『PUBG』は『CS:GO』『H1Z1』のコア・プレイヤー層を惹きつけている。SteamSpy管理人による人口分析


Steam APIをもとにデータを収集・公開するデータベースサイトSteamSpyの管理人Sergey Galyonkin氏が、先日Steamの同時接続ユーザ数1位を記録した(関連記事)『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)のプレイヤー人口に関するデータをツイッター上で公表した。Galyonkin氏が集めたデータによると、『PUBG』所有者の55%が『Counter-Strike: Global Offensive』(以下、CS:GO)を所有しており、かつてその人口による『CS:GO』のプレイ時間は平均的な『CS:GO』ユーザよりも50%多かったが、現在は平均ユーザよりも30%少ないそうだ。

『PUBG』は『CS:GO』だけでなく『H1Z1: King of the Kill』(以下、H1Z1)のコアなユーザ層を奪うことに成功しているほか、人気Co-opシューター『Payday 2』『Left 4 Dead 2』所有者のうち、各作品への関心が薄い層からもユーザを引っ張ってきているとのこと。『PUBG』と同ジャンルの『H1Z1』に限らず、シューターという大きな括りの中で、幅広いタイトルのユーザから関心を集めていることが窺える。

以上がGalyonkin氏による調査結果である。さらに深掘って、『PUBG』ユーザ数の国別分布にまで目を向けると、首位は中国の22.9%、2位は米国の19.3%となっている。『H1Z1』に至っては中国圏のユーザが全体の46.81%を占めており(いずれもSteamSpy調べ)、『PUBG』の登場以前から中国では熱を帯びていたジャンルであることがわかる。両作品のゲーム内ロビーで一度は耳にしたことがあるであろう「China No.1!」という雄叫びはあながち間違いではないのだ。

そしてその中国ユーザに支えられてきた『H1Z1』が、ここ1週間で急速に数字を落としている。これまで毎日のように同時接続ユーザ数10万人を超えてきた同作であるが、8月23日に最後の10万人越えを記録してから人口が減少傾向にあり、8月28日にはピーク時でも7万5000人と、8月半ばまでピーク時ではなく平均値として取れていた数字にまで下がっている。8月23日といえば、『PUBG』のオフライントーナメント「Gamescom PUBG Invitational 2017」が開幕した日。同イベントを機に、中国を中心とした『H1Z1』ユーザによる『PUBG』への移行が促進されたのかもしれない。

ただ『H1Z1』は8月に入ってから、武器の大幅なバランス調整、デュオおよび5人チームモードの追加がテストサーバ上でなされている。現在はこうした大きなアップデートの本番反映待ちの期間に入っているということも、人口減の要因として考慮が必要だろう。

いまやシュータージャンルの代表格として、Steamにおける不動のユーザ数トップ『Dota 2』の数字に迫る『PUBG』。『Dota 2』の同時接続ユーザ数は、ここ半年間ピーク時でも100万人を超えておらず、8月28日に初めて『PUBG』に抜かれてからも、僅差の状態が続いている(8月29日にも再び『PUBG』が1位を記録している)。このまま順位が激しく入れ替わる傾向が続くのか、発売以降右肩上がりの『PUBG』が『Dota 2』を引き離していくのか。今後の動向に注目していきたい。