精神疾患を抱えた女性を描くADV『Hellblade: Senua’s Sacrifice』、10月10日分の利益を精神病患者の支援団体に全額寄付

 

Ninja Theoryは、「世界メンタルヘルスデー」として認定されている10月10日当日分の『Hellblade: Senua’s Sacrifice』の利益を、精神障害を抱える患者を支援する慈善団体Rethink Mental Illnessに寄付すると発表した。PC版とPlayStation 4版の全世界での売り上げが対象で、プラットフォームホルダーへの手数料や税金を差し引いた、Ninja Theoryの取り分を全額寄付する。

本作は、ヴァイキング時代に生きるケルト族の女戦士セヌアが、恋人の魂を救うためにヴァイキングの冥府ヘルに向かう過酷な旅を描く3人称視点の3Dアクションゲームだ。セヌアは精神を病んでおり、ゲーム中は幻聴がまとわりつくように聴こえ、幻覚にも襲われる。本作の開発過程では、神経科学者や精神病患者の協力を得ながらセヌアのキャラクターを構築していったという経緯があるため、今回のチャリティに結びついたのだろう。

また今回、本作のAccoladesトレイラーも公開されている。Accoladeとは称賛や栄誉といった意味で、高い評価を得たゲームが発売後にメディアの賛辞を紹介するためにリリースすることが海外では一般的だ。しかしNinja Theoryはメディアの言葉ではなく、本作の発売以来ファンから寄せられたメッセージを代わりに紹介している。その中には、「精神疾患を抱えていた自分のことを理解してくれなかった兄弟が、本作をプレイして当時の自分を恥ずかしく思い謝ってくれた」など、本作が多くのプレイヤーの心を動かしたことを感じさせる言葉の数々が掲載されている。

また、このトレイラーに使用されている画像もすべてファンから寄せられたものだ。本作はフォトモードを搭載しており、ゲーム中の一瞬をカメラを動かしながら撮影することができる。本作は比較的小規模な作品だが、さまざまな表情を見せるセヌアをはじめ、グラフィックのクオリティはAAAタイトルに引けを取らない。トレイラーでは、フォトモードに用意されたツールやフィルターを駆使した、本作の美しい一瞬一瞬を映し出している。Ninja Theoryがファンベースを大切にしているという一面が垣間見える活動および映像であるだろう。