『Cuphead』をプレイしあまりのヘタクソさから世界中から批判を浴びたゲームライター、リベンジ動画を投稿し雪辱を果たす


VentureBeatを中心に活動するITジャーナリストDean Takahashi氏が、新たな『Cuphead』のプレイ映像を投稿した。Takahashi氏は先月24日にGamescom 2017で収録された『Cuphead』のプレイ動画を投稿し、そのあまりのヘタクソっぷりから世界中で批判を受けていた(参考記事)。前回はチュートリアルの通過にも3分を要し、26分をかけてプレイしステージをクリアできなかったTakahashi氏であるが、今回は慎重かつ迅速なプレイを見せ、2分半で華麗にステージを突破。その圧倒的成長を見せつけている。

ゲームプレイがヘタクソで批判を受けたというと、なんともおかしな話であるが、Takahashi氏への批判は熾烈だった。『Cuphead』は難しいという前評判があったものの、SNSでは「ゲームジャーナリストの面汚し」という攻撃を受けるのはもっぱら、「これまでのキャリアはニセモノだった」「存在してはいけない」とまで言われる始末。人格や存在を否定するものや、人種差別ともいえる過激な書き込みは少なくなかった。

Takahashi氏はこの件について騒動直後にVentureBeatにて釈明をおこなっている。当初はまごついたプレイを面白いと思い投稿したものの、人々の期待を裏切るプレイであったこと、そしてチュートリアルの指示すら読めていなかったことを恥じ、自分自身を責めたと告白。一部のユーザーではなく大半のユーザーが氏のプレイ動画を嫌っていたことをのちに認識したと語り、あらためて自分のプレイで怒りや不快を抱いたユーザーへ謝罪している。一方で氏は、十分にゲームをプレイする時間は確保できておらず、自分は“ヘタクソである”と認識しているものの、難しいゲームもコンスタントに遊んでおり、そしてその腕を理由にキャリアまで否定する意見は受け入れられないという旨の反論をおこなっている。また2分半の動画をTwitter上で貼り付けて批判を誘導した同業のゲームジャーナリストに対しても不快感を示していた。

そしてTakahashi氏は厳しい批判に耐えながら記事の執筆を続け、最終的には9月29日の『Cuphead』の発売日に、ステージをクリアする動画を投稿したわけだ。前回はグッドの4倍以上のバッドがついていた評価欄は今回、グッドがバッドを上回っている。やり遂げたことを称賛するコメントが寄せられており、罵詈雑言で埋め尽くされていたリプライ欄は、労りの声援が増えつつある。

「ゲームライターはゲームがうまくあるべきか?」という疑問への回答については、うまくなくてもいいが、ヘタクソすぎて取材内容が伝わらないのは問題であるという感想を抱いた方は多いのではないか。ゲームライターという点でも報道という点でも、Takahashi氏のプレイには失望が生まれたわけだ。しかし今回Takahashi氏はたとえヘタクソであっても、特訓をして上達することでステージを突破できることを証明している。今回の挽回劇は、自身のゲームプレイの腕への危機感を抱いた同業者にも、『Cuphead』の難易度を懸念するユーザーにも、勇気を与える結果となっただろう。