『Beyond Good & Evil 2』デモ映像公開。新エンジンにより実現したシームレスな星系システムを披露

 

Ubisoftは6月22日、「E3 2017」にて発表された3Dアクション・アドベンチャー『Beyond Good & Evil 2』のデモ映像を公開した。6月14日に更新されたブログでも一部語られていた内容となっており、「Voyager」と呼ばれる内製の新エンジンにより実現したシームレスな星系システムのデモンストレーションを中心に、開発初期段階である本作の野心的なアイデアが紹介されている。

本作は2003年に発売され、海外にてカルト的人気を誇る『Beyond Good & Evil』シリーズの新作であり、1作目の主人公「Jade」生誕前の物語が描かれる。舞台となるのは、超大国化した未来の中国とインドにより、人間と動物のハイブリッド種が奴隷として大量生産された銀河系「System 3」。プレイヤーは下層社会で暮らす人間またはハイブリッドとしてスタートし、仲間を増やしながら人種・種族の垣根を越えた宇宙海賊団をつくりあげる。

今回公開された映像は、本作のクリエイティブ・ディレクターMichel Ancel氏がイン・エンジンのデモを操作しながら解説を加えていくもの。新エンジン「Voyager」の力により、惑星上の街から大気圏外までロードを挟まずシームレスに移動する様子が披露されている。星系は開発陣のハンドメイドと自動生成のミクスチャーになるとのこと。デモ映像では400メートル級の大型宇宙船、20メートル規模の小型宇宙船、そしてジェットパックを背負った操作キャラクターが登場。小型宇宙船での旋回、急加速、ドリフト操作を紹介しつつ、多彩なランドマーク・バイオームに覆われた惑星の広大な規模感がアピールされている。なお映像内では、先日公開されたCGIトレイラーに登場した人間と猿のハイブリッド「Knox」が操作されているが、実際の操作キャラクターは、キャラクター・クリエイション機能によりプレイヤーが作成するとのことだ。

宇宙に飛び出しマクロの視点で世界を観察してみると、各惑星およびその周りの衛星は規則的な軌道を描きながら公転し続けていることがわかる。また自転・公転する惑星と太陽との関係により自然と昼夜サイクルが生まれる。隕石と衝突することもあり、その場合はリアルタイムで地形が変化していく。すると銀河系内の大手企業が希少性の高いマテリアルを採取するため落下地点に奴隷ワーカーを派遣するといった具合に「System 3」に住むNPCたちも動き続ける。星系、惑星、人。どの単位で見ても生きた世界の構築が目論まれているのだ。本作はシングルプレイだけでなくオンライン協力プレイにも対応しており、NPCだけでなく他プレイヤーとの交流もゲームの一部となる。

これだけ壮大なスケールの作品を生み出すには、アイデアを実現させるためのゲームエンジンが不可欠。本作のプロジェクトが難航していたのは、Michel Ancel氏のプランを実行するための技術力が不足していたからである。3年がかりで開発した「Voyager」エンジンが出来上がった今、ようやくプロジェクトを本格始動させることができたわけだ。『Beyond Good & Evil 2』の情報は公式ブログ「Space Monkey Program」を中心に発信され、コミュニティからのフィードバックを吸収しながら開発が進められていく。