットに魔法ダメージとノックアップを与える。着地点の中心にいた敵ユニットはノックアップ効果時間が長くなる。

かつてのRは自身を中心とした範囲タウント能力であり、ガリオの象徴ともいえるスキルだった。その旧Rの範囲タウント能力は新Wに移り、新しいRもEと同様に完全新規スキルとなっている。「英雄降臨」……仰々しい名のこのスキルは、マップのほぼ全てを飛び越えて味方のもとに駆けつけることができる、広範囲の移動スキルだ。シェンのR「瞬身護法」とはよく似ているが、シェンが味方を守ることに特化した能力だとすれば、ガリオの新Rは味方を守りつつも敵を殲滅する取っ掛かりを作るための能力だ。レーニングフェーズでは頼もしいギャンク手段として。集団戦では味方のフォロー手段として。公式プレイ動画にもあったように、敵に突っ込んだヴァンガードやアサシンの味方を対象として発動し、先行した味方をフォローしつつも後続が安心して戦える状況を作ることができるだろう。ティーザーにあったように、複数の敵に追われている味方を助けたい状況でももちろん有効なはずだ。

こうして新ガリオのスキルを見ると、自然と必要なアイテムビルドも見えてくる。ガリオの攻撃力を支えるのは主に魔力だが、新パッシブの攻撃力を増すには魔法防御も必要だ。またスキルを多用したいタンクとしては、できればクールダウン短縮も搭載していきたい。物理防御力・クールダウン短縮・マナが増加する「アイスボーンガントレット」や、体力・魔法防御力・クールダウン短縮を増してくれる「スピリットビサージュ」、また以前からのコアアイテムであり前衛を担う魔法攻撃系チャンピオンの友ともいえる「アビサルセプター」などがコアアイテムとなっていくだろう。いわゆる「APタンキービルド」と呼ばれるアイテムビルドパターンが大いに参考になるはずだ。マルモティウスの胃袋やナイトエッジといったアイテムも、増やしてくれる能力値を見ると相性がいいと思われる。ただ、スキルとアイテムとの相性を見ると、短時間で大きな物理ダメージを与えてくる敵チャンピオンは苦手な部類に入るかもしれない。

ガリオのリワークはフルリワークのため、ストーリー面も完全に一新される。かつてのガリオは、魔法生命体「ゴーレム」として創造主に仕えていた。しかしある日、目の前で創造主たる主人を殺されたことに絶望した彼は、主人の亡きがらのもとで動くことない石像として長い時間を過ごす。そんな彼のもとをある時、ヨードルの少女が通りかかる──彼女の決意に満ちた目を見て、彼はデマーシアのために戦うことを決意する……といったストーリーで、「ヨードルの少女」ことポッピーとガリオとの心温まる交流はプレイヤーたちの間で人気があるエピソードだった。新しいガリオの設定は詳細不明だが、デマーシアを守護する巨像の伝説というようなものになるようだ。実装が近づけば、『LoL』の世界設定や物語が公開されているユニバースに新しいガリオの物語が掲載されるだろう。ポッピーとの関係は果たしてどうなってしまうのか、非常に気になるところである。ビジュアルもスキンを含め完全に一新されており、以前の「愛嬌のあるガーゴイル」から「超生命体を思わせるマッシブヒーロー」にガラリとイメージを変えている。いったいどのようなキャラクターになっているのか、実装までの情報公開が待ちきれない。

新たな姿と能力、物語を得てサモナーズリフトに羽ばたくガリオ。しかしガリオの後にも続々とアップデート計画が控えている。公式に発表されているチャンピオンアップデートスケジュールによると、ガリオのアップデートの後、5月ごろのパッチで実装が予告されているのは「タンクアップデート」で、タンクに分類されるチャンピオンたちと関連する防御系アイテムについて、大きな変更が行われる。タンクアップデートで目玉となる大規模リワークは「セジュアニ」「マオカイ」「ザック」の3体に施される予定だ。またその後には「アーゴット」のビジュアル&ゲームプレイアップデート(フルリワーク)、さらにその次には「イブリン」のビジュアル&ゲームプレイアップデートも控えている。今年末にはファイタークラスのサブクラスである「ダイバー」のアップデートを行うことも考えているという話もある。

3月6日のPBE更新ファイルに入っていた「アーゴット」リワークモデルとみられる3Dモデル。翌日のPBE更新で関連ファイルは削除された。情報および画像出典:S@20

アップデートや変更によってなくなるものを惜しむ向きもあるだろうが、変化せねば死んでしまうのがオンラインゲームだ。Riot Gamesのデザイナーたちはコミュニティへの情報公開や交流も盛んに行っており、常にさまざまな情報が公開されている。そうした交流に飛び込み、自分が思うことを伝えてみるのも『LoL』の面白さの一要素ではないだろうか。

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