SWERY氏の新作『The Good Life』Figでのクラウドファンディングは失敗に終わる。さまざまな反省点を踏まえ、Kickstarterで再スタートへ

White Owlsを率いるSWERYこと末弘秀孝氏は10月13日、新作『The Good Life』の開発資金を募るFigでのクラウドファンディングが終了したことを発表した。初期目標金額として150万ドル(約1億6800万円)を設定していたが、最終的に3478人から68万2864ドル(約7600万円)を集める結果となり、残念ながら目標に届かずキャンペーンは失敗に終わってしまった。

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『The Good Life』は、ニューヨーク出身の写真家ナオミを主人公とする借金返済生活シミュレーションRPGだ。彼女は借金を返すために大手新聞社からの依頼を受け、世界一幸福といわれるイギリスの田舎町レイニーウッズを訪れるが、ひょんなことから殺人事件に巻き込まれてしまう。

プレイヤーは街を探索して気になるものをカメラで撮り、新聞社に送ることで報酬を得ることができる。また、羊の毛刈りやバーテンダーなどのアルバイト(ミニゲーム)や、牧場などを購入して定期収入を得るなど、お金を稼ぐさまざまな手段が用意される。一方、時間や季節の移り変わりが表現されるレイニーウッズでは、夜になると街の住人がなぜかネコまたは犬になる。プレイヤーは借金返済の傍ら、殺人事件の真相や、謎に満ちた町の秘密を解き明かしていく、というゲームだった(関連記事)。

今回のクラウドファンディング失敗を受けて、SWERY氏はキャンペーンにおける反省点と今後について説明している。まず、本作についてはクラウドファンディングを開始する前にコンセプトデザインなどがリークする出来事があった。Figでは通常の出資(Pledge)だけでなく、ゲームの発売後に利益に応じて分配金を得ることができる投資も可能なことから、熱心な投資家に対して事前にプロジェクトの概要を伝える「Backstage Pass」という仕組みが用意されており、そこから情報が漏れたのだ。実際はローポリゴングラフィックの3Dゲームだが、そこではイラストのみでゲームが紹介されており、結果的に誤ったイメージが人々に浸透していってしまった。SWERY氏は、もっとも初期の段階でゲームの正確な情報を伝えることに失敗してしまい、またその後公開したコンセプトトレイラーでも混乱を招く結果となり、『The Good Life』がどのようなゲームなのかをより不確実なものにしてしまったと語る。

本作の開発には、『パンツァードラグーン』シリーズなどのクリエイターとして世界的に知られる二木幸生氏が所属するグランディングが参加しているが、この事実についてはキャンペーン開始からやや遅れて明らかにされた。SWERY氏はこの判断についても、もっと早くから強くプッシュし、強力なタッグチームを組んでいることをPRに活かすべきだったと振り返っている。そのほか、レイニーウッズの人々がネコに変わるバージョンと、犬に変わるバージョンの二種類のゲームが存在することや(これもキャンペーン途中に明らかにされた)、牧場の羊を追加で購入するプランがあったことなどが出資者を混乱させてしまったと述べている。

40日間あった今回のキャンペーンでは、残り2週間の時点から技術デモ映像を披露したり、ゲーム業界の著名人らの応援ビデオなどを公開して精力的にアピールしたが、結果は冒頭に記したとおり。海外メディアDestructoidによると、Figの担当者は150万ドルという非常に高額な目標設定はリスクが高いとアドバイスしていたそうだが、SWERY氏はその金額にこだわったという。ゲームにおけるクラウドファンディングでは、いくつもの成功例と失敗例から一定のノウハウが蓄積されてはいるが、まだこの世に存在していないゲームの魅力を伝えることの難しさをあらためて感じさせる。

SWERY氏(画像左)と二木幸生氏(画像右) Image Credit: White Owls

さて、Figでの資金獲得に失敗してしまった『The Good Life』だが、SWERY氏はこのまま諦めることはしないと力強く宣言している。年内のできるだけ早い内にKickstarterでクラウドファンディングを再スタートさせる予定だそうだ。次のキャンペーンでは、初日からゲームの内容が正しく理解できる明確なトレイラーと情報を用意し、もっと現実的な目標金額を設定するとのこと。そのために、新たに“偉大なパートナー”がプロジェクトに参加するという。また、Limited Run Gamesと協力してパッケージ版を制作することも明らかにしている。Kickstarterは先月に日本に進出し、日本からのプロジェクト立ち上げが容易になった。またサイトが日本語に対応し、出資する側としてもより利用しやすい環境になっている。今回の反省を活かして、『The Good Life』がどのような再スタートを切るのか注目したい。

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