「G2A」でゲームキー販売者の名前と住所が確認可能に、より市場の透明性を高めるため


いわゆる鍵屋の代表格として知られる「G2A」にて、7月1日からゲームキー販売者の名前や住所を確認できるシステムが導入されることが明らかとなった。「G2A」のマーケットの透明性をより高めるために導入されるもので、あわせて製品価格がVAT(付加価値税)込みで表示されるようになる。このほかにも、以前は購入する際にユーザー自身で選択することができた「地域」が、今後は位置情報を特定して自動的に判別する仕様へと変更される。

なおG2Aの販売者の身元確認は以前から行われており、今回のアップデートによってユーザーはその情報の一部を知ることができるようになる。とはいえ、購入者にとってはその身元確認自体が正しく行われているのかが重要な点だろう。PC Gamerの取材を受けたG2Aの代表者は、身元確認には残高証明書などの資料が必要だとは説明したが、悪意ある販売者が利用する可能性があるとして詳細な手順は明らかにしていない。なお今年2月には、Redditにて容易に販売者としてG2Aに承認されたと証明するユーザーが登場し、証拠のスクリーンショットをアップロードしていた(参考記事)。

「G2A」のようなゲームキーのマーケットプレイスにはいくつかの問題があり、1つは盗難クレジットカード経由のキー販売事件のような、“誰がどこでどうやって手に入れたキーなのか”を購入者が確認できないという点だ。前述した犯罪行為により売買されたキーのみでなく、入手したゲームキーの再販売を禁止する大手中小のパブリッシャーや販売プラットフォームは少なくなく、購入者はそういったキーを知らない内に入手してしまう可能性がある。今回の販売者の名前や住所などを公開するという施策には、その問題を購入者が回避できるようにする意図があるのだろう。

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昨年より「G2A Direct」などを実施し業界内での不評を払拭しようとしている「G2A」だが、現在でも汚名は払拭できていない。今年4月にはGearbox Publishingと協力して『Bulletstorm: Full Clip Edition』の特別版を販売しようとしたものの、後にG2Aと協力したGearboxへと批判が相次ぎ、契約は打ち切られることとなった。また先日には、『Slime Rancher』の開発者がG2Aからのバンドル販売に関する話を断り、「開発者と消費者にとってあまりにも恥ずべき企業だ」と返信したことでも話題となった。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。