ドリームキャストの歴史を振り返るセガ公認の「SEGA Dreamcast: Collected Works」が制作中。未公開資料や関係者インタビューなどを収録


ビデオゲーム関連の書籍を出版するRead-Only MemoryのDarren Wall氏が、セガのコンソール機ドリームキャストの歴史を振り返る「SEGA Dreamcast: Collected Works」の制作資金を募るKickstarterキャンペーンを実施中だ。セガの公認・協力のもと、貴重な資料やインタビューなどが収録されるという。

ドリームキャストは1998年に発売され、2001年に生産が終了。同機をもってセガはコンソールビジネスからも撤退した。短命に終わったプラットフォームではあったが、セガが開発したものを中心に数多くの人気作が生まれ、中にはいまもシリーズが続いていたり、現行機への移植がおこなわれている作品もある。

ドリームキャストの掲載イメージ。Read-Only Memoryはイギリスに拠点を置いているため、うずまきロゴは欧州仕様の青色となる

SEGA Dreamcast: Collected Worksには、ドリームキャストの本体やコントローラーの詳細な図面やコンセプトデザインのスケッチなど、セガから提供を受けた貴重な開発資料が収録され、中には初公開となるものもあるとのこと。そのほか、『シェンムー』や『ソニックアドベンチャー』『クレイジータクシー』『ジェットセットラジオ』『スペースチャンネル5』『セガガガ』など、ドリームキャストを代表する30タイトル以上のスクリーンショットも豊富に掲載される予定だ。

また、New Yorker誌などに寄稿しているジャーナリストSimon Parkin氏による、当時を振り返るセガ関係者へのインタビューも収録される。現時点で決定しているのは『ファンタシースターオンライン』などで知られる中裕司氏や、『Rez』の水口哲也氏、『ジェットセットラジオ』の菊池正義氏や川越隆幸氏、長沼秀樹氏、『クレイジータクシー』の菅野顕二氏、『シェンムー』の岡安啓司氏、『ソニックアドベンチャー』の片野徹氏、Sega of America元COOのBernie Stolar氏とPeter Moore氏の10名で、このほかにもドリームキャストの歴史を語るうえで欠かせない人物が順次追加されていくとのこと。

SEGA Dreamcast: Collected Works – Special Edition

SEGA Dreamcast: Collected Worksは、良質な紙を使用する190 x 240mmサイズのハードカバー本で、300ページほどのボリュームになる予定だ。35英ポンド(約5300円)以上の出資で1冊入手でき、シェンムーのロゴ入りしおりが付属する。また、150英ポンド(約2万2600円)以上出資すると「Special Edition」としてシリアルナンバー入りのスリーブケースが同梱される。スリーブケースのデザインは『ジェットセットラジオ』『シェンムー』『ファンタシースターオンライン』の3種類から選択できる。発送時期は2018年11月の予定だ。

左がSEGA Mega Drive/Genesis: Collected Works。今回も同じサイズで制作され、表紙は対になるデザインとなっている

Read-Only Memoryは、これまでにさまざまなゲーム関連の書籍を出版しており、2014年には今回と同様のコンセプトでメガドライブをテーマにした「SEGA Mega Drive/Genesis: Collected Works」のKickstarterキャンペーンを実施、のち出版している(現在はRead-Only Memory公式サイトで入手可能)。今回のKickstarterキャンペーンは、初期目標金額の6万8000英ポンド(約1000万円)は早々に突破しており、ドリームキャスト人気はもとより、同社の過去の仕事ぶりも評価されているようだ。収録インタビューなどは英語のみとなるが、これまで公開されたことのなかった貴重な資料も掲載されるそうなので、興味のあるセガファンの方はキャンペーンページをチェックしてみてはいかがだろうか。