『ウィッチャー3』越えを狙うRPG『Cyberpunk 2077』。ゲーム内課金モデルを懸念する声に、強欲にはならないと開発元が約束

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CD PROJEKT REDは今月初め、ポーランドの投資家向け情報サイトStrefa Inwestorówのインタビューに応えた。その中では『ウィッチャー3 ワイルドハント(以下、ウィッチャー3)』での成功や、現在展開中の『グウェント ウィッチャーカードゲーム』、また鋭意開発中のRPGタイトル『Cyberpunk 2077』などについてCEOのAdam Kiciński氏が語っている。投資の判断材料となる話題が中心であるため、ゲームの内容に深く立ち入るようなインタビューではないが、『Cyberpunk 2077』については興味深い発言もあった。

インタビューで『Cyberpunk 2077』について問われたKiciński氏は、同スタジオは常に前作を超えるものを生み出すよう取り組んでいるとし、同作においては『ウィッチャー』シリーズでは立ち入ることのなかった領域に挑戦し、より高みを目指したいとコメント。そして商業的な成功という意味においても、より重視しているとしている。

『ウィッチャー』シリーズは、2016年度までに累計2500万本を販売しており、『ウィッチャー3』だけでも1000万本以上を売り上げている。Kiciński氏はこの成功には満足しているとしつつ、ほかにもっと売れているゲームが存在するため、まだまだ売り上げを伸ばす余地はあるとしている。そのためにも、『Cyberpunk 2077』には『ウィッチャー3』よりも遥かに多くの開発資金をつぎ込む計画だという。

この発言を受けてStrefa Inwestorówは、商業的にそのような高い目標を達成するにはオンラインマルチプレイ要素は欠かせないのではないかと問いかけている。Kiciński氏はオンラインは長期的な成功を得るためには必要、あるいは強く推奨される要素だと同意し、詳しいことはまだ明かせないが『Cyberpunk 2077』にはオンライン要素が存在すると認めている。

『Cyberpunk 2077』には何らかのマルチプレイ要素が存在することはすでに明らかにされており、これ自体は目新しい情報ではないが、Kiciński氏の発言からは売り上げを伸ばすためにマルチプレイを利用するかのように受け取れたことから、海外メディアやゲーマーの間で話題となった。

先月、Visceral Gamesの閉鎖に関連して弊誌でも取り上げたように、昨今大手パブリッシャーを中心に「Games as a Service」への移行が加速している。ゲームを発売してそれで終わりではなく、ゲームをひとつのサービスとして運営してプレイヤーに長く遊んでもらい、そしてマネタイズの機会を増やすビジネスモデルだ。AAAタイトルの開発費が高騰し続ける一方、ゲーム本体の販売価格は変わらないという現状において、1本のゲームから継続的に収益を得られるこのビジネスモデルの重要性は増しており、これ自体には問題はない。しかし、“フルプライス”を支払っていながらすべてのコンテンツにアクセスできなかったり、ゲーム内課金の仕組みによっては不公平感を生む場合があったりと、Games as a Serviceへの拒否反応を示すゲーマーも少なくない。

そうした懸念に対してCD PROJEKT REDは、「心配する必要はありません」とTwitter上でコメントしている。同スタジオ曰く『Cyberpunk 2077』は、物語主導の巨大なシングルプレイ・オープンワールドRPGという『ウィッチャー3』が持つ要素から何も差し引かれるものはないと明言。そして同作がそうであったように、プレイヤーを欺くような仕組みは存在しないとし、「強欲なことは、ほかの誰かに任せます」とコメントしている。

『Cyberpunk 2077』は発表からすでに5年以上が経過しているが、いまだそのゲーム内容のほとんどが謎に包まれており、導入されるマルチプレイ要素についても、どのようなものであるか明らかにされていない。Kiciński氏の発言から長期的にサービスを続けるタイトルになることが見込まれ、マルチプレイはその鍵となる要素だ。『ウィッチャー3』に引けを取らない巨大なシングルプレイゲームが、どのようにマルチプレイを絡めた拡張がなされるのか。まだ発売時期すら発表されていないが、その続報に注目が集まる。

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