イルカとなり冒険するPS4向け新作『Jupiter & Mars』は、『ルミネス』元プロデューサーが開発を手がける。元気ロケッツのボーカリストも参加

 

ニューヨークを拠点とするスタジオTigertronは、今月12月9日に開催された「PlayStation Experience 2017」にて、『Jupiter & Mars』を発表した。対応プラットフォームはPlayStation 4で、PlayStation VRに対応している。『Jupiter & Mars』は海洋を舞台としたアドベンチャーゲームだ。舞台となるのは汚染された地球、人類が滅んでしまった世界だ。プレイヤーとなるのは二匹のイルカJupiterとMars。イルカたちの冒険を通じて、汚れてしまった惑星を美しくする物語が描かれる。

同作の開発元であるTigertronは、James Mielke氏が設立したスタジオだ。James Mielke氏は日本での在住経験があり、Q-EntertainmentとQ-Gamesに在籍していた過去を持つ。Q-Entertainment在籍時には『Child Of Eden』や『ルミネス エレクトロニック シンフォニー』にてプロデューサーをつとめた。インディーゲームの祭典BitSummitを立ち上げた人物としても知られている。

PlayStation.blogによると、Mielke氏は子供を二人持つ身として環境問題について危惧しており、特に海洋汚染を懸念しているという。持続不可能なペースで資源が進む現状を考え、環境保全を促すべく本作の開発が始まったとのこと。Mielke氏は本作を開発するにあたり、『スペースチャンネル』や『Rez』、『ルミネス』を手がけた水口哲也氏から「君はこのゲームを作るべく生まれてきた」と告げられたことも明かしている。

映像を見る限り、ゲームプレイはイルカの一人称視点により進んでいくようだ。海の底に沈む、人類たちが残した文明の遺跡を探索する。イルカたちは、さまざまな方法で汚れてしまった海を元ある美しい姿へと戻していく。こうした海の中でのゲームプレイは、Mielke氏のスキューバダイビングの体験に基づいて構築されているとのこと。PlayStation VR専用ではないものの、PlayStation VRを強く意識してデザインしていることも強調している。

またサウンドに力が入れられているのも本作の特徴だ。楽曲制作にはビートルズのプロデューサーをつとめたGeorge Martin氏のプロダクションに所属するJonathan Atkinson氏が参加しているほか、前述の水口哲也氏がプロデュースするアーティスト「元気ロケッツ」のボーカリストのひとりである宮原永海氏がテーマソングを歌う。「音楽ゲーム」ではないながら、ミュージカルな作品であるとMielke氏は語る。美しい音と歌声とともに海の冒険へ出かけよう。

開発はTigertronだけでなく、Tantalus MediaとWicked Witch Softwareと共に制作を進めているという。両スタジオともに歴史のある実力派デベロッパーであるということで、野心的なアイディアだけでなくゲームのクオリティにも期待できそうだ。

『Jupiter & Mars』は2018年Q2(夏頃)にPlayStation 4向けに発売予定だ。