『フォーオナー』公式大会決勝はバグ技多用の野武士使いがストレート勝ち。コミュニティからは嘆きの声

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UbisoftとESLが主催する『For Honor(フォーオナー)』の公式大会「For Honor Hero Series」
の決勝トーナメントが8月12日に開催された。対応プラットフォームごとに1対1のデュエルにて勝者を決めるもので、賞金総額は1万ドル。PlayStation 4大会の勝者はセンチュリオン使いのRavelord氏、Xbox One大会の勝者は大蛇使いのSeraph of Hope氏であった。PC大会で優勝した野武士使いのSB. Alernakin氏は、決勝トーナメントにて1度もマッチを落とすことなくストレート勝ちした。

※PC大会決勝は10時間54分00秒から

PC大会勝者のSB. Alernakin氏は、2対2、4対4ゲームモードにおける野武士最強説を唱えていた人物(Reddit)。今回の大会では、野武士は1対1のデュエルでも十分に戦えるヒーローであることを証明してみせた。なおSB. Alernakin氏のプレイスタイルは、大会の解説者から「アンロック・野武士」と呼ばれていたように、「Unlock Tech」というエクスプロイトを多用するもの。攻撃モーション中に相手からロックオンを外すことで、開発陣が意図していないメリットを得られるバグ技だ。パリィ不可、アニメーションの速度アップ、あたり判定の範囲拡大といった効果を得られることから、守勢有利な本作においては有効なカウンター技として使われている。

野武士の場合は、通常よりも攻撃速度が速くなる範囲攻撃のアンロックが強力。また「蛇の一撃」「螺旋の構え」発動中にタイミングよくロックオンを外すことで、パリィ不可能な技に変化させることも可能だ。決勝戦の対戦相手Bandanaa氏が使用したのは、驚異的なコンボ技を武器とするセンチュリオン。体力の低いヒーローであり、野武士の範囲攻撃と出血ダメージの合わせ技により大ダメージを受けるため、もともと相性が悪い。その上でパリィを封じられたことで生命線であるコンボに繋げることができず、終始苦戦していた。「Unlock Tech」により相手の攻撃の手を止めたSB. Alernakin氏の作戦勝ちともいえる。

SB. Alernakin氏は決勝戦後、「ここまで簡単だとは思わなかったよ」「大会までの2週間練習していなかった」とコメント。かなり余裕があったようだ。トロフィー贈呈のため登場したクリエイティブ・ディレクターのRoman Campos-Oriola氏は「よくやった、もうじきプレイスタイルを変える必要があるかもしれないけれど、よくやった」と祝辞を述べ、意図を理解したSB. Alernakin氏は「いやいやいや、絶対に修正しないでくださいよ」と大きな笑みを浮かべながら返答していた。Oriola氏の言葉どおり、シーズン3開幕アップデートでは野武士の「Unlock Tech」のうちいくつかが修正されることになる。

「Unlock Tech」の多用だけでなく、本大会ではレイダーによるスタンピードチャージ祭りが目立ったこと、マップ関連のバグにより勝敗が決まるケースが見られたことなど、作品のプロモーションとして開催されたはずが、バグやバランスの問題といった負の部分が浮き出てしまう結果となった。Redditのスレッドでも、コミュニティからの嘆きの声が集まっている。

ただ上述のシーズン3開幕アップデートでは、各種ヒーローの「Unlock Tech」に修正が入るほか、レイダーのスタンピードチャージが下方修正されるなど、問題が放置されているわけではなく、少しずつではあるが前進していることがわかる。今後は守り一辺倒のメタゲームにもメスが入るということで、大会の傾向も変わっていくことだろう。SB. Alernakin氏の快進撃は「Unlock Tech」を封じられたあとも続くのか、実力が本物であると証明できるのか、注目したい。

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