『Star Wars バトルフロントII』開発元DICE、厳しい意見続く「クレート」や「ゲーム内クレジット」に関するファンの質問に回答

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Star Wars バトルフロント II』の開発を担当するDICEは11月16日、コミュニティサイトRedditにてAMA(Ask Me Anything、何でも聞いていいよ)を実施した。ユーザーからの質問に対応したのは、本作のエグゼクティブ・プロデューサーJohn Wasilczyk氏、デザインディレクターのDennis Brannvall氏、そしてマルチプレイプロデューサーPaul Keslin氏の3名だ。

本作はEA Access/Origin Accessを通じた発売前の先行トライアルや、デラックスエディションでの先行アクセスがすでに実施されており、「スターウォーズ」の世界観を再現するというゲームの基本的な部分においては高い評価を得ている一方、クレートシステムやキャラクターのアンロックシステムなどのサービス面で大きな批判にさらされている(関連記事)。今回のAMAでは、同問題に関連する質問が多く寄せられた。そうした部分を中心に、どのようなやり取りがあったのか、かいつまんで見ていきたいと思う。

本作には「スターカード」というキャラクターのカスタマイズ要素が存在し、クレート(ルートボックス)を開けることで入手できる。では、すべてのスターカードを入手するにはどれくらいかかるのか海外メディアSWTORSTRATEGIESが試算したところ、約4500時間のゲームプレイ、あるいは2100ドル(約24万円)のゲーム内課金が必要という結果になったと報じて注目を集めている。これについて問われたWasilczyk氏は、EA Access/Origin Accessでの先行プレイから得た平均値からすると、実際はその試算よりも遥かに速い時間で入手できると回答。具体的な数値は示さなかったが、すべてのプレイヤーに達成できると感じてもらう必要があり、もしそうなっていないなら調整するとした。

マルチプレイ終了後に受け取れるゲーム内クレジットについて、前作のようにプレイヤーのスコアに比例しておらず、席を外して放置していてもそれなりの報酬が受け取れてしまうとの指摘があった。これについてKeslin氏は、実際にはプレイヤーのパフォーマンスも反映されていると反論(スコアの20パーセント)。ただ、現時点ではプレイ時間により重きが置かれていることは事実で、今後パフォーマンスが報酬に結びついていることをより分かりやすくするとコメントしている。

そのマルチプレイのマッチングについては、Wasilczyk氏によると現在は新たなプレイヤーが増えている状況で、時に実力差のあるマッチングが発生することもあるとのこと。ただ、マッチングはプレイヤーのスキルだけではなく、装備やプレイ時間も加味していると説明。仮に新人が強いスターカードを装備したプレイヤーとマッチングしたとしても、次の試合からはそのプレイヤーとは(同程度の実力になるまで)マッチングしなくなるはずだとしている。

本作はスターカードのようなゲームプレイに影響するカスタマイズ要素を持つ一方、見た目を変えるだけのカスタマイズは用意されていない。Brannvall氏は、いつ実装できるかは言えないがコスメティクス要素に取り組んでいるとし、「スターウォーズ」の映画だけでなくテレビアニメやコミック、小説など日々寄せられる要望をもとに検討中だと発言している。ただし、ここでの質問の趣旨は「クレートをコスメティクス要素に限定すべきではないか、いまさら変更するのは無理だろうか」というものだった。これに対して「何事も遅すぎることはない」としたものの、直接的な回答は避けた形だった。

クレートについては本作に限らず否定的な意見が多いが、ここでもプレイヤーの達成感を台無しにするものであるとか、ギャンブルの一種である、あるいはPay-to-Winに繋がるなどとして取り下げるべきだとDICEに迫っている。Brannvall氏は、プレイヤーに押し付けるようなものでない限りは、クレートは楽しい付加要素になり得るとコメントしている。ただ、本作の現状はそうなっていないとの認識を示し、早急に解決するとともに、キャラクターの成長要素に別の方法を取り入れることも検討すると回答している。

本作にはAIの敵を相手にさまざまなシナリオに挑戦する「アーケードモード」というシングルプレイモードがある。これをプレイすることでもゲーム内クレジットを獲得することができるが、1日に得られるのは合計500クレジットまでに制限されている。このゲームモードについてKeslin氏は、オフラインのリラックスしたゲームプレイでもクレジットを獲得できるように用意したとしているが、プレイヤーの生活スタイル(あるいは懐事情)によってはここで得られるクレジットが重要さを増す場合もあり、この制限には不満が集まっている。これについてKeslin氏は、乱用されてオンラインモードに悪い影響を与える可能性を考慮して制限を設けたと説明している。現時点ではその制限を緩和したり撤廃したりといった予定はないようだが、今後データを継続的にチェックしながら、バランスを取れるよう可能な限り調整していくとした。

最後に、DICEは『Battlefield』シリーズを中心に手がけ確固たるブランドを築いてきた。本作でやり玉に上がっている問題は親会社であるEAのビジネスに起因していると想像され、EAとの関係がそのブランドに傷を付けているとは思わないかという質問があった。これに対してBrannvall氏は、DICEはEAの一部であり同社無しではゲームは作れないとし、このチームの一員であることに誇りを持っているとコメント。そして、「我々は時に間違いを犯すこともあるが、その場合は常にコミュニティの意見に耳を傾けて修正していく」とした。

3人の発言の中では「注視している(we’re looking at)」や「引き続き調整していく(we will continue adjusting)」といった曖昧な回答が何度も登場し、Redditユーザーに揶揄されると共に投稿には大量の不評が投じられている状況だ。このタイミングでAMAに臨むには準備不足だった印象だが、まだ正式な発売日を迎える前に具体的な約束をすることは難しいという事情もあったのかもしれない。このほかにも本作に関するさまざまな質問に答えているので、詳しくはスレッドをチェックしていただきたい。

『Star Wars バトルフロント II』は、PC/PS4/Xbox One向けに11月17日発売予定。「デラックスエディション」の購入者は14日からプレイ可能となっている。

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