オープンワールドサバイバル『Die Young』の開発者、海賊版に対抗するためにDRMフリー版を無料配布

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Indie Galaは、同社のストアにて『Die Young』のDRMフリー版の無料配布を開始した。配布は、2017年12月31日まで続けられる予定であるという。『Die Young』は、同Indie Galaのゲーム事業部が開発および発売するサバイバルホラーゲームだ。現在Steamにて早期アクセス販売されている。裕福な家庭に生まれた女性がリゾート旅行のために島を訪問し、そこで謎の男に誘拐されるところから物語が始まる。プレイヤーはこの女性となり、自身の命を付け狙う屈強な男が徘徊する島から逃げるべくサバイバルする。詳細は以前の弊誌の記事を参考にしてほしい。

開発者は『Die Young』の早期アクセス版の売り上げが1万本を突破したことを喜び、開発が順調に進んでいることをうかがわせながらも、いくつかのサイトで同作の海賊版が出回っていることを報告している。開発者は、こうした海賊版が出回っているのはゲームに注目度がある証拠であると多少好意的には受け取りつつも、一方ではこうした海賊版の存在は『Die Young』のビジネスの邪魔をしており、早期アクセスにとって重要なフィードバックの機会を失わせ、海賊版への対策によってプレイヤーにサイバーセキュリティのリスクを背負わせる懸念があるなど、多岐にわたる弊害が生まれるとも述べる。そこで、お金のないプレイヤーや自分のPCで動作するかを確認したいプレイヤーのために、安全なDRMフリー版を配布したというのが今回の経緯となる。

先月8月にも、不正なSteamキーの利用に失望を感じたインディー開発者が、ゲームをTorrentに放流するという騒動があり、今回の事件もやや似たケースであるといえる。ただIndie Galaが無料配布するDRMフリー版は、今後アップデートがおこなわれることがない。Steamで販売されている早期アクセス版が進化しても、バージョンは0.4.37.18のまま。いわば無料ベータ版のようなものなので、ある程度のリスクを考慮しての無料配布であることがわかる。とはいえ現在のバージョンでも、主人公の若き女性Daphneに付随する物語を最後まで見届けることができるので、今回の無料配布は単なる無料ベータ以上の価値を持つだろう。

ゲーム開発者は、それぞれの手段で不正入手と戦い続けており、時に身を削ってでも守るべきもののために大きな決断をくだすこともあるのかもしれない。今回の無料配布によって、同作の海賊版を“見かける機会”が減ることを祈りたい。DRMフリー版のセーブデータはSteamの早期アクセス版と互換性があるとのことなので、今回の配布を機会にフリー版を遊んでみて、その後早期アクセス版を購入するというのも、開発者をサポートする手段のひとつになるだろう。

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