Take-Twoがインディーゲーム専門レーベル「Private Division」を設立。『アサシン クリード』や『Fallout NV』のクリエイターらの新作を販売へ

 

Take-Two Interactive Software(以下、Take-Two)は12月14日、Rockstar Gamesや2Kに続く新たな販売レーベル「Private Division」を設立したと発表した。Private Divisionはゲーム業界のベテランで構成され、トップレベルのインディーゲームを市場に届けることを目的とする、デベロッパー主体のレーベルだという。インディースタジオに権限を与え、商業的にも批評的にも世界規模で成功できるよう、スタジオ自身が情熱を持って作らんとするゲームをサポートするとしている。

Private Divisionのもとではすでにいくつかのインディーゲームが開発中で、そのラインナップが紹介されている。まずは、『Assassin’s Creed』シリーズを手がけたことで知られるPatrice Désilets氏のスタジオPanache Digital Gamesが、Unreal Engine 4で開発中の『Ancestors: The Humankind Odyssey』。3人称視点のアクションアドベンチャー・サバイバルゲームで、1000万年前の世界を舞台に人類の初期の姿に迫る内容になるという。

次に、DICEで活躍し、のちに『PAYDAY 2』を手がけたことでも知られるDavid Goldfarb氏が設立したThe Outsidersの『Project Wight』(コードネーム)。知能を持ったモンスター種の最後の生き残りがいる、架空のバイキング時代を描くRPGになるようだ。また、『Fallout: New Vegas』や『Pillars of Eternity』シリーズなどで知られるObsidian Entertainmentの未発表のRPGタイトルや、『Halo』を手がけたMarcus Lehto氏が設立したV1 Interactiveの未発表のSF FPSタイトルも、Private Divisionのもとで開発中だという。そして、Take-Twoが今年5月に買収した宇宙開発シミュレーションゲーム『Kerbal Space Program』の販売もPrivate Divisionが担当することになった。

Take-TwoはPrivate Divisionの設立準備に2年以上を費やし、経験豊富な人材を集めて、上記した有望なプロジェクトとの契約を獲得してきたという。Take-Twoの幹部Michael Worosz氏は、クオリティの高い新規IPゲームを開発するインディースタジオが増えてきているため、Private Divisionではそうしたスタジオやプロジェクトをサポートし、世界中のゲーマーに作品を届けることを目標にしていると語る。

近年、Devolver DigitalやTeam 17、tinyBuildなどインディーゲームを専門に手がけるパブリッシャーの存在感が高まる中、大手パブリッシャーも外部スタジオのインディーゲームの販売に乗り出す動きが出てきている。たとえばElectronic ArtsはEA Originalsという専門レーベルを発足させ、またActivisionは傘下のSierraをインディーゲームの販売に当たらせている。そのほか、スクウェア・エニックスはSquare Enix Collectiveを通じてインディーゲームをサポート。バンダイナムコも海外デベロッパーの作品の販売を始めている。今回Take-TwoがPrivate Divisionを設立したのも、こうした業界の潮流に乗った動きと見ることができそうだ。