『Dragon Age』シリーズ最新作の開発が進行中、脚本を手がけるゲストライターの発言から明らかに


『Fallen London』や『Sunless Sea』を手がけた脚本家Alexis Kennedy氏は、昨年9月からフリーランスとしてゲーム開発に加わっているBioWareにて、『Dragon Age』シリーズの次回作に着手していることを、業界メディアのインタビューに対して明らかにした。最新作の存在については、以前からエグゼクティブ・プロデューサーによるソーシャルメディアでの発言から示唆されていた。BioWareは公式のコメントを控えているが、今後もシリーズの続編を制作していくことは確かなようだ。

 

過去作品に登場していない地域が舞台か

Alexis Kennedy氏は、英国グリーンウィッチを拠点に活動するシナリオ作家。2009年にブラウザゲーム『Fallen London』を制作したことを皮切りに、ゲーム開発スタジオFailbetter Gamesを共同設立。2015年にリードライターを務めた『Sunless Sea』は多くのメディアから高い評価を得た。その後はフリーランスへ転身。昨年にはParadox Interactiveのストラテジーゲーム『Stellaris』で追加コンテンツの制作にも携わっている。同年9月、未発表のプロジェクトに参加するためBioWareと契約を結んだことを明らかにしていた。ちなみに同社と働くのは今回が初めてではない。2014年にもスピンオフ作品『Dragon Age: The Last Court』でクリエイティブ・ディレクターを務めたことがある。

業界メディアEurogamerによると、Kennedy氏は現在グリーンウィッチ在住のまま、カナダ・エドモントンの開発チームとビデオ通話で連絡を取りながら『Dragon Age』シリーズの新作に携わっているという。「いまBioWareで取り組んでいる仕事は、これまで私が手がけてきたものとは全然違います。ちょっと前から知られているだろうし、もうDragon Ageフランチャイズに関するものであると白状しても問題ないでしょう」。同氏がそう語るのには理由がある。実はKennedy氏がBioWareのプロジェクトに加わった同日、シリーズをとおしてエグゼクティブ・プロデューサーを務めてきたMark Darrah氏が、自身のTwitterアカウントで「Dragon Ageへようこそ!」という発言と共に、Kennedy氏の参加を祝福していたからだ。

新作の内容についてはほとんど語られていないが、Kennedy氏が担当しているのは過去のシリーズではあまり触れられてこなかった部分で、ある程度独立したゲームパートの物語を自由に描くことを認められているのだとか。なお次回作の存在に関して、パブリッシャーであるElectronic Artsの広報担当者は、「Kennedy氏と共に仕事ができることは光栄ですが、現時点で提供できるDragon Ageの新情報はありません」とコメントするに留まっている。正式なプロジェクトの発表はまだ少し先のことになりそうだ。

これまでBioWareは2009年の『Dragon Age: Origins』、2011年の『Dragon Age 2』、そして2014年のゲーム・オブ・ザ・イヤーに輝いた『Dragon Age: Inquisition』と、3つのシリーズ作品を世に送り出してきた。その成功の一方で、同じくフランチャイズを手がける『Mass Effect』シリーズは、今年3月にリリースした最新作『Mass Effect: Andromeda』の評価が伸び悩み、今月はじめには開発を担当したモントリオールスタジオの縮小が報じられたばかり(関連記事)。『Mass Effect』シリーズの開発はしばらく中断されるといった関係者の発言が伝えられていた。それだけにもう一つの看板タイトル『Dragon Age』にかかる期待は大きい。