Vivendi、少なくとも半年間はUbisoftに対する敵対的買収を仕掛けないと明言。2017年第3四半期決算発表にて

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フランスのマルチメディア企業Vivendiは11月16日、2017年第3四半期の決算発表にて、少なくとも次の半年間はUbisoft社に対する敵対的買収を仕掛ける意向はない旨を伝えた(PDFリンク)。Vivendiは2015年10月に初めてUbisoft株式を取得したのち、徐々に同社株式の保有率を伸ばしてきた経緯がある。2016年にはUbisoft傘下のモバイルゲーム開発会社Gameloftに対する敵対的買収に成功し、Ubisoftに買収を仕掛けるのも時間の問題とされてきた。

Vivendiは9月22日の時点でUbisoftの株式を26.63%保有しており(プレスリリース)、フランスの法律上、株式公開買付けを実行できる株式保有率30%まで残りわずかとしている。11月23日にはVivendiの持ち株の一部にフランスの議決権倍増制度(仏企業の株式を2年以上保有している長期株主の議決権を2倍にする制度)が適用されることから同社の動向が注目されてきた。こうした状況を踏まえ、Vivendiは議決権の増加に伴い株式保有率30%のラインを超えることはないと説明。また次の半年間にかけてはUbisoftの取締役会にVivendi社側の候補を送り込むこともないとしている。

Vivendiがゲーム業界に関心を抱いていることに変わりはなく、Vivendi傘下となったGameloftのモバイルタイトルのダウンロード数が好調であることや、Ubisoft投資分の未実現値上り益が10億ユーロ(約1328億円相当)を超えている点に言及している。ひとまず猶予が与えられたが、敵対的買収の可能性が無くなったわけではないだろう。こうしたVivendiの声明を受け、Ubisoftは海外メディアGamesIndustry.bizに「彼らの長期的な動向を引き続き警戒しつつ、全株主の利益のため我々の計画に沿った成長と価値創造を追求し続けます」とのコメントを寄せている。

なおUbisoftは同日、2018年初頭ドイツ・ベルリンに新スタジオを設立し、『ファークライ』フランチャイズの作品開発にあたる旨を発表している(VentureBeat)。

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