中国政府がSteamコミュニティへの中国国内からのアクセスをブロック。ゲームの購入ではなく「情報共有」の遮断が狙いか

現在、中国本土からSteamのコミュニティサイトへのアクセスが遮断されていると、GreatFire.orgが報告している。中国政府はインターネット上の情報を「金盾」と呼ばれるシステムにより検閲し、中国共産党にとって都合の悪い情報に国民がアクセスできないよう通信を操作している。たとえばGoogle検索やTwitter、Facebookなどもこの対象となっており、中国国内からのアクセスが遮断されている。GreatFire.orgは、そのファイアウォール(Great Firewall)の影響を受けているウェブサイトを調査・報告している非営利団体だ。

GreatFire.orgの報告によると、12月17日から現在まで「www.steamcommunity.com」から始まるURLがGreat Firewallによりブロックされており、中国国内からアクセスできない状態になっているという。このドメインは「Steamコミュニティ」に使用されており、ユーザーのプロフィールやアクティビティ、実績、ワークショップ、コミュニティマーケットなどのページがある。この異変については中国国内のメディアも報じており、そのひとつGamerSkyは、エラー表示のみとなったSteamコミュニティのスクリーンショットを掲載している。

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Redditでも、中国在住だというユーザーからの同様の報告が寄せられている。一方で、「store.steampowered.com」から始まるストアページなどは変わらずアクセス可能だそうで、GreatFire.orgでも影響は確認されていない。そのため、ゲームの購入やプレイには支障がないようだ。ただ、各ゲームの掲示板が遮断されているため、開発者やほかのユーザーとの情報交換には制限がかかっている状態といえる。

中国国内ではゲームに対する規制が強いことで知られており、中国本土に進出している各コンソールにおいては、大型タイトルであっても政府の認可が下りず発売されていない例が多々ある。またSteamにおいても、たとえば先月、歴史ストラテジーゲーム『Hearts of Iron IV』が中国から購入不可になった。販売元のParadox Interactiveは、同作が中国の国内法に適合しておらず、取り下げを要求されたため従ったとしている(同作では中国も舞台の一つとなるが、具体的にどのような法律に抵触しているのか詳細は聞かされていないとのこと)。さらに、『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』をはじめ昨今人気のバトルロイヤルゲームについて、暴力的な表現が過ぎると規制する動きも出てきている(関連記事)。

『Hearts of Iron IV』には蒋介石や毛沢東も登場

しかし、現在アクセスが遮断されているのはSteamコミュニティのみであり、前述したようにゲームの購入やプレイは可能なため、ゲーム自体への規制が目的であるとは考えにくい。今のところ中国当局やValveから声明は出されておらず真相は不明だが、ユーザーの間ではSteamの掲示板など、まさにコミュニティの場そのものが問題視されたのではないかと囁かれている。あるRedditユーザーは、チベットの自由についてや、中国共産党について議論している複数のSteamユーザーグループがおり、それらへのアクセスを遮断する中で今回の大規模な規制に繋がったのではないかとしている。

中国共産党に対する批判はもちろん、チベット問題についても金盾による規制対象となっているため、ほかのウェブサイトと同じようにSteamコミュニティへのアクセスが遮断されたというのは一定の説得力があるように思える。とはいえ、中国人のSteamユーザーがみなそのような議論に参加している訳ではなく、ただゲームを楽しむために利用しているのがほとんどだろう。今回の規制を受けて、中国人ユーザーはVPNを利用したり、Steamコミュニティにアクセスする専用アプリを制作・配布したりしてGreat Firewallを回避しているようだ。

指摘されたSteamグループかどうかは分からないが、チベットの自由を訴え、中国共産党政府を批判するグループが存在する

Valveの調査によると、今年11月にSteamを利用した全ユーザーの実に64パーセントが、中国本土で使用される簡体字中国語を利用するユーザーだったそうだ。Steamにとって、ひいてはSteamでゲームを販売する開発者にとって、中国からのユーザーは大きな存在となっている(関連記事)。現在はまだそれほど大きな問題にはなっていないようだが、この規制が長引けばさまざまな影響が出てくるかもしれない。

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