Io-Interactiveがスクエニからの独立を正式発表。『Hitman』シリーズの権利を確保してふたたびインディーに


Io-InteractiveのCEO Hakan Abrak氏は6月16日、「The Future of IOI(Io-Interactiveの将来について)」と題した声明を公式サイトに投稿した。その中でAbrak氏は、親会社であったスクウェア・エニックスとの交渉の末、スタジオを買い戻して独立する結果に至ったことを報告した。さらに、『Hitman』シリーズに関するすべての権利を、現在同スタジオが保有していることも明らかにした。

Io-Interactiveは、デンマーク・コペンハーゲンに拠点を置くスタジオだ。代表作である『Hitman』シリーズのほかに、『Kane & Lynch』シリーズや『Freedom Fighters』『Mini Ninjas』などを手がけた。1998年にインディースタジオとして設立された同スタジオは『Hitman』を生み出し、のちにその販売を手がけていたEidos Interactiveの傘下に入る。そして2009年にスクウェア・エニックスがEidos Interactiveを買収したことで、同じく傘下にあったCrystal Dynamicsなどとともにスクウェア・エニックスの子会社となった。

しかし今年5月、スクウェア・エニックスはIo-Interactiveからの事業撤退を発表した。同社代表取締役社長の松田洋祐氏はその理由について、「欧米における競争環境等の観点から開発資源の集中が必要と判断した。当社グループの資金的・人的配分の見直しの結果、今回の撤退を決断した」と説明していた。その際スクウェア・エニックスは、同スタジオが『HITMAN』などの開発を継続できるよう外部投資家候補と交渉しているとしていたため、今回の再独立発表はその交渉がうまくまとまったということなのだろう(関連記事)。なおIo-Interactiveは先月、従業員のレイオフを予定していることを明らかにしていたが、計画どおりにおこなわれたのか、それとも投資によってスタジオの規模を維持できることになったのかは不明。

『Hitman』シリーズの主人公エージェント47

スクウェア・エニックスが事業撤退を発表して以来、Io-Interactiveにはファンや関係者から多くのメッセージが寄せられていたそうで、Abrak氏は投稿の中で感謝の言葉を述べている。またスクウェア・エニックスに対しても、この8年間で共に成し遂げたことについて誇りを感じているとし、素晴らしいファミリーの一員として過ごすことができたと振り返る。

ふたたびインディースタジオとなったIo-Interactiveは、スタジオを強化するため、また素晴らしいゲームをファンに届けていくため、コラボレーションやパートナーの申し入れに対してはオープンな姿勢を取っていくとしている。そして自らの手でコントロールできるようになった『Hitman』シリーズについては、現在発売中の最新作『HITMAN』を今後もサポートしていくとし、来週にはこれからの計画について発表するという。なお、同作は8月10日にPC/PlayStation 4/Xbox One向けに国内発売予定となっている。