『Rocket League』トーナメントが海外テレビ放送決定。NBC Sportsがe-Sports展開の狼煙を上げる


「NBC Sports Group」の発表により、米国のスポーツ専門チャンネル「NBCSN」にて、『Rocket League』のe-Sportsトーナメントがテレビ放送されることが分かった。同作の大会がテレビ放送されるのは今回が初。「NBC Sports」にとっては「ESPN」「TBS」に続くe-Sports展開の幕開けとなる。

「NBC Sports Group」は、『Rocket League』のデベロッパー「Psyonix」およびオンラインゲーミング・プラットフォーム「FACEIT」と提携し、「2対2」マッチのトーナメントを今夏に実施する。賞金総額は10万ドル。スケジュールとしては、7月22日より「FACEIT」上で出場権を獲得するためのオンライン・マッチが開始され、各リージョン毎のファイナルが「NBC Sports App」および各種ソーシャルメディア・プラットフォームにて配信される。そして大会のグランド・ファイナルが8月26日、8月27日の2日間にかけてテレビ放送されるという流れだ。グランド・ファイナルの様子は、米国内では「NBCSN」、米国外の一部エリアではNBC系列の「Syfy」で放送される。

海外テレビネットワークがe-Sportsの試合を放送すること自体は珍しいことではない。「ESPN」は『Dota 2』『Heroes of the Storm』『FIFA 17』、2016年7月には「ESPN2」にて『Street Fighter V』のEVOワールドチャンピオンシップ・ファイナルをライブ放送している。また「Turner Sports」と「IMG」のe-Sportsブランド「ELEAGUE」は、『Counter Strike: Global Offensive』『Street Fighter V』『Overwatch』のトーナメントを扱っており、各大会のグランドファイナルを中心に、試合の一部が米国「TBS(Turner Broadcasting System)」にて放送されてきた。今秋には『Injustice 2』ワールドチャンピオンシップの放送も決定している。

『Rocket League』は今年4月にプレイヤー人口が3000万人を突破した旨が発表されており、2015年7月のPC/PlayStation 4版リリース以降(Xbox One版は2016年2月リリース)、根強い人気を誇っている。ゲーミング・コミュニティ内での知名度は十分に高い。また他社チャンネルで扱われているMOBAやFPSタイトルは、試合のルール・各キャラクターのスキルセットなど、試合を楽しむ上で理解しなければいけない項目が多く、普段ゲームをプレイしない層にとってはハードルが高いのに対し、『Rocket League』のルールは、ボールを相手のゴールに入れるという単純明快なものだ。「NBC Sports」のターゲット層であろうスポーツ視聴者に向けた「e-Sports導入タイトル」として最適と思える。暴力が少なくファミリー層でも安心してチャンネルを合わせられることや、テレビをザッピングしながら眺めていても状況を把握できるという点でも、テレビ向けと言える。

また「NBC Sports」ではすでにNASCAR・F1を筆頭にモータースポーツをカバーしており、近年ではプレミアリーグ、また一時期はMLSの試合放送も扱っている。そうしたコンテンツを好むスポーツファンの興味を惹き、市場開拓につながることを期待したい。