PS4向けリメイク版『ワンダと巨像』は、イギリスではオリジナル版より73%多く売れた。高評価と市場拡大により飛躍


イギリスのビデオゲーム業界の団体組織のUkieは、パッケージタイトルにおける2月10日付の週間チャートを公開した。『EA SPORTS UFC 3』が2位に、『モンスターハンター:ワールド』が3位にランクインしたほか、首位にはPlayStation 4向け『ワンダと巨像』が君臨している。

Image Credit : Ukie

そして注目したいのが、新たな『ワンダと巨像』が2006年にPlayStation 2にて発売されたオリジナル版より70%増加しているという73%多く売れたと報告されている点。2006年にもイギリスにて首位を獲得したが、12年の時を経て発売されたリメイク版はさらなる売り上げを獲得しているのだ。

この売り上げには、さまざまな要因が絡んでいると思われるが、まず考えられるのがイギリスの市場の拡大だ。イギリスのゲーム市場は2010年から特に大きな成長を遂げており、同国の調査会社Funding Optionsによると、コンピューターゲームジャンルにおいては2010年度と比較すると、2015年度の市場は約1.5倍に拡大しているといい、それ移行も成長傾向が続いている。2006年と2018年ではっきりとした比較はできないものの、その市場のスケールは大きく変化していると予想できる。現在の市場規模が、中国、アメリカ、日本、ドイツに次ぐ5番目であることは、イギリスの躍進を物語っているだろう。

さらにイギリスはPlayStation大国としても知られており、2017年に同国にて発売されたパッケージタイトルの50.2%がPlayStation 4タイトルであったと前出のUkieにより報告されている(gameindustry.biz)。特にPlayStation 4独占タイトルは好調な傾向にあるとされており、こうしたイギリス市場の拡大と親和性が『ワンダと巨像』の売り上げを後押ししたとされている。

ただし、市場が好調でもゲームが優れなければメガヒットは生まれない。リメイク版『ワンダと巨像』はMetacriticではスコア92を記録しているほか、Eurogamerは「これまででもっとベストなリメイクのひとつ」と絶賛している。ゲームのアイデンティティに守りつつ、ゲーム内の世界の美しさを徹底的に伸ばしきった情熱が高く評価されている形だ。

リメイク版の売り上げがオリジナル版を大きく上回るというのは、それほど見られない珍しい事例であるといえる。もとよりファン人気の根強い作品であるが、PlayStation 4版の発売により欧州にて再発見されたとも表現してもいいだろう。ビジュアルの刷新、フォトモードの実装以外にも何やら新たな要素が発見されている(関連記事:ネタバレ注意)ようなので、懐かしくも新しい『ワンダと巨像』をこれを機にふたたびプレイしてみてはいかがだろうか。