ゲームをあえて昔風にアレンジする「デメイク」がにわかに人気。『塊魂』と『ねこあつめ』がコマンドアドベンチャーに

古いビデオゲームを現代の技術で再構築することを「リメイク」と表現するが、実はその逆の表現が存在していることをご存知だろうか。人気ビデオゲームをあえて前世代的にアレンジすること「デメイク」と表現する。爆発的に人気を誇るというわけではないが、デメイクに異様な情熱を燃やすクリエイターは一定数存在する。その一幕をVentureBeatが伝えている。

ふるくは『Portal』をデメイクする「Portal: The Flash Version」や『Mirror’s Edge』をデメイクする「Mirror’s Edge 2D」が制作され、一部のデメイクマニアを喜ばせた。年々デメイクは3Dゲームをただ2Dにするだけでなく、さまざまな方向に洗練されていく。

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デメイク作品のなかではそれなりの知名度をほこる「Mirror’s Edge 2D」

『Hitman』を極限までミニマルにデメイクした「Hitman: Block Story」や『Rocket League』をゲームボーイ風にする「Soccer Cars」、『モンスターハンター』を同じくゲームボーイ風にデメイクする「Monster Hunter Pocket」、そしてピクセルアートで“アサシン”の活劇を描く「Assasseed’s Crin」。もし人気タイトルが前世代(もしくはもっと前の世代)のビジュアルでリリースされたらどうなっていたか、というファンの妄想を叶える創作ゲームが手軽に遊べる時代にきている。

「Monster Hunter Pocket」を遊んでみると、絵を作った時点で力尽きたことが生々しく伝わってくる。

3Dゲームを2D風にデメイクするだけでなく、2D表現を採用しているゲームタイトルをさらに古い2D表現にアレンジするタイトルが存在するのも興味深い。アレンジされたピクセルアートもまたかわいらしい『洞窟物語』のデメイク「Doukutsu Demake」、オンラインにも対応するミニマル『ボンバーマン』こと「Bomb’n Picoman」など幅広い。ともにPICO-8によって開発されている。

「Doukutsu Demake」はかなり忠実なデメイクであるといえる。

そしてデメイクはさらに前衛化を見せる。というのも、『塊魂』をコマンドアドベンチャーゲーム化してしまうユーザーも存在するのだ。Noah Swartz氏が作成する「Katamari Adventure」には、色鮮やかな塊も、塊に物をくっつけるアニメーションも確認できない。Pythonで開発されたこの作品で見当たるのは文字のみ。ゲーム開始直後にカラフルで盛大なアスキーアートに祝福された後は、制限時間内に“文字”で塊を大きくしていく奇妙な作業が強いられるのだ。プレイヤーができるのは「Look」と「Roll」というふたつのコマンド入力のみ。「Look」を選択しどの面を見るかを選ぶことで、選択した面に何のオブジェクトがついているのかを見ることができる。「Roll」をすることで塊を大きくすることができる。レインボーに突入する前には、デカデカとレインボー突入直前であることが告知される。転がしている感覚はなにひとつないものの、プレイヤーは確かに塊を大きくしているのだ。

ちなみにSwartz氏は人気スマホアプリ『ねこあつめ』もまたコマンドアドベンチャーゲームにしている。文字表現のみで猫がいるかどうかを確認し、コマンド入力によって猫を集めいくゲームプレイは、「Katamari Adventure」にも負けない前衛性を誇る。ただただ煩わしいこの「Neko Atsume」を遊んでいると、数回のタップと時間経過で簡単に猫を呼び寄せてしまうオリジナルゲームへのアンチテーゼではないかとすら勘ぐってしまう。実際に、Swartz氏は「Neko Atsume」を作ったきっかけのひとつに「楽しいことが嫌いだから」という思想があったことをVentureBeatに明かしている。いずれにせよ、これらの作品はデメイクのひとつの完成形と表現できる境地に至るといえる。

正気ではないゲームデザインとなっている「Neko Atsume」

紹介したデメイク作品の多くは、現在itch.ioに保管されている。IPを使ったどストライクなグレータイトルも多いが、オリジナルタイトルを文字った名前をつけている愉快な作品も多い。ゲームビジュアルの進化に伴い、こうしたデメイクもより多様化していくだろう。最新ゲームに飽和したり、少しノスタルジーな気分に浸りたい時は、デメイクタイトルの一覧を眺めてみるといいかもしれない。

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