『Last Day of June』日本語対応有で8月31日発売。亡くなった恋人を救うべく過去を再体験する3Dアドベンチャー

 

505 Gamesは6月30日、3Dアドベンチャー『Last Day of June』を8月31日にリリースする旨を発表し、同時に以下のトレイラー映像を公開した。対象プラットフォームはPC(Steam)および海外PlayStation 4。販売価格は19.99ドルとなる。開発を担当しているのはイタリア・ミラノのインディーデベロッパーOvosonico。過去にはPlayStation Vitaで発売された『Murasaki Baby』を手がけたスタジオであり、ディレクターのMassimo Guarini氏はグラスホッパー・マニファクチュアの『Shadows of the Damned』にてディレクションを務めたことでも知られている。

『Last Day of June』は、小さな村に暮らすカップル、恥ずかしがり屋のカール(Carl)と、明るい恋人ジューン(June)に起きた悲劇からはじまる愛と喪失の物語。交通事故によりジューンが亡くなり、同乗していたカールも車椅子生活を余儀なくされる。ジューンのことを忘れられないカールは、彼女と過ごした最後の1日にとらわれたまま、立ち直れずにいる。そんなある日、カールは彼女が残した絵画の力により、事故が起きるまでの数時間を、事故に関わった複数の人物の視点を通じて追体験しはじめる。はたし彼は運命に抗い、愛する者を救うことができるのだろうか。

本作は、ミュージシャンのSteven Wilson氏(プログレ・ロックバンドPorcupine Treeや、OpethのMikael Åkerfeldt氏と組んだStorm Corrosionなどで活動)のシングル活動時の曲「Drive Home」および同作のミュージックビデオから着想を得て、その物語を膨らませる形でスタートさせたプロジェクトである。交通事故による喪失と、そこから生じる悲嘆、苦痛。そしてその先へと向かっていくメランコリックかつパワフルな一曲だ。

プロジェクトにはミュージックビデオのディレクターJess Cope氏が参加しており、本作のキャラクターデザインもビデオに登場する人物を土台としている。Cope氏はティム・バートン監督作品「フランケンウィニー」のアニメーターだったこともあり、目や表情のないキャラクターからは、ティム・バートン作品のような陽気ながらも、どこか不気味な印象を受けるかもしれない。色彩に関していえば印象派の水彩画のようでもあり、キャラクターモデルと背景とのコントラストは弱め。ダイアログどころか表情にも頼らないストーリーテリングに挑戦しているため、色づかいでどのように感情を表現するのか、という点にも注目したい。

なおSteven Wilson氏は当初、「Drive Home」を下敷きとしたゲーム化プロジェクトに懐疑的であったが、プロトタイプをプレイしてもらうことで、ゲームというメディアに置き換えても、曲に込められたフィーリングを再現することは可能であると説得できたという。また、Wilson氏のように普段ゲームに触れない人でも楽しめるよう、ゲームの操作は簡単で、ゲームメカニックについても作中ゆっくりと紹介していくという。

タイトルにちなんで6月最終日に発売日を発表した『Last Day of June』。リリース日は8月31日で、先述のとおり作中にダイアログはなく、日本語インターフェース・字幕にも対応するため言語の壁は心配しなくてよい。気になる方はSteamストアページよりウィッシュリストに登録しておこう。Steven Wilson氏の作品も、ぜひご試聴あれ。